JR東日本「どこかにビューーン!」の研究。マイナポイントで旅に出よう?

JRE POINTでどこかへ

JR東日本が「どこかにビューーン!」という新サービスを開始します。JRE POINTを活用した取り組みを研究してみましょう。

広告

4つの行き先候補

「どこかにビューーン!」は、4つの行き先候補駅からランダムに選ばれた一つの駅へ、「JRE POINT」6,000ポイントで往復できる新サービスです。

出発駅は東京駅・上野駅・大宮駅。行き先駅は東京駅からおおむね 150km以上のJR東日本の新幹線停車駅です。東北新幹線の場合、最も近い行き先は那須塩原駅、最も遠い行き先は新青森駅です。往復には、新幹線の普通車指定席が利用できます。

どこかにビューン!行き先
画像:JR東日本

申し込みは出発日の21日前から6日前まで。行き先の確定は申し込みから3日以内。現地滞在時間は、日帰りの場合で最短5時間以上、最長7日間です。最大6名までのグループ旅行も可能で、複数人がそれぞれのポイントを使って並び席で旅行することもできます。

「どこかにビューーン!」のサービス開始時期は2022年12月の予定です。

どこかにビューーン!
画像:JR東日本
広告

ポイント消費キャンペーン

基本的なことをおさらいしておくと、「JRE POINT」は、JR東日本グループの共通ポイント制度です。SuicaでJR東日本線を利用したり、JRE CARDで買い物をすることでポイントが貯まります。

JRE POINTには特典チケットの制度があり、たとえば東京から秋田駅往復の特典チケットには24,220ポイントが必要です。那須塩原駅の場合は往復で9,240ポイントです。「どこかにビューーン!」では、いずれも6,000ポイントで旅行できることになります。

企画としては、JALの「どこかにマイル」を思わせる内容です。「JRE POINT」の登録会員は1,250万人に達していますので、会員に向けたポイント消費キャンペーンとも受け取れます。

6,000ポイントをどう貯める?

ただ、JR東日本を日常的に利用するだけでは、「6,000ポイント」はなかなか貯まりません。

JR東日本が例示したところによりますと、通勤で東京~大宮間の6ヶ月定期券をモバイルSuica定期券で購入すると1,612ポイント。それをJRE CARDで決済すれば2,400ポイント。これに加えて、優待店で1万円の食事をJRE CARDで決済すると350ポイント。毎月1万円の食事をして、6ヶ月続ければ2,100ポイント。合計で6,112ポイント貯まるそうです。

JREポイント溜める
画像:JR東日本プレスリリース

あるいは、東京~仙台の新幹線を3人で往復利用した場合、新幹線eチケットでチケットレス乗車すれば、448ポイントが3人分で1,344ポイント。えきねっとでビューカード決済すれば、1,760ポイントが3人分で5,280ポイント。合計で6,624ポイント貯まるそうです。

JREポイントを貯める
画像:JR東日本プレスリリース

これらの設定を見る限り、JRE CARDをメインのクレジットカードとして利用し、JR東日本で長距離通勤するか、東北・上越新幹線などで頻繁に旅行に行く人でないと、6,000ポイントは溜めにくいのではないか、という気もします。

広告

マイナポイントで貯める

では、「どこかにビューーン!」は、限られたJRヘビーユーザー向けのキャンペーンなのか、というと、必ずしもそうではありません。JR東日本は、これとは別に、お手軽に6,000ポイントが貯まる方法を例示しているからです。

それはマイナポイントを活用する方法。政府が実施しているマイナポイントのキャンペーンでは、マイナンバーカードの新規取得で最大5,000円分のマイナポイントが付与されます。

マイナンバーカードの取得後、マイナポイントを申し込み、20,000円のチャージまたは買い物をすると、利用金額の25%のマイナポイント(5,000円分)を受け取れるという仕組みです。

JR東日本では、マイナポイントをSuicaで貯めるキャンペーンを実施しており、JRE POINTに登録したSuicaでマイナポイントに申し込み20,000円をチャージすると、1,000ポイントを追加付与する特典を設けています。政府から付与される5,000ポイントと合わせると6,000ポイントとなり、「どこかにビューーン!」の6,000ポイントにぴったり到達します。

マイナポイントで貯める
画像:JR東日本プレスリリース
広告

わりとあけすけな

JR東日本がこうした例示をしているところを見ると、「どこかにビューーン!」は、マイナポイントを自社に取り込んで、新幹線の空席を利用して消費してもらおうという、わりとあけすけなキャンペーンにも感じてしまいます。

ちなみにSuicaでは、チャージしたマイナポイントは翌月中旬にまとめて付与されます。7月に20,000円をSuicaにチャージした場合、8月中旬にキャンペーンの5,000ポイントが付与されます。1,000ポイントの追加付与は、5,000ポイントに達した月の月末ですので、8月末までに付与されるという仕組みです。

「どこかにビューーン!」の開始時期は2022年12月の予定ですので、まだJRE POINTにSuicaを登録していない方でも、いまから手続きすれば十分に間に合います。

6月30日からは、「マイナポイント第2弾」が始まり、「健康保険証としての利用申込」または「公金受取口座の登録」に対して7,500ポイントが付与されます。JR東日本が、12月開始のキャンペーンを7月早々に発表したのは、第2弾のポイントを他社に奪われないようにするためでもあるのでしょう。

実際、JR東日本では、第2弾をSuicaで申し込んだ場合、抽選で10,000ポイントが当たるキャンペーンもスタートさせています。

広告

たしかにお得

マイナンバーカードの新規取得で政府から付与されるマイナポイントは5,000円相当です。それをSuicaにチャージして、「どこかでビューン!」すれば、最大35,340円相当(東京~新青森往復)になる、という話です。

マイナンバーカードやマイナポイントに対する意見はさまざまあるでしょうが、そうした議論を無視すれば、元手ゼロで東北などへ往復旅行ができるわけで、たしかにお得です。

ということで、マイナポイント事業に対して抵抗がない方は、ポイントの活用方法として、「どこかにビューン!」で旅をするのもよさそうです。(鎌倉淳)

広告