岐阜県高山市のチャオ御岳マウントリゾートが、スキー場の冬季営業を延期すると発表しました。春季での営業を目指します。
旧JR東海系列のスキー場
チャオ御岳スノーリゾートは、岐阜県高山市の御嶽山北斜面に位置するスキー場で、飛騨森林都市計画企画という第三セクターが運営しています。当初はJR東海が同社の経営に参画していましたが、保有していた全株式を2013年にマックアースに売却し、撤退しています。
引き継いだマックアースも、収益の悪化から2017-2018年シーズンは一部期間で平日営業を取りやめていました。そして、2018年に保有する飛騨森林都市企画の株式58%をすべて優福屋に譲渡。2018-2019年シーズンのチャオ御岳スキー場の経営は、優福屋が中核を担うことになっていました。
当初は「積雪不足」と説明
経営陣が変わった飛騨森林都市計画では、施設の名称を「チャオ御岳スノーリゾート」から「チャオ御岳マウントリゾート」と変更。通年型のリゾートを目指す方針を示しました。
2018-2019年のスキー場営業については、当初の発表では、12月1日からの予定でした。前シーズンと異なり平日を含め毎日営業する計画で、シーズン券や早割リフト券も売り出していました。
ところが、2018年11月21日に、「積雪不足のため12月1日の営業開始を延期とさせて頂きます」と告知。しかし、営業開始予定日は公表せず、SNSでは開業準備が整っていない様子が指摘されていました。
じつは「準備不足」
そして、12月10日に、「運営体制の再構築および施設の復旧が完了するまで、2018-19年冬季シーズンのスキー場営業を延期」すると発表。理由として、「本年7月から10月に発生した集中豪雨や大型台風災害でスキー場施設に損傷が生じ、復旧工事に時間と費用を要して」いるためとしています。
さらに、「12月のオープンに向けて準備を進めて参りましたが(中略)、十分な準備を行うことができないため冬季営業は延期」と告知。「今後は運営体制の見直しを行い、3月以降の春季営業と夏季の高地トレーニング事業を軸として経営体制を再構築して営業再開に向けて努めてまいります」としました。
営業延期理由を、当初の「積雪不足」から「準備不足」に変更したわけです。そして延期理由に「時間」のほか「費用」を挙げている点も気になります。
3月16日から営業?
現在のチャオ御岳の経営を担う優福屋は、関東地方を中心に旅館・別荘地のプロデュースや、再生事業を行っている企業です。資本金300万円で、スキー場の経営に関わるのは初めてです。
仮に3月から営業となると「春チャオ」と題する3月16日のオープンと見込まれます。チャオ御岳は2190mと標高が高いので、春季に集客力があり、営業されれば訪れたいというスキーヤー、スノーボーダーは少なくないでしょう。
ただ、冬季に、突然休業を宣言したスキー場が、春に営業できるのか、不安も残ります。本当に営業できるなら、準備状況などを明確に伝えてほしいところです。
なお、前売りリフト券を購入した人には順次返金するとしています。(鎌倉淳)