苦境が続いている地方私鉄で、またしても存廃問題が浮上してきています。今度は静岡県富士市の岳南鉄道です。
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そもそも、発端はJR貨物が吉原駅での貨物の「連絡運輸」を2012年3月で休止することを通告してきたことに始まります。
岳南鉄道は貨物主体の鉄道会社で、JRとの接続駅である吉原で連絡運輸ができなくなれば、貨物輸送は休止せざるを得ません。貨物収入がなくなれば、同線を維持するのが難しくなり、「事業継続困難」とし、富士市などに協議を呼びかけているのです。
富士市公共交通協議会で報告されたところによると、2010年度は6200万円だった赤字が、貨物輸送が皆無となる12年度は8900万円の赤字に拡大する見込みだそうです。そして、この数字は改善の見込みがありません。
現段階では、旅客輸送の廃止方針は示されていません。そのため、行政の支援などがあれば存続していくことはありえます。ただ、現在の輸送状況をみるにつけ、存続はかなり厳しい、というのが地元関係者の見方のようです。
2012年3月の段階では廃止されることはないようですが、今後1年間の協議を経て、早ければ2013年春に廃止される、という観測が地元では広がっています。実際にどうなるかはわかりませんが、予断は許しません。
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