JR北海道が全線の被害状況を確認。石勝線・日高線などに軌道変位

北海道で震度7を観測した地震で全路線が一時運休になったJR北海道ですが、徐々に運転再開区間が広がっています。線路の被害状況の確認も終わり、石勝線、室蘭線、日高線の一部で被災したことが明らかになりました。

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石勝線、室蘭線、日高線に軌道変位

JR北海道が2018年9月9日に明らかにしたところによりますと、線路の被害状況の確認は全線で完了し、「石勝線、室蘭線、日高線の一部箇所で線路等の補修が必要な場所があり、現在復旧作業を進めて」いるとのことです。

詳細な調査については実施中で、これらの路線では「復旧までは時間を要する見込み」としています。

国土交通省の「平成30年北海道胆振東部地震による被害状況等ついて(第14報)」によりますと、鉄道の施設の被害状況は以下の通りです。

・石勝線 南千歳~清風山 軌道変位
・石勝線 追分~滝の上 リレーハウス内損傷
・室蘭線 追分~沼ノ端 軌道変位
・日高線 勇払~鵡川 軌道変位

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運転再開の目途が立っていない区間

JR北海道の2018年9月10日の運転計画で、運転再開の目途が立っていない区間は以下の通りです。

・函館線 長万部~小樽
・室蘭線 沼ノ端~岩見沢
・日高線 苫小牧~鵡川(鵡川以南も運休中)
・石勝線 南千歳~新得、新夕張~夕張
・札沼線 北海道医療大学~新十津川
・留萌線 深川~留萌
・富良野線 美瑛~富良野
・根室線 滝川~東鹿越(東鹿越~新得も運休中)
・花咲線 釧路~根室
・釧網線 釧路~網走
・宗谷線 音威子府~稚内

JR北海道2018年9月10日運転計画
画像:JR北海道。

運転再開になぜ時間がかかっているのか

JR北海道の路線の多くは非電化ですが、列車の運転を行うにはすべての区間で電気の供給が必要です。

北海道内の停電はようやく解消されましたが、列車を運転再開するには、電気の供給がなされた後、電気により動作している信号機や踏切の動作を確認しなければなりません。そのため、長大なローカル線を擁するJR北海道では、運転再開に時間がかかっています。

また、災害前日に到着していた駅に停車している車両は、3日間または6日間に一度実施している仕業検査を行わなければならない場合があります。その際は、列車を運転所に回送し、検査を実施します。

こうした事情で運転に必要な車両が不足しており、すぐに運転再開ができないこともあるそうです。

バス代行についても、運休区間が長すぎるために、実施が困難としています。

全線運休という未曾有の事態が生じただけに、JR北海道としては、重要路線から順次運転再開させているようです。まだ運休中の路線は、被害が大きかったからというよりも、確認に手が回っていないのが現実のようです。(鎌倉淳)

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