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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第24弾 小名浜~日光を検証する【2】鉄道チームの最適解は?

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「バスVS鉄道乗り継ぎ対決旅」第24弾のルート検証、ここからは鉄道チームのルートを検証してみましょう。

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「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第24弾 小名浜~日光を検証する【1】

バスVS鉄道24弾
Ⓒテレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅24 夏に行きたい観光スポット攻略SP
【出演】太川陽介、村上佳菜子 武田玲奈、村井美樹、後上翔太 吉川正洋(ダーリンハニー)
【放送日】2025年7月4日(金) 19時25分~21時54分(テレビ東京系列、見逃し配信あり)

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鉄道チームの検証

最初に、鉄道チームの実際ルートの乗り継ぎを再掲しておきます。以下のようになっていました。

▽1日目
小名浜港→タクシー6km、2,500円→11:21泉駅11:29→11:34湯本駅→徒歩4km→ハワイアンズ(★)14:13→タクシー4km、2,100円→14:25湯本駅14:28→14:37いわき駅15:45→17:36郡山駅18:20→18:59野木沢駅→徒歩5.3km(道迷いで約9km)→21:20母畑温泉八幡屋(★)

▽2日目
母畑温泉八幡屋08:00頃→徒歩5.3km→野木沢駅→タクシー3,900円+徒歩、計9.8km→09:19矢吹駅09:23→09:41新白河駅09:52→10:15黒磯駅10:21→10:31西那須野駅→タクシー3,500円+徒歩1.5km、計9.3km→11:20チーズガーデン(☆)13:45→徒歩2.8km→千本松牧場14:15→タクシー1,000円+徒歩5km、計9.3km→15:22西那須野駅15:25→16:06宇都宮駅16:16→16:58日光駅→徒歩0.3km→東武日光駅→タクシー+徒歩、計2.2km→17:19東照宮(石鳥居前)

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湯本駅からタクシーを利用していたら

鉄道チームは、1日目、小名浜港から、いきなりタクシーを使い、泉駅へと急ぎました。おかげで、泉駅11時29分発の列車に間に合いました。

しかし、到着した湯本駅からはタクシーを使わず、第1チェックポイントのハワイアンズまで歩きました。そのため、第1チェックポイントの先着ボーナス1,000円を、バスチームに奪われる結果となっています。

仮に、湯本駅からハワイアンズまでタクシーを使っていたら、どうなっていたでしょうか。

▽1日目
泉駅11:29→11:34湯本駅11:35→タクシー4km、2,100円→11:50ハワイアンズ(☆)13:20→徒歩4km→14:20湯本駅14:28→14:37いわき駅15:45→17:36郡山駅18:20→18:59野木沢駅→徒歩5.3km(道迷いで約9km)→21:20母畑温泉八幡屋(★)

湯本駅からハワイアンズへは、列車に接続して送迎バスが運行しています。バスチームは、その送迎バスを利用しましたが、鉄道チームがバスの出発より早くタクシーに乗っていれば、ハワイアンズに先着できます。

そうすれば、第1チェックポイントで1,000円を得られたでしょう。ただ、鉄道チームが1,000円を得ただけでは、全体的な乗り継ぎは変わらず、歩く距離が減るだけです。

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バスチームのタクシー代が1,000円減る意味

しかし、鉄道チームのタクシー代が1,000円増えれば、バスチームのタクシー代が1,000円が減ります。すると、バスチームは、最終局面の塩原温泉~湯西川温泉駅で、タクシーに乗車できる距離が減ることでしょう。

バスチームは塩原温泉からタクシーに乗り、途中で資金が尽きています。湯西川温泉駅に歩いて到着したのは15時でした。一方、湯西川温泉駅からのバスの出発時刻は15時15分です。つまり余裕時間は15分しかありません。

タクシー代が1,000円減れば、2~3kmは余分に歩かなければならないので、15時15分発にはおそらく間に合わないでしょう。

結果として、バスチームは湯西川温泉の出発が1本遅くなり、東武日光駅に到着するのは18時過ぎになります。相対的に鉄道チームが早くゴールできますので、勝利していたでしょう。

つまり、湯本駅からタクシーを使ってハワイアンズに向かっていれば、鉄道チームの勝利の可能性が高かったことになります。湯本駅からタクシーを使うか否かが、今回の勝敗の分かれ目になっていたわけです。

鉄道チームは、ハワイアンズの帰路に、湯本駅までタクシーを利用しています。どのみちタクシーを使うなら、ハワイアンズへの往路で使ったほうが効果的です。今回の鉄道チームの、シンプルな最適解といえそうです。

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小名浜からハワイアンズへ直行していたら

別の可能性として、小名浜から第1チェックポイントへ直行していたらどうなっていたでしょうか。

▽1日目
小名浜港10:43→タクシー13.8km→11:15ハワイアンズ(☆)12:45→タクシー4km→13:00湯本駅13:28→13:37いわき駅15:45→17:36郡山駅

このように、小名浜からハワイアンズへタクシーで直行し、ミッション終了後、タクシーで湯本駅まで進んだ場合、湯本駅には13時頃に到着できます。これにより、湯本駅を実際より1本早い列車で出発できます。

しかし、いわき駅から郡山方面への列車は15時45分までありません。つまり、ここで実際ルートに収束します。

小名浜からハワイアンズまでタクシーで直行すると、タクシー代もかさみます。そのため、実際と同じルートを採るのであれば、タクシー直行に意味はありません。

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東海ルート

ただし、タクシーでハワイアンズまで直行し、その後、水戸方面の列車に乗るのであれば、違う乗り継ぎがあります。

▽1日目
小名浜港10:43→タクシー13.8km→11:15ハワイアンズ(☆)12:45→徒歩4km→13:45湯本駅13:57→15:01東海駅→タクシー8.4km→上菅谷駅15:34→17:49野木沢駅→徒歩5.3km→19:00母畑温泉八幡屋(★)20:20→徒歩5.3km→野木沢駅21:38→22:17郡山駅22:37→23:11白河駅

このように、最初からタクシーでハワイアンズへ直行し、1時間半かけてミッションを終えて湯本駅まで歩けば、13時57分発の水戸方面行きに乗れます。

この列車を東海駅で降り、水郡線の上菅谷駅までタクシーでショートカットできれば、19時頃には第2チェックポイントに到着できます。

19時はまだ夕食の時間帯ですので、宿に着いていれば1日目にミッションに着手できるでしょう。20時20分ごろまでに終了できれば、野木沢駅21時38分発の列車に乗って先に進めますので、深夜に白河駅まで到達可能です。

1日目に白河駅に達した場合、2日目は以下のように乗り継げます。

▽2日目
白河駅05:22→05:48黒磯駅05:53→06:03西那須野駅→徒歩9.3km→08:30チーズガーデン(☆)11:00→徒歩+タクシー9.3km→12:30西那須野駅12:59→13:40宇都宮駅14:12→14:58日光駅/東武日光駅→タクシー+徒歩、計2.2km→15:20日光東照宮

1日目のタクシー利用距離は約22kmなので、初期資金の13,000円でお釣りが来るでしょう。残った資金で、2日目に5km程度はタクシーに乗車可能です。

白河駅を始発でスタートし、西那須野駅から第3チェックポイントのチーズガーデンまで歩けば、8時半頃には到着できます。チーズガーデンは9時開店ですので、オープン直後にミッションを開始できるでしょう。

チーズガーデンからの復路にタクシーを使えば、西那須野駅12時59分発の列車に乗車できます。その場合は、15時すぎのゴールとなります。

つまり、1日目にタクシーでハワイアンズに直行し、東海経由で母畑温泉に向かっていたら、鉄道チーム圧勝の可能性があった、ということです。

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小野新町ルート

実際ルートに戻ります。

鉄道チームは、第1チェックポイントを終えたあと、郡山駅経由で第2チェックポイントに向かいました。このとき、磐越東線の小野新町駅から、タクシーでショートカットする方法もありました。

鬼軍曹も、このルートを検討していたようです。仮に実行した場合、このようになります。

▽1日目
いわき駅15:45→16:32小野新町駅→タクシー+徒歩、計25.6km→18:15母畑温泉八幡屋(★)20:00→徒歩5.3km→野木沢駅21:38→22:17郡山駅22:37→23:11白河駅

小野新町駅から、第2チェックポイントの母畑温泉へは約26キロあり、手持ちのタクシー代8,400円では足らなそうです。ただ、7km程度歩けばたどり着けますので、順調なら18時すぎに母畑温泉に着くことができるでしょう。

バスチームより早く着けなくても、ミッションを1日目に終わらせることはできます。そうなれば、野木沢駅21時38分発の列車に乗って、白河駅までたどり着けます。

すると、2日目は白河駅スタートになり、俄然、ラクになります。

▽2日目
白河駅05:22→05:48黒磯駅05:53→06:03西那須野駅→徒歩9.3km→08:30チーズガーデン(☆)11:00→徒歩9.3km→13:30西那須野駅13:58→14:40宇都宮駅15:15→15:58日光駅/東武日光駅→タクシー+徒歩、計2.2km→16:20日光東照宮

2日目はタクシー代が尽きていますので、東海ルートのようにチーズガーデンからの帰路にタクシーを使うことはできません。しかし、西那須野駅まで歩いたとしても、13時58分発の列車に間に合います。最終的には、16時台に日光東照宮に到達でき、鉄道チームが勝利していたでしょう。

チーズガーデンのミッションをもう少し早く終わらせられれば、西那須野駅12時59分発の列車に乗ることも不可能ではありません。その場合は、東海ルートと同様、15時20分頃にゴールして、圧勝できていたことになります。

いずれにしろ、小野新町駅で降りてショートカットをしていても、鉄道チームが勝てた可能性が高いといえます。

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1日目にタクシー代を温存したら

さて、鉄道チームは、1日目の序盤で、タクシーを小分けにして使いました。しかし、1日目は徹底的に節約して、タクシー代を温存するという判断もあり得たでしょう。その場合、このような乗り継ぎになります。

▽1日目
小名浜港10:43→徒歩5.3km→12:00泉駅12:25→12:30湯本駅→徒歩4km→13:30ハワイアンズ(★)15:00→徒歩4km→16:00湯本駅16:29→16:38いわき駅17:50→18:37小野新町駅18:44→19:38郡山駅19:44→20:26野木沢駅→徒歩5.3km→22:00母畑温泉八幡屋(★)

1日目は、合計19km程度を歩きますが、タクシー代を全く使わずに、母畑温泉まで到達できます。1日目にタクシー代を使わなくても、1日目に第2チェックポイントまで達しているので、実際ルートと同じ結果を得られることになります。

すると、2日目に、実際より約10kmぶん、タクシーが余計に使えます。それを、第3チェックポイントへの往復に投入すると、次のような乗り継ぎができます。

▽2日目
母畑温泉八幡屋→(中略)→10:31西那須野駅→タクシー9.3km、3,500円→11:00チーズガーデン(☆)13:30→タクシー9.3km、3,500円→13:50西那須野駅13:58→14:40宇都宮駅15:15→15:58日光駅/東武日光駅→タクシー2.2km→16:10日光東照宮

このように、ミッションに2時間半かかっても、西那須野駅13時58分の列車にギリギリ間に合う可能性があります。その場合、日光駅に15時58分に到着でき、鉄道チームが勝利となります。

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上三依塩原温泉口ルート

1日目にタクシー代を使わなかった場合、2日目、第3チェックポイントから、野岩鉄道の上三依塩原温泉口駅へ向かうことも可能になります。

▽2日目
母畑温泉八幡屋→(中略)→10:31西那須野駅→タクシー9.3km、3,500円→11:00チーズガーデン(☆)13:30→タクシー9,300円+徒歩、計23.1km→上三依塩原温泉口15:30→15:59鬼怒川温泉16:07→16:37下今市16:45→16:54東武日光→徒歩2.2km→17:15日光東照宮

チーズガーデン出発時のタクシー代は、計算上6,600円です。チーズガーデンから上三依塩原温泉口間のタクシー代は概算で9,300円なので、2,700円分歩かなければなりません。距離にして6~7km程度なので、上三依塩原温泉口駅に到着するのは15時30分ごろになるでしょう。

ギリギリで、上三依塩原温泉口15時30分発の列車に乗れば、東武日光駅に16時54分に到着します。これは実際の到着時刻より5分くらい早いです。しかし、上三依塩原温泉口ルートでは、東武日光駅到着時点でタクシー代がありませんので、東照宮のゴール時刻は実際ルートより遅くなりそうです。そうなると、現実と同様、バスチームには勝てません。

上三依塩原温泉口ルートで勝利するには、チーズガーデンから上三依塩原温泉口までの徒歩距離を伸ばして、東武日光駅から日光東照宮までのタクシー代を残しておく必要があります。そうすれば、僅差でゴールに先着できる可能性があります。

しかし、そのマネジメントは難しく、実際同様に東武日光駅でタクシーがすぐに捕まらない可能性もあるでしょう。

現実問題として、チーズガーデンから上三依塩原温泉口駅までは23kmも離れていて、西那須野駅までに比べて倍以上の距離です。野岩鉄道は運転本数も少ないですし、あえて遠い上三依塩原温泉口駅を目指す理由はなさそうです。

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最終乗り継ぎ

では、ここで、両チームの最終局面の乗り継ぎを検討してみます。

■最終乗り継ぎ(鉄道)
SS:西那須野12:59→13:40宇都宮14:12→14:58日光
S:西那須野13:58→14:40宇都宮15:15→15:58日光
A:西那須野15:25→16:06宇都宮16:16→16:58日光
B:西那須野16:28→17:09宇都宮17:16→17:58日光
A:上三依塩原温泉口15:30→15:59鬼怒川温泉16:07→16:37下今市16:45→16:54東武日光
B:上三依塩原温泉口16:10→16:34新藤原16:54→17:29下今市17:36→17:45東武日光
※上三依温泉口15:30は特急「リバティ」ですが、特例により鬼怒川温泉以北は特急券不要で乗車できます。

■最終乗り継ぎ(バス)
SS:湯西川温泉駅13:30→(中略)→14:55日光駅15:10→15:18安川町
A:湯西川温泉駅15:15→(中略)→16:40日光駅→16:54日光東照宮
B:湯西川温泉駅16:15→(中略)→17:57東武日光駅18:05→18:10安川町

鉄道チームの「SS」はかなり難しいですが、「S」は実現可能性があります。

いっぽう、バスチームの「SS」は机上論としての理想解にとどまり、「S」に相当する日光駅16時頃到着の乗り継ぎはありません。バスチームの現実的な最速ゴールは「A」であり、太川はそれを実現しました。

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本質的には鉄道有利

両者が「A」同士の場合は、バスが有利です。ただ、バスは遅延が起こりやすいので、絶対的に有利ともいえませんでした。結果的には、「A」同士で、バスに大きな遅延がなかったので、バスが勝利となった形です。

比較すると、両チームが現実的な範囲で全力を尽くした場合、先着するのは鉄道ですので、本質的に鉄道が有利だったように感じられます。ここまでの検証でも示したとおり、鉄道チームには勝ちパターンが複数ありましたので、その点でも鉄道が有利だったと言えます。

今回のバスチームには、これといったミスがなく、タクシーを適切なタイミングで適切な距離で用いました。とくに、1日目に仁田まで4kmを歩いてタクシー代を温存したことが、最終局面でタクシーに乗車する距離を伸ばすことにつながりました。これこそが、バスチームの勝利の要因といえるかもしれません。ただ、ご覧いただいたとおり、紙一重の戦いだったのも確かです。

これで、バスチームが4連勝となり、通算成績を12勝12敗の五分としました。次回も楽しみです。(鎌倉淳)

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