スターフライヤーが、羽田~山口宇部線に就航することがわかりました。2014年10月末からの冬ダイヤで、1日3往復を運航させるようです。羽田発着枠の制限があるため、かわりに羽田~福岡線を減便する模様。要するに、福岡線を減らして山口宇部線に振り替えます。羽田~山口宇部線ではANAとコードシェア(共同運航)し、ANAはこの路線で3往復を減便するようです。
事実上ANAの子会社に
新聞各紙によりますと、スターフライヤーの筆頭株主であるANAホールディングスが、傘下のANAの国内路線再編の一環として、スターフライヤーに羽田便の組み替えを求めたということです。スターフライヤーの現在の社長はANA出身ですから、「グループ内の路線組み替え」ということなのでしょう。つい最近まで独立性を維持していたスターフライヤーですが、急激な業績悪化を受けて、事実上ANAの子会社になってしまっていることを印象づける路線移管です。
ANAは現在、羽田~山口宇部線で1日5往復を運航していますが、スターフライヤーとのコードシェアに伴い、自社での運航を3往復分減らします。それで浮いた羽田発着枠を、より収益性の高い路線に振り向けると思われます。振り向ける路線がどこになるかはわかっていません。
羽田枠が事実上ANAの手に渡る
羽田発着枠に関しては、2013年夏ダイヤからの新規配分でスターフライヤーに5枠が与えられました。これはスカイマークの4枠を上回る数で、スターフライヤーの経営に配慮した異例の大型配分でした。スターフライヤーは、この5枠を全て羽田~福岡線に投入し、2013年夏ダイヤで1日5往復を10往復に増便したばかりです。しかし、今回の路線移管で、この羽田枠のうち3枠が間接的にANAに渡ってしまったともいえます。
ただ、スターフライヤーの福岡線減便は、6月就航のスカイマークA330型機の影響もあるとみられます。スカイマークのA330型機は、全席プレミアムエコノミーともいえるゆったりしたシートが特徴です。スターフライヤーもプレミアムシートが売り物でしたが、スカイマークA330型機のシートには快適性で劣るとみられます。そのため、スターフライヤーのシートを好んでいた顧客が、スカイマークへ流出することは避けられないとみられていました。それを見越したスターフライヤーが福岡線の戦線を縮小し、山口宇部線に「転進」したともいえるでしょう。
スターフライヤーの福岡便の残りは7往復になるようですが、今後の搭乗率次第では、さらに減便される可能性は小さくありません。となると、近い将来、羽田~山口宇部線は全てスターフライヤーになるかもしれません。