蛭子さんはレビー小体型認知症。テレビ出演は「続けていきたい」

早朝と夜に調子が上がらず

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」でおなじみの蛭子能収さんが、「レビー小体病」による軽度の認知症と診断されました。

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所属事務所も懸念

「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」(テレビ東京系列)で、太川陽介さんとコンビを組んで出演してきた蛭子さん。しかし、近年は番組上で物忘れの激しさが伝わるようになっていて、認知症を心配する声が視聴者から上がっていました。

蛭子さんの所属事務所も懸念していて、テレビ東京に相談。テレビ東京が岐阜県の「もの忘れ外来」を蛭子さんに紹介し、その受診の様子が「主治医が見つかる診療所2時間スペシャル」で7月9日に放送されました。

主治医が見つかる診療所
画像:テレビ東京

【番組名】「主治医が見つかる診療所2時間スペシャル~蛭子能収の認知症検査に完全密着!~」
【放送日時】2020年7月9日 19時58分~9時48分放送
【出演】草野仁 東野幸治 森本智子(テレビ東京アナウンサー)
【ゲスト】カンニング竹山 鰻和弘(銀シャリ) 橋本直(銀シャリ) 須田亜香里(SKE48)

ホテルの部屋で「いま家で寝ている」

番組では、所属事務所のマネージャーが、蛭子さんの最近の物忘れの激しさを説明。たとえば、宿泊中のホテルで、隣室に泊まっているマネージャーが蛭子さんに電話をしたところ、「いま家で寝ている」などと発言。心配したマネージャーが部屋を訪れたら「なんでいるの?」と驚いたりしたそうです。

蛭子さん本人も「物忘れが多くなってきている」と自覚しており、検査を受けることに。すでに別の病院に通院していて、番組で紹介されたクリニックは「セカンドオピニオン」という形でした。

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最終回のマドンナも忘れていて

クリニックでの問診では、「路線バスの旅」の最終回の3人のマドンナの名前を尋ねられたものの、一人も答えられず。付き添った妻に正解を教えてもらうと「加藤(紀子)さんおった?」「あ~熊切さんか」などと驚いた様子。

問診中、医師の簡単な手の動きをまねすることができず、3次元の形を認識できない視空間認知の衰えが指摘されました。妻からは「洗濯カゴの中の衣類を見て私が倒れていると思って叫んだりする」という証言があり、幻視の症状も確認されました。さらに、簡単な計算ができないこともわかりました。

軽度の認知症

問診や証言、認知症テスト、MRI画像分析などから、「レビー小体病」の可能性が非常に高いと診断されました。「レビー小体」というたんぱく質が脳にたまり神経細胞が破壊される病気で、認知症の原因として「アルツハイマー病」に次いで多いものです。

実際には「レビー小体病」と「アルツハイマー病」は合併しているケースが多いそうで、蛭子さんもそれにあてはまり、軽度の認知症という診断でした。「レビー小体型認知症」もしくは「混合型認知症」ということのようです。

診断した医師によると、レビー小体病は早朝と夜に調子が悪くなりやすいため、「朝早いロケや泊まり込みのロケは避けて、昼間の活動性を上げるような仕事」が勧められるとのことでした。

「できる範囲で仕事を継続」

診断を受け、今後の仕事について蛭子さんは「できる範囲で続けていきたい」と継続を希望。「できればテレビの仕事がいい、ラクそうだから」などと、いつもの蛭子節を聞かせてくれました。

早朝や夜に調子が悪くなりやすいとなると、「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」の出演終了は、必然だったといえます。私たちを楽しませてくれた「バス旅」の復活は難しそうですが、これからもテレビでその姿を見られることを楽しみにしたいところです。(鎌倉淳)

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