「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第16弾のルート検証、ここからは河合チームをみてみましょう。
【最初から読む】
「ローカル路線バスの旅 陣取り合戦」第16弾 埼玉市街戦を分析する【1】

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 第16弾 路線バスで陣取り合戦 埼玉市街戦
【出演】太川陽介、箭内夢菜、酒井貴士(ザ・マミィ)、河合郁人、みりちゃむ、松尾諭
【放送日】2025年4月24日(木) 18時25分~20時54分(テレビ東京系列、見逃し配信あり)
河合チームの検証
ここからは、河合チームの検証です。実際ルートを再掲します。
▽1日目(河合チーム)
大宮駅西口10:40→11:11川越グリーンパーク11:38→11:59川越駅12:15→12:23札の辻→徒歩0.2km→十人十色(☆川越市)→徒歩0.2km→札の辻13:08→13:21伊草小学校前→徒歩0.3km→金笛しょうゆパーク(☆川島町)→徒歩0.5km→道場橋→徒歩3.4km→15:20頃聖天宮(☆坂戸市)→15:33聖天宮15:36→15:51若葉駅→徒歩1.2km→長峰園(☆鶴ヶ島市)→徒歩1.2km→若葉駅17:37→17:51南戸守→東松山市境→タクシー6.9km、3,000円→子虎(☆東松山市)→徒歩0.1km→東松山駅19:55→20:13森林公園北口入口
▽2日目(河合チーム)
森林公園北口入口08:20→08:32熊谷寺前→徒歩0.2km→08:50西京屋(★熊谷市)→09:15熊谷駅09:30→09:59県立循環器・呼吸器病センター→徒歩0.1km→10:57ひばり薬局循環器呼吸器病センター前11:15→11:30滑川町役場→徒歩1.3km→グランピング・テルマー湯(☆滑川町)→タクシー3,600円、5.5km→12:48ラーメン五月(☆嵐山町)→徒歩0.5km→武蔵嵐山駅→タクシー4.5km→森林公園駅14:05→14:33西熊谷駅入口→徒歩0.6km→西京屋(☆熊谷市)→熊谷寺前16:13→16:41籠原駅北口→タクシー+徒歩、6.2km→17:46深谷駅
若葉駅から他の選択肢はあるか
1日目、河合チームは大宮駅から川越市方面へ向かい、川越市の陣を獲得。川島町、坂戸市と北上し、順調に陣を増やしていきました。鶴ヶ島市の陣を押さえたところで若葉駅に戻り、東松山市へ抜けようと八幡団地行きのバスに乗りこみます。
ところが、八幡団地から東松山駅へのバスが20時すぎまでないことを知り、終点手前の停留所で降車。東松山市へ歩いて入り、陣の位置を確認した後、東松山駅付近までタクシーを使いました。
この局面で、若葉駅から他の選択肢はあるのでしょうか。調べた限り、若葉駅を17時30分以降に出発して、バスだけで東松山市へ乗り継ぐルートは見つかりませんでした。
1本早い八幡団地行きに乗れていたら
ただ、若葉駅を一本早い、17時08分発の八幡団地行きのバスに乗れば、八幡団地で乗り継いで東松山に到達できます。
▽2日目(河合チーム)
若葉駅17:08→17:27八幡団地17:35→18:05東松山駅
一行が、聖天宮から若葉駅に到着したのは15時51分。陣のある長峰園まで1.2kmなので、往復で約30分かかります。したがって、陣でのミッションを30分程度で手早く終わらせて、若葉駅に戻ってくれば、17時08分発のバスに乗って、東松山駅まで乗り継げたわけです。
それが実現可能だったかは定かでありません。現実としては、17時08分のバスに乗れなかったのですから、若葉駅から東松山市へ向かう際に、タクシーを組み合わせることは不可避だったという結論になります。
森林公園行きのバスに乗っていたら
河合チームは2日目、午前中に熊谷市の陣(西京屋)に至ったものの、時間があわずに空振り。情報収集をして、森林公園行きのバスに乗り滑川町方面に向かうつもりで熊谷駅に来たものの、小川町駅方面への系統を発見して乗車してしまいます。
ところが、このバスは県立循環器・呼吸器病センターが終着で、小川町には入りませんでした。
では、直前の情報収集どおり、森林公園行きのバスに乗っていたらどうなっていたでしょうか。
▽2日目(河合チーム)
熊谷駅09:25→09:47滑川中学校→徒歩1.8km→グランピング・テルマー湯(☆滑川町)
このように、滑川町の陣には10時15分頃に到着できていました。実際には12時近かったので、1時間半も先着できていたことになります。
1時間半早く着けば、その後も前倒しで進めるので、2日目にもう1陣取れていた可能性もあるでしょう。そう考えると、熊谷駅での選択はもったいなかったというほかありません。
ちなみに、一行が狙っていた、熊谷駅から小川町へのバスは11時05分発までありませんでした。実際ルートで乗車したのが09時30分発なので、1時間半も待たなければなりません。これを知っていれば、小川町方面へのルートは狙わなかったでしょう。
行田市の陣を狙ったら
戦略的な話をすれば、熊谷市の陣が空振りに終わった後、河合チームには行田市の陣を狙うという選択肢もありました。
▽2日目(河合チーム)
熊谷駅09:00→タクシー6.4km→忍城(行田市☆)→忍城バスターミナル10:05→10:19ソシオ流通センター駅前10:20→10:58熊谷駅前→徒歩0.9km→西京屋(☆熊谷市)
9時頃に熊谷駅にいましたので、タクシーで行田市に入り陣を確認し、そのまま忍城を確保。バスで折り返せば熊谷駅に11時頃に到着します。西京屋の昼の営業時間が11時からなので、タイミング良く陣を得られます。
この場合、太川チームが羽生市の陣を押さえる前に、河合チームが行田市の陣を奪ってしまうので、太川チームとしては為す術がありません。太川チームは近隣に挽回できる陣がないので、この1陣の差が最後まで影響し、河合チームが俄然有利になっていたでしょう。
1本早い八幡団地行きに乗れていたら
実際ルートに戻ります。河合チームは県立循環器・呼吸器病センターに10時ごろに到着。行き先に困ったものの、近くのひばり薬局循環器呼吸器病センター前バス停の存在を教えてもらい、11時15分発の便に乗りました。
番組では省略されていますが、時刻表を確認すると、河合チームは循環器・呼吸器病センターで1時間も停滞していたことがわかります。じつは、ひばり薬局からのバス便は10時15分にもあり、早く気付いていれば、この便に乗ることもできました。
▽2日目(河合チーム)
ひばり薬局循環器呼吸器病センター前10:15→10:30滑川町役場
このバスに乗れば、実際ルートより1時間前倒しで進むことができますので、熊谷駅での選択ミスをある程度リカバーできたはずでした。しかし、それにも失敗しています。つまり、河合チームは、2日目午前中に、2つのミスを重ねたわけです。
武蔵嵐山駅から小川町に向かっていたら
実際ルートの河合チームは、滑川町の陣(テルマー湯)を抑えた後、タクシーで嵐山町の陣(ラーメン五月)を獲得。武蔵嵐山駅からタクシーに乗車しました。その後の行程は番組では明らかにされていませんが、おそらくは4.5km先の森林公園駅に向かい、そこからバスで熊谷駅に向かったのでしょう。
選択肢としては、武蔵嵐山駅から小川町方面へ転じて、熊谷駅に戻るルートもあります。一行が嵐山町の陣(ラーメン五月)に到着したのは12時48分ですので、13時30分頃に武蔵嵐山駅を出発できれば、以下のようなルートが成り立ちます。
▽2日目
武蔵嵐山駅13:30→タクシー7.6km→小川町駅14:20→15:20熊谷駅北口
小川町の陣の位置やミッションがわかりませんが、小川町駅近くにあると仮定すれば、小川町の陣を獲得したうえで、熊谷駅に15時半ごろに到着できました。タクシー代の残金は3,400円ありましたので、武蔵嵐山から小川町まで、なんとか足りるでしょう。
小川町の陣を獲得したうえで、熊谷市の陣も押さえていれば、河合チームは合計9陣を獲得して、文句なく勝利できていたことになります。
まとめてみると
全体を振り返ると、太川チームがJR高崎線沿線を、河合チームが東武東上線沿線を進み、両者がそれぞれに勢力圏を拡大していくという展開でした。
どちらかのチームが相手の勢力圏に奇襲を掛けてブロックするという局面はなく、それぞれが独自の戦いを進めました。
たとえば、太川チームが先を急いで鴻巣から東松山へ攻め込むとか、河合チームが熊谷から行田に進出するといった場面があれば、「合戦」が起こって盛り上がったのですが、そういう展開にはならず、お互いが堅実に陣取りを続けた印象です。
結果として、最終的には太川チームと河合チームの獲得陣数は同数で、タクシー代の残金で太川チームが勝利しました。
上述したとおり、細かい部分を見て行くと、太川チームに大きなミスが見られなかったのに対し、河合チームには明確なミスがありましたので、ミスが勝敗に反映したといえそうです。
「ミスをした方が負け」という点では、妥当な結果といえるでしょうか。(鎌倉淳)