「ぷらっとこだま」が3月1日から価格を変更します。値上げ区間と値下げ区間があり、東京~静岡間では300円の値上げ、東京~浜松間では130円の値下げです。QRチケットも導入します。
東海道新幹線の格安チケット
「ぷらっとこだま」は、東海道新幹線「こだま」号を利用する格安チケットで、「普通車指定席プラン」と「グリーン車プラン」があります。
JR東海ツアーズは、その2024年3月乗車分以降の価格を発表しました。
3月以降の「普通車指定席」の新価格(通常期)は、東京~静岡間が300円値上げの5,400円になる一方、東京~浜松間は130円値下げの6,970円となります。
東京~名古屋間は8,810円(10円値上げ)、東京~京都間は10,790円(110円値下げ)、東京~新大阪間は11,210円(110円値上げ)です。
「ぷらっとこだま」新旧価格表
「ぷらっとこだま」の新旧価格は下表のとおりです。現価格は2024年2月29日乗車分まで。新価格は2024年3月1日乗車分からです。
区間 | 現価格 (円) |
新価格 (円) |
変更率 |
---|---|---|---|
東京~静岡 | 5,100 | 5,400 | 106% |
東京~浜松 | 7,100 | 6,970 | 98% |
東京~名古屋 | 8,800 | 8,810 | 100% |
東京~京都 | 10,900 | 10,790 | 99% |
東京~新大阪 | 11,100 | 11,210 | 101% |
新横浜~静岡 | 5,000 | 4,780 | 96% |
新横浜~浜松 | 7,000 | 6,610 | 94% |
新横浜~名古屋 | 8,600 | 8,290 | 96% |
新横浜~京都 | 10,700 | 10,290 | 96% |
新横浜~新大阪 | 11,000 | 10,960 | 100% |
名古屋~京都 | 4,700 | 4,410 | 94% |
名古屋~新大阪 | 5,000 | 4,990 | 100% |
なぜこんな値付けになったのか
これまでの「ぷらっとこだま」は、100円単位の値付けで、旅行会社的なわかりやすい価格でした。一方、新価格は10円単位の値付けで、鉄道会社的な細かい価格です。
全面的な値上げになっているわけでもなく、区間によっては値下げとなっています。
どうしてこのような値付けになっているのでしょうか?
一定の割引率を適用か
調べてみると、新価格は、どうやら通常価格に対して一定の割引率を適用しているようです。
割引率は2通りあり、東京~静岡、浜松間といった「中距離」は定価の約17%割引、東京・新横浜~名古屋・京都・新大阪間といった「遠距離」は約22%割引です。
区間 | 通常価格 (円) |
新価格 (円) |
割引率 |
---|---|---|---|
東京~静岡 | 6,470 | 5,400 | 17% |
東京~浜松 | 8,440 | 6,970 | 17% |
東京~名古屋 | 11,090 | 8,810 | 21% |
東京~京都 | 13,850 | 10,790 | 22% |
東京~新大阪 | 14,400 | 11,210 | 22% |
新横浜~静岡 | 5,700 | 4,780 | 16% |
新横浜~浜松 | 8,000 | 6,610 | 17% |
新横浜~名古屋 | 10,430 | 8,290 | 21% |
新横浜~京都 | 13,180 | 10,290 | 22% |
新横浜~新大阪 | 14,070 | 10,960 | 22% |
名古屋~京都 | 5,700 | 4,410 | 23% |
名古屋~新大阪 | 6,470 | 4,990 | 23% |
EX化にあわせて
現在、「ぷらっとこだま」は、JR東海ツアーズのウェブサイトで販売しています。しかし、2024年3月1日より、東海道新幹線のEXサービス(エクスプレス予約、スマートEX)の新サイトで販売します。価格変更はこのタイミングで行われます。
これまでは、おそらく他の交通機関の価格などを横目に、戦略的な価格設定をしていたのでしょう。EXサービス化にあわせて、そうした値付けをやめ、距離に応じた一定の割引率を、通常価格に掛ける形に変更したのではないでしょうか。
ただ、それでも10円単位で見ると、割引率は完全に一定ではありません。乗車券分と指定席分とを分けて計算した上で合計したのかもしれませんが、詳細までは確認していません。
紙の乗車票は廃止か
「ぷらっとこだま」はEXサービス化にあわせて、紙のチケットの受け取りは廃止となり、チケットレス乗車となります。その利用方法の詳細も明らかになりました。
基本的には交通系ICカードを登録し、そのカードを東海道新幹線の駅改札口にかざせば通過できます。複数人の予約の場合も、それぞれのICカードを登録します。
交通系ICカードを利用しない場合は、QRチケットでの乗車となります。QRチケットはスマホで表示できます。
複数人で利用する場合は、本人以外のQRチケットはあらかじめ印刷をするか、メールなどで座席ごとに同行者へ渡して表示させます。QRチケット対応の新幹線改札口のみ通過できます。
紙のチケットに関する操作法は説明がありませんので、紙チケット(乗車票)は完全廃止のようです。(鎌倉淳)