テレビ東京系列の「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」第13回が放送されました。田中要次と羽田圭介のコンビが、路線バスだけを乗り継いで旅をする番組です。今回のマドンナは東ちづるです。
お題は、埼玉県の大宮駅をスタートし、3泊4日で富山県の黒部駅に到達するというものです。例によって正解ルートを検証してみます。なお、以下はネタバレ100パーセントです。また、結果論100パーセントです。行ってない筆者が机上で語っているだけです。ご理解ください。
※以下、掲載時刻は確認しましたが、間違いや勘違いがあると思います。ご容赦ください。また、間違いを見つけましたらご指摘ください。記事は掲載後に加筆・修正することがあります。文中は敬称略です。
実際ルート
最初に、番組で3人が実際に旅したルート(実際ルート)をたどってみましょう。時刻表上の定刻を確認してみました。
▽1日目
大宮駅東口10:28→11:03上尾駅東口/上尾駅西口12:10→12:47中原町13:14?→13:30?神明町車庫13:42→14:16鴻巣駅東口/鴻巣駅西口14:42→15:13東松山駅東口15:20→16:01熊谷駅北口16:30→17:19深谷駅北口17:30→18:02渋沢栄一記念館→徒歩約7.6km→本庄駅北口20:31→21:06伊勢崎駅
▽2日目
伊勢崎駅08:05→08:30県立女子大前08:45→09:25高崎駅/高崎駅西口11:05→11:50安中市役所11:50→12:22松井田支所→徒歩6km→横川駅14:05→14:39軽井沢駅16:25→16:40中軽井沢駅17:24→17:46追分入口→徒歩3.9km→御代田駅→徒歩6.5km→岩村田→徒歩0.7km→20:48頃佐久平駅
▽3日目
佐久平07:58→09:01上田駅前11:12→12:24鹿教湯温泉15:22→16:09松本バスターミナル17:05→18:30平湯温泉
▽4日目
平湯温泉09:40→12:42富山駅前14:05→14:58滑川駅前15:35→16:01水族館前16:13→16:44魚津駅前16:43→17:10経田公民館17:28→17:33持光寺北→徒歩1.6km→田家新→徒歩0.3km→荒町→徒歩2.2km→市民病院19:28→19:32黒部駅前
このように、4日目夜に、無事ゴール。最後は徒歩圏にゴールをとらえていたものの、「ゴールはバスでなければならない」というルールにより、走っているバスを探すという珍しい展開になりました。「ゴールはバスで」というルールは、これまでにも不文律として存在していたのかもしれませんが、今回、改めて明確にされました。
最終的にゴールできましたので、今回は一行がたどったルートを「正解」と表現していいと思いますが、他にも方法がなかったのか、気になるところです。検証してみましょう。
※グーグルマップの経路は概略です。実際のルートと異なる場合があります。(以下同)
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅Z」第13弾 埼玉県・大宮駅~富山県・黒部駅
【出演】田中要次、羽田圭介
【マドンナ】東ちづる
【放送日】2020年3月28日(テレビ東京系列)
大宮から川越に向かっていたら
冒頭で気になったのが、大宮からのルート取りです。一行は上尾から川越(中原町)を経由して鴻巣に向かいましたが、大宮から川越に直接向かっていたほうがよかったのではないか、と思った方もいるでしょう。その場合、以下のような乗り継ぎになります。
▽1日目
大宮駅西口10:34→11:07川越グリーンパーク11:32→12:01本川越駅13:33→14:16鴻巣駅東口
このように、川越~鴻巣で実際ルートに収斂します。川越から東松山へ直通するバス路線もありますが、時間があいません。
太田に向かっていたら
次のポイントは、熊谷駅での選択です。一行は当初太田行きのバスに乗って群馬県に入るつもりでしたが、太田以遠のバス情報が得られず、深谷に向かいました。仮に太田に向かっていたらどうなっていたでしょうか。
▽1日目
熊谷駅北口16:05→17:00太田駅南口/太田駅北口17:45→18:23新田暁高校19:05→19:29伊勢崎駅
このように、太田駅から伊勢崎へバスで乗り継げます。太田駅での情報収集時間は十分あり、乗り継ぎもシンプルで難解ではありません。実際ルートでは、渋沢栄一記念館から本庄駅まで7.6kmも歩いていますので、結果論ですが、熊谷から伊勢崎へのアプローチは、太田経由が「正解」だったといえます。
ただ、一行は熊谷駅で太田行きのバス運転手に確認して伊勢崎方面への情報が得られず、案内所で情報収集した結果として深谷に向かったため、やむを得ない展開だったでしょう。
寄居に向かっていたら
1日目のもう一つのポイントとして、深谷での判断があげられます。熊谷を出た一行は、深谷から寄居を経て本庄に向かう経路を考えていました。しかし、深谷から寄居へのバスの時刻が遅いため、徒歩を覚悟して、直接本庄へ向かうルート取りを決断しました。
仮に寄居へ向かっていたら、どうなっていたでしょうか。
▽1日目
東松山駅東口15:20→16:01熊谷駅北口16:30→17:19深谷駅17:55→18:47寄居車庫
▽2日目
寄居車庫06:55→07:38本庄駅南口07:45→08:27伊勢崎駅09:50→10:20県立女子大前10:40→11:15高崎駅/高崎駅前13:00→13:45安中市役所前13:45→14:17松井田支所→徒歩6km→横川駅17:20→17:54軽井沢駅18:15→18:30中軽井沢駅18:53→19:15追分入口→徒歩約11km→佐久平駅
このように、実際ルートより1時間以上遅くなりますが、バスで追分入口に到達することができます。その後、深夜にかけて佐久平まで歩き切れれば、実際ルートに追いつけます。
高崎の選択
2日目のポイントは高崎での選択でした。番組では、越後湯沢方面、草津方面、横川・軽井沢方面の3方向が選択肢として提示され、一行は最も徒歩が容易そうな横川方面を目指します。では、越後湯沢、草津方面を選んでいたらどうなっていたでしょうか。
最初に越後湯沢方面ですが、上越国境に路線バスはなく、徒歩で抜けるのは困難です。そのため、当記事でも検証は省略します。残る可能性として草津ルートのみ検討してみましょう。
▽2日目
伊勢崎駅08:05→08:30県立女子大前08:45→09:25高崎駅/高崎駅西口10:10→11:25渋川駅前11:42→11:57見晴下/伊香保温泉13:39→15:10草津温泉15:50→17:13軽井沢駅17:20→17:35中軽井沢駅18:53→19:15追分入口→徒歩約11km→佐久平駅
このように、徒歩なしで軽井沢駅に到着できます。その後、寄居経由と同様、実際ルートより1時間以上遅くなるものの、追分入口まで2日目にバスで到達できます。深夜にかけて佐久平まで歩き切れれば、実際ルートに追いつけるのも同じです。
伊香保温泉~草津温泉間は、「上州ゆめぐり号」という新宿発のバスですが、この区間は高速道路を通らず、運賃も設定されているため、路線バスとして利用が可能とみられます。
なお、草津温泉から白根火山、志賀高原を経て湯田中に至るバス路線については、白根山噴火の影響で白根火山付近の道路が通行止めになっており、現在は利用できません。
結局のところ、草津ルートは徒歩なしで軽井沢に到達できるというメリットはあるものの、大回りのため時間がかかります。となると、一行が高崎で横川・軽井沢ルートを選択したのは、間違っていなかったという結論になります。
軽井沢で先を急ぐと
実際ルートに戻ります。横川からのバスで軽井沢駅に着いた一行は、バス待ちの時間を活かして地元のFM局に出演します。仮にこの時間も惜しんで歩いていたら、どうなっていたでしょうか。
▽2日目
横川駅14:05→14:39軽井沢駅→徒歩3.6km→軽井沢病院15:24→15:55追分入口→徒歩3.9km→御代田駅→徒歩6.5km→岩村田19:33→20:41上田駅前
▽3日目
上田駅前07:34→08:43鹿教湯温泉11:04→11:51松本バスターミナル13:05→14:30平湯温泉15:10→16:47濃飛バス神岡営業所18:00→18:43猪谷駅/猪谷20:25→21:18富山駅前
▽4日目
富山駅前08:40→09:33滑川駅前10:35→11:01水族館前11:13→11:44魚津駅前11:58→12:07木下新→徒歩1km→田家新13:20→13:33黒部駅前
このように、軽井沢駅~軽井沢病院間3.6kmを約40分で歩ききれば、2日目に上田駅、3日目に富山駅まで到達することが時刻表上は可能です。黒部駅前のゴールは4日目の午後早い時間で、おそらくは最速解か、それに近い乗り継ぎでしょう。
ただ、実際の一行は軽井沢駅の案内所で15時頃まで情報収集していましたので、実質的に3.6kmを20分あまりで歩かなければならない計算になります。実現不可能だったでしょう。
御代田に泊まっていたら
実際ルートに戻りましょう。一行は松井田~横川間の上り坂を6km歩き、さらに追分入口から3.9kmも歩き、18時半頃に御代田駅に到着します。御代田駅~岩村田のバスは早朝に1日1本あるのみ。時間的にも、疲労を考えても、御代田駅周辺に泊まるという選択肢もあったはずです。
仮に、2日目に御代田に泊まり、翌朝のバスで岩村田に向かっていたらどうなっていたでしょうか。
▽3日目
御代田駅前07:35→08:01岩村田09:43→10:51上田駅前11:12→12:24鹿教湯温泉15:22→16:09松本バスターミナル17:05→18:30平湯温泉
このように、上田駅~鹿教湯温泉のバスで、実際ルートに追いつきます。つまり、佐久平に泊まっても御代田に泊まっても結果は同じであり、御代田駅~佐久平駅に至る約7kmの徒歩は、回避可能でした。
白馬ルート
実際ルートに戻ります。一行は3日目、佐久平から始発のバスで上田駅に到着します。ここで、松本市から富山市を通る「松本ルート」と、長野市から白馬を経て糸魚川市を通る「白馬ルート」の、どちらを採るかで迷います。
松本ルートは大回りになるものの、一行は以前に松本~富山へ抜けるコースを経験済みで、富山まで到達できることに確信を持っていたはずです。白馬ルートは距離こそ短いものの、長野市までの乗り継ぎが複雑なうえ、白馬以北の乗り継ぎが不明瞭です。結局、一行は長野市方面へ向かうバスを見送り、松本ルートを選択しました。
では、上田駅の案内所で提示された、戸倉から松代を経て長野、白馬に至るルートを採った場合、どのような乗り継ぎになったでしょうか。
▽3日目
上田駅前10:20→10:52西上田駅南口→徒歩2.1km→ベイシア様前11:26→11:54力石公民館13:03→13:07旧千曲市役所上山田庁舎前13:07→13:23戸倉駅13:59→14:43屋代駅14:55→15:23松代駅15:30→15:59長野駅/長野駅東口16:10→17:45栂池高原
▽4日目
栂池高原06:50→07:19南小谷駅10:09→10:38平岩駅前→徒歩11.8km→根知駅前15:21→15:49糸魚川駅日本海口17:16→17:32青海駅入口
このように、白馬エリアから糸魚川エリアに抜けるのが難しく、4日目に到達できるのは糸魚川市の青海駅付近までです。青海駅から先、市振方面の路線バスは毎週金曜日のみ運行のうえ、最終バスが15時48分なので間に合わず、一行は青海駅で断念、失敗していた可能性が高いでしょう。
つまるところ、白馬ルートに成功の可能性はなく、松本ルートだけが成功への道だったわけです。したがって、上田が今回の「運命の分かれ道」だったことになります。
白馬から糸魚川のバスは?
ところで、番組では上田駅の案内所で、「白馬から糸魚川へのバスがある」旨の情報が伝えられました。これは、今シーズンから運行を開始したスキー客向けの「北アルプス-糸魚川連絡バス」と思われます。冬季に糸魚川駅と白馬スキーエリアを結ぶバスですが、予約制のため、「ローカル路線バスの旅」ではルール上利用できません。
仮に、このバスを利用でき、ロケ日が金曜日ならば、以下のように乗り継いで、ゴール可能です。
▽4日目
栂池高原06:50→07:19南小谷駅10:10→11:00糸魚川駅12:35→12:51青海駅入口/青海駅前13:12→13:38玉ノ木13:41→14:10泊駅前→徒歩6km→入善駅16:17→16:35黒部宇奈月温泉駅17:20→17:53黒部駅前
「北アルプス-糸魚川連絡バス」に、無予約で乗る場合の扱いがどうなのかは、よくわかりません。他の予約で運行し空席があれば乗せてくれそうですが、番組ルールとしては微妙です。
ただ、今回のロケ4日目は金曜日にあたっていました。青海~玉ノ木を抜けられる曜日です。あえて金曜日が4日目になるようにロケ日を設定していたのであれば、制作側は「北アルプス-糸魚川連絡バス」を利用可と考えていたのかもしれません。だとすれば、白馬ルートでもゴール可能だった、と表現することもできます。
そのほか、「白馬岳登山バス」という、糸魚川駅から平岩駅前を経て蓮華温泉に至る路線バスもありますが、7月~10月の運行で、ロケ日には運行されていません。
また、2019年10月~12月には「新潟県・庄内エリア デスティネーションキャンペーン」にあわせて「JR大糸線増便バス」が白馬~糸魚川間に設定されていましたが、これも運行終了しています。
富山駅に早く着くには
実際ルートに戻ります。3日目、一行は上田から鹿教湯温泉、松本を経て平湯温泉に到達します。4日目の平湯温泉出発は09時40分。直通バスで富山駅に向かったのですが、もう少し4日目の初動を早くできなかったのか、と感じた方もいるでしょう。
じつは、3日目、松本からのバスを平湯温泉で降りずに、終点の高山まで行っていれば、4日目にもっと早い富山駅方面へのバスに乗ることができました。
▽3日目
松本バスターミナル17:05→19:30高山濃飛バスセンター
▽4日目
高山濃飛バスセンター06:40→07:55濃飛バス神岡営業所07:57→08:35猪谷駅/猪谷09:45→10:47富山駅前12:05→12:58滑川駅前13:10→13:36水族館前13:49→14:14魚津駅前14:38→15:47木下新→徒歩1km→田家新16:57→17:10黒部駅前
このように、無理のない乗り継ぎで、余裕をもって黒部駅前にゴール可能です。
高山で先を急ぐと
さらに、高山でもっと先を急げば、3日目に神岡まで到達することも可能です。以下のようになります。
▽3日目
松本バスターミナル17:05→19:30高山濃飛バスセンター20:40→22:00濃飛バス神岡営業所
▽4日目
濃飛バス神岡営業所06:10→06:41猪谷駅/猪谷06:55→07:59富山駅08:40→09:33滑川駅前10:35→11:01水族館前11:13→11:44魚津駅前11:58→12:07木下新→徒歩1km→田家新13:20→13:33黒部駅前
黒部駅前の到着時刻は、前出の軽井沢で先を急いだケースと同じです。つまり、3日目に神岡に泊まれれば、おそらくは最速でゴール可能だったわけです。
こうした乗り継ぎを見てみると、結果論ですが、3日目は平湯温泉泊ではなく、高山までバスで出てみてから、その後を検討したほうがよかったかもしれません。
とはいえ、一行は松本バスターミナルで、平湯温泉~富山駅の接続を確認した上で、平湯温泉下車を決めています。したがって、やむを得なかった面はあるでしょう。一方で、一行が経験済みのルートだっただけに、「平湯乗り換え」の思い込みが影響した可能性もありそうです。
なお、松本~平湯温泉のバスは、途中で安房トンネル道路を経由します。同道路は中部縦貫道の一部とされますが、番組では特に触れられませんでした。現状では「高速道路」と認識されていないという判断でしょう。
黒部駅へのアプローチ
実際ルートに戻ります。今回の番組の最後のハイライトは、魚津駅から黒部駅に向かうゴールへの道筋でした。両駅間は7kmほどで、田中・羽田一行の健脚ならば、十分歩ける距離です。しかし、「ゴールはバスでなければならない」というルールにより、歩ける距離でもバス路線を探さなければなりません。そのため、これまでにない最終アプローチとなりました。
結果的に、一行は黒部宇奈月温泉~黒部駅間のバス「新幹線市街地線」を市民病院で捕まえてゴールしました。新幹線駅と市街地を結ぶバス路線のため、夜遅くまで運行しており、救われた形です。
ただ、番組でも通過映像が流れていたように、黒部市にはコミュニティバス(市内路線バス)があります。それに間に合う方法はなかったのでしょうか。
調べてみると、たとえば、以下のような乗り継ぎが見つかりました。
▽4日目
水族館前16:13→16:44魚津駅前17:08→17:16新川みどり野高校前→徒歩0.9km→荒町17:35→18:10黒部駅前
魚津駅前で一行は、停車中のコミュニティバスに飛び乗ってしまいましたが、もう少し丁寧に聞き込みをして、違う系統のバスに乗っていれば、黒部市内路線バスの停留所により近く、より早くアプローチができていました。
魚津駅では時間がなく、バスに飛び乗ってしまったのはやむを得ないように感じられますが、結果論でいえば、ちょっと残念なシーンでした。
ミスらしいミスはなし
さて、ここまで見てきたように、一行が選択してきたルートはおおむね適切で、「正解ルート」をたどったと表現していいと思います。
全体的にミスらしいミスはありませんでした。強いて言えば、1日目に熊谷から太田を目指さなかったこと、3日目に高山経由を検討せずに平湯温泉に泊まったこと、魚津駅で聞き込み不足だったこと、くらいが残念なポイントです。ただ、いずれも事情がありましたし、リカバーできていますので、ミスとまではいえないでしょう。
それよりも、1日目に寄居に向かわなかったこと、2日目に踏ん張って佐久平まで歩いたこと、3日目に上田で先発バスを見送ったことのように、的確な判断や行動力が光りました。
「正解ルート」は?
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」番組では、正解ルートがはっきりしないことが少なくありません。そのなかで、今回はわりと「正解」が明瞭だった印象を受けます。実現可能で無理のない乗り継ぎを考えると、以下のようになります。
▽1日目
大宮駅東口10:28→11:03上尾駅東口/上尾駅西口12:10→13:04 川越駅13:30→14:16鴻巣駅東口/鴻巣駅西口14:42→15:13東松山駅東口15:20→16:01熊谷駅北口16:28→17:23太田駅南口/太田駅北口17:45→18:23新田暁高校19:05→19:29伊勢崎駅
▽2日目
伊勢崎駅08:05→08:30県立女子大前08:45→09:25高崎駅/高崎駅西口11:05→11:50安中市役所11:50→12:22松井田支所→徒歩6km→横川駅14:05→14:39軽井沢駅16:25→16:40中軽井沢駅17:24→17:46追分入口→徒歩3.9km→御代田駅
▽3日目
御代田駅前07:35→08:01岩村田09:43→10:51上田駅前11:12→12:24鹿教湯温泉15:22→16:09松本バスターミナル17:05→19:30高山濃飛バスセンター
▽4日目
高山濃飛バスセンター06:40→07:55濃飛バス神岡営業所07:57→08:35猪谷駅/猪谷09:45→10:47富山駅12:05→12:58滑川駅前13:10→13:36水族館前13:49→14:14魚津駅前14:38→15:47木下新→徒歩1km→田家新16:57→17:10黒部駅前
上記の乗り継ぎでは、徒歩区間は2日目に約10km、4日目に約1kmのみです。これより徒歩区間を短くする方法として草津ルートがありますが、高崎での選択としては横川方面が自然なので、「正解」とは表現しにくいです。
大一番を寄り切って
今回は、失敗すればコンビ解散、降板という触れ込みでした。進退のかかった大一番を、田中・羽田一行は攻めの相撲で寄り切った印象です。苦戦する可能性があったとすれば埼玉県から群馬県にかけてですが、的確な情報収集と健脚を活かし乗り切りました。
2日目は、おそらくスタッフの想定以上の踏ん張りで佐久平まで進出。コンビ存続を賭け「運命の選択」となった上田では、長野方面へ向かう先発バスの誘惑を断ち切り、手堅い松本ルートを選択しました。黒部市内でのバス探しは、的確な判断で市民病院を目指し、新幹線接続の路線を見つけ出しました。
全体的に見て、今回の最大の勝因は、初日に北関東を果敢に攻め、伊勢崎まで到達したことでしょう。さらに、松本~平湯~富山ルートの過去の経験を活かしたことも、大きなポイントだったといえそうです。
難易度は?
難易度については、結果だけみれば比較的平易な印象も受けます。
ただ、実際はタイトな乗り継ぎが求められており、2日目の夜に御代田駅に到達していることが事実上のゴール要件となっています。長野県に入ってからはバスの本数が少なく、ミス挽回の余地に乏しい設定でした。つまり、前半の北関東エリアでもたついたらゴールは不可能になっていたわけで、「平易」とまではいえなさそうです。
一方で、ゴールがほぼ不可能な第11弾(別府~阿蘇)のような無理難題ではなく、甲子トンネルを抜けた第9弾(南房総~大内宿)のような強い脚力を求める設定でもありませんでした。総合すれば「並」程度の難易度だったのではないでしょうか。
とにもかくにも、今回の成功で、一行は連敗を2で止め、通算成績を7勝6敗としました。コンビは継続で、次回放送も楽しみに待ちたいところです。(鎌倉淳)