中央本線の各駅から東京方面への割引きっぷとして知られている「あずさ東京フリーきっぷ」が2014年3月29日を以て発売終了となります。JR東日本が発表しました。代替のきっぷとして「中央線東京週末フリー乗車券」が発売されます。
割引率の高いきっぷだった
「あずさ東京週末フリーきっぷ」は、中央本線各駅から東京方面への往復と東京フリーエリアの乗り放題がセットになった割引きっぷで、往復には特急「あずさ」「かいじ」の普通車指定席が利用できます。高い割引率で知られ、文字通り「お得なきっぷ」でした。
4月から利用できる「中央線東京週末フリー乗車券」は、「あずさ東京週末フリーきっぷ」と似たきっぷですが、往復に特急券が含まれません。特急券は別途購入する必要があります。
大きく値上げ
では、「中央線東京週末フリー乗車券」(以下、「中央線乗車券」)は、「あずさ東京週末フリーきっぷ」(以下、「あずさきっぷ」)と比べて価格はどう変わったのでしょうか。往復に特急普通車指定席(通常期)を利用するという条件で比較してみましょう。
松本発では、「あずさきっぷ」が9,000円。「中央線乗車券」が5,200円+2,900円×2=11,000円です。甲府発では、「あずさきっぷ」が5,700円、「中央線乗車券」が3,300円+1,860円×2=7,020円です。松本発の場合で22%の値上げ、甲府発で23%の値上げになります。消費税増税分の3%では説明できない大幅な値上げです。
ちょっと値上げ幅が大きすぎるので、何か計算間違いをしているのではないか、と確認しなおすほどの金額です。この価格では高速バスに太刀打ちできないのではないか、と考え込んでしまいました。
「乗車券・特急券一体型」は次々廃止
JR東日本では、ここ数年、特急券と乗車券がセットになった「乗車券・特急券一体型」のきっぷを次々と廃止してきました。2010年3月に「土日きっぷ」「三連休パス」が廃止されたあたりが皮切りだったと思いますが、その後も「乗車券・特急券一体型」のフリーきっぷや往復きっぷが次々と廃止。2013年3月には「北陸フリーきっぷ」が、2013年9月には「ひたち東京フリーきっぷ」と「ひたち東京週末フリーきっぷ」が姿を消しました。「あずさ東京週末フリーきっぷ」は最後まで残っていた「乗車券・特急券一体型」の大型きっぷでしたが、それも2014年3月で廃止になるというわけです。あとは、「NEX往復きっぷ」など、ごく一部が残るだけです。
JR東日本としては、割引率の高いチケットは「えきねっとトクだ値」に移行していくという方針があるようです。となると、今後は、「特急券セット型」の格安きっぷは出てこないかもしれません。面倒かもしれませんが、今後、JR東日本の特急に乗るときは、まずは「えきねっとトクだ値」を確認したほうがいいでしょう。