白樺高原国際スキー場は「中級スキーヤー天国」。短距離ゴンドラで快適【ゲレンデ・レビュー】

ファミリーにもやさしく

白樺高原国際スキー場は、蓼科エリアにある中規模スキー場です。スキーヤーオンリーで、スノボ滑走禁止を守り続けています。

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中規模ながらゴンドラあり

白樺高原国際スキー場は、中央道諏訪インターから29km、45分。鉄道・バスのアクセスはやや不便なので、「びゅう」のJR日帰りツアーは設定されていません。筆者もクルマで行きました。駐車場は広く、ゲレンデまでの坂道も短く、歩いても苦になるほどではありません。(休日は大駐車場にシャトルバスあり)

白樺高原国際スキー場は、面積30ヘクタール、標高差300mという中規模スキー場です。この規模にしては珍しくゴンドラがあります。ゴンドラの長さは1,260mで、日本で最も短いスキー場ゴンドラの一つです。

リフト券を購入して、さっそくゴンドラに乗ってみます。新型コロナの影響もあり、1グループごとの乗車になっていて、ヒトリストの筆者は一人で乗車。それほど混雑していなかったとはいえ申し訳ない気分です。

6分ほどで山頂着。晴れていたので、眼下に白樺湖や女神湖を望む素晴らしい眺望です。蓼科エリアは晴天率が高く、ピークシーズンでも7割程度は晴れるとのこと。天候の心配をあまりしなくてもいいのは気が楽です。

白樺高原国際スキー場

スキー専用

さて、白樺高原スキー場は、スキー専用ゲレンデです。いまどきスノボを禁止している理由は定かではありませんが、スキー場ひしめく蓼科エリアにおいて、ゲレンデの性格を明確にするためでしょうか。スキーヤーとしては快適に滑れます。

ゴンドラから滑り降りるコースは主に3本。中級のメインコースと、中上級のサラブレッドコース、ホワイトホースコースです。中級1本に中上級2本と聞くと、手強そうなゲレンデかとひるんでしまいますが、実際には全て中級レベルの技量があれば滑れます。最大斜度とコース幅を勘案して、中級と上級を分けているようです。

白樺高原国際スキー場ゲレンデマップ
画像:白樺高原国際スキー場ウェブサイトより

いずれもねじれの少ないフラットなバーンで、きちんと圧雪されています。中級レベルのスキーヤーには快適に滑れますし、練習にも最適です。上級レベルだと少し物足りないかもしれません。

白樺高原国際スキー場

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初級コースはやや狭く

ゴンドラのほかには2本のリフトがあり、山麓にクワッドリフト、中腹にペアリフトが配置されています。クワッドリフトは初級コースを回すのに使い、ペアリフトは上級コースを回すのに使います。

クワッドリフトで回す初級コース(ラビットコース)は、滑りはじめの斜度がややきつく、ゲレンデ幅も狭い部分があり、初心者にはあまり滑りやすそうなコースではありません。

下の写真では、左側の細いコースが初級者コースで、ベース近くでは広がるのですが、そこまでがやや狭いです。

白樺高原国際スキー場

ペアリフトは、ゴンドラが混んでいるときに、中上級コースを滑るのに便利です。

全体的にいえば中級者が最も楽しめるスキー場と感じられます。滑走距離はメインコースで1,300mとやや短め。ゴンドラ1本で全てのコースを滑れるので、空いていれば適度な間隔で「ゴンドラ休憩」を挟みながら回せそうです。

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ファミリーにも優しく

子ども向けのレッスンには「ポタレンジャー」という特徴的なスキースクールがあります。滑りにくい人工芝やスノーエスカレーターを使ったレッスンで、スキーデビューの子には良さそうです。

初心者コースの幅がやや狭いのは前述した通りですが、スキー専用なので座り込んでいるボーダーがおらず、初級者のスキーレッスン環境としては悪くありません。その点で、初級者やファミリーにも優しいスキー場といえるでしょう。

ただし、小さい子も楽しめるようなキッズパークはありません。

白樺高原国際スキー場

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センターハウス機能が分散

白樺高原スキー場は立科町の町営スキー場で、2020-2021年シーズンから指定管理者の樫山スノーテック株式会社の運営となり、リフトの運行などを同社の子会社であるしらかば高原株式会社に委託しています。

町営スキー場として運営されてきたためか、センターハウスとなるゴンドラ駅は白樺高原総合観光センターという観光案内所に併設されています。発券所と更衣室、休憩所などはあるのですが、レンタルコーナーや商業施設はありません。

レンタルやグッズ販売は、隣接する池の平白樺高原ホテルにあります。ただ、ここはホテルが主で、レストハウス的な機能はありません。レンタルもショップもレストランも揃っていますが、いずれもホテル併設の施設で手狭です。

少し斜面を上がると、レストランストリームがあり、レンタルやショップも充実しています。レストハウスとしての機能はここが中心となりますが、大駐車場からアクセスしづらいという難点があります。

要は、センターハウス的な機能が分散していて使いづらいのです。指定管理者制度になって、観光センターに軽食コーナーができるなど変化はみられるものの、白樺高原国際スキー場の課題に感じられます。

白樺高原国際スキー場

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しらかば2in1と共通

リフト券は、1日券が4,800円。指定管理に移行する前は4,000円だったので、2割ほど値上げされました。値上げは残念という声も多いようですが、ゴンドラのある中規模ゲレンデとしては相応の価格で、町営時代の4,000円がおトクすぎた気がします。

4時間券や平日1日券は4,320円に抑えられ、14時以降は3,000円というリフト券も設定されています。リフト券はいずれもしらかば2in1との共通券です。どちらのスキー場も半日で楽しめる規模なので、二つのスキー場をはしごするなら、1日券はむしろ安いかもしれません。

筆者は4時間券で滑りましたが、この規模のスキー場であれば、時間的には十分です。ゴンドラ待ちの時間もほとんどありませんでしたので、実に快適に楽しめました。(鎌倉淳)

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