2022年8月豪雨で被害を受けた、東北地方のローカル線の復旧見通しが徐々に明らかになってきました。これまでの情報をまとめてみましょう。
磐越西線は2023年春にも復旧
JR東日本は、2022年8月豪雨で被害を受けた磐越西線について、2023年春以降に全線復旧させる見通しを明らかにしました。同線は喜多方市内の濁川橋梁の一部が崩落し、喜多方~山都間で不通が続いています。
崩落した濁川橋梁は1910年に架設されたものです。JR東日本は、崩れた橋脚1基を撤去して作り直したうえで、落下・損傷した2つの橋桁を補修して再利用します。復旧工事の総工費はおよそ15億円で、2023年春ごろに完了する見通しです。正確な運転再開の時期は、決まり次第発表します。
五能線は一部復旧へ
岩館~鰺ケ沢間が不通になっている五能線については、岩館~深浦間について線路移設などの復旧工事をおこない、2022年内の運転再開を目指すことを明らかにしました。
しかし、深浦~鰺ケ沢間については、中村川橋梁の崩落などもあり、運転再開の見通しは示されていません。
奥羽線は10月8日運転再開
奥羽線は、鷹ノ巣~大館間で不通が続いています。大雨の影響で路盤の流出などが確認されていますが、10月8日ごろからの運転再開を予定しています。
津軽線は見通し立たず
津軽線は第一今別橋梁や枝沢橋梁が被災するなどして、蟹田~三厩間で不通となっています。復旧作業に向けた現場の環境が悪いことなどから、復旧まで少なくとも数か月を要することが明らかにされました。
降雪期前に盛土の復旧を終えるのは困難で、降雪により盛土が影響を受けることを考慮すると、現時点で復旧の見通しは立たないとしています。
米坂線と花輪線は?
復旧のメドが全く示されていない路線も残されています。深刻な被害を受けたとみられる米坂線と花輪線です。
米坂線は坂町~今泉間で不通が続いていて、橋梁崩落や盛土の流出、土砂流入といった被害が合計で112カ所に達しています。被害規模が大きすぎて、復旧見通しを示す段階にないようです。
花輪線は鹿角花輪~大館間が不通になっています。被害は50か所に達していますが、こちらも被害規模が大きすぎるようで、詳細は明らかにされていません。復旧の見通しも立っていません。