横浜市営地下鉄ブルーラインで急行運転が始まることになりました。実施は2015年の7月の予定。横浜市議会での質問に市の二見良之交通局長が答弁したものです。公の場での発言だけに、実施は確実になったといえるでしょう。
ブルーラインの急行運転の構想は数年前からあり、2012年の横浜市交通局の中期経営計画の中で発表されています。それによると、2012年から2014年までの3年間で実施に向けた検討が進められるとしてきました。2013年度にはダイヤ作成装置の更新が行われ、急行運転に向けての準備が整ってきたとのことです。二見局長によると、2015年7月のダイヤ改正で、平日と土曜休日の午前10時から午後4時までの時間帯に、毎時2本程度の急行運転が行われます。
確実に停車するのは乗換駅
では、気になる急行列車の停車駅はどこになるのでしょうか。二見局長は「他の鉄道事業者との乗り換えなどを踏まえて検討する」としています。また、「全線で10分間短縮できる」とも述べており、これがヒントになるでしょう。10分の時間短縮が何駅の通過を意味するのかはなんともいえません。一般的には10分なら10~12駅程度の通過と思われます。
確実に停車するのは、局長答弁にもあるとおり乗換駅です。湘南台、戸塚、上大岡、関内、桜木町、横浜、新横浜、センター北、センター南、あざみ野です。
待避駅は上永谷、新羽の2駅。上永谷は2面4線ですが、新羽は2面3線です。上永谷は緩急接続のため停車は確実ですが、新羽には障害があります。2面3線で待避を行うとなると中線が上下線共用になるため、急行が停車するとダイヤの制約が大きくなるのです。ただ、急行の運転本数は1時間2本程度の想定ですので、この本数なら停車しても問題はなさそうです。
ブルーラインの駅は32駅。急行通過を12駅と想定すると、停車駅は20駅です。10の乗換駅と2の待避駅で計12。残りの8つの停車駅は利用者数の多い駅が有力になるでしょう。
乗降客数データから考える
2011年度のデータでは、ブルーライン各駅の乗降客数は以下のようになっています。
湘 南 台 44,726
下 飯 田 5,508
立 場 21,133
中 田 16,540
踊 場 17,439
戸 塚 83,509
舞 岡 4,807
下 永 谷 10,820
上 永 谷 37,682
港 南 中 央 17,037
上 大 岡 68,803
弘 明 寺 18,360
蒔 田 21,362
吉 野 町 13,146
阪 東 橋 16,700
伊勢佐木長者町 16,187
関 内 43,972
桜 木 町 30,552
高 島 町 6,679
横 浜 127,528
三ッ沢下町 11,220
三ッ沢上町 14,195
片 倉 町 19,843
岸 根 公 園 10,904
新 横 浜 64,530
北 新 横 浜 11,795
新 羽 18,063
仲 町 台 29,471
センター南 44,564
センター北 36,793
中 川 18,570
あ ざ み 野 76,487
利用者が2万人以上の駅ということで考えると、立場、蒔田、仲町台は有力です。さらに利用者を1万5000人以上とすると、中田、踊場、港南中央、弘明寺、阪東橋、伊勢佐木長者町、片倉町、中川が入ります。これらも停車駅候補となるでしょう。
利用者数からみた停車駅候補
まとめると、以下が、利用者数からみた急行停車駅候補になります。
湘南台、立場、中田、踊場、戸塚、上永谷、上大岡、弘明寺、蒔田、阪東橋、伊勢佐木長者町、関内、桜木町、横浜、片倉町、新横浜、新羽、仲町台、センター南、センター北、中川、あざみ野
ダイヤを作る際には、利用者数だけでなく、車両運用や運転間隔、停車駅間隔なども考慮されますので、上記の通りにならないのは言うまでもありません。上記ですと通過は10駅だけであまり急行の魅力がありませんし、湘南台~戸塚間で一駅しか通過しないなら、急行の意味はありません。したがって、利用者数だけの停車駅案は一つの目安にすぎません。
最終予想停車駅はココ!
実際には、上永谷~新羽間で待避駅がないため、この区間の停車駅は多めになるでしょう。逆に、上永谷以西と新羽以北は停車駅を少なめに設定できるはずです。となると、急行停車駅は以下のように落ち着くと考えます。
湘南台、立場、戸塚、上永谷、上大岡~桜木町の各駅、横浜、片倉町、新横浜、新羽、センター南、センター北、あざみ野
乗降客数が約3万人の仲町台が落ちてしまいますが、そこを通過させないと、新羽~あざみ野間での通過駅は中川だけになり、急行運転の意味がありません。