ソラシドエアとエアドゥが新たな中期経営計画を発表しました。両社とも国際線定期便への進出を目指す一方、国内線の新路線も模索します。
「グローバルエアライン」へ
ソラシドエアが発表した新しい中期経営計画は、2017年~2020年の4年間が対象です。新中期計画では、「地域と世界を繋ぐグローバルエアラインに進化する」をテーマに掲げ、国際線定期便の就航を目標としました。
ソラシドエアは、国際線チャーター便の実績はあり、2015年10月に宮崎~高雄線、2017年1月には羽田~ソウル線を運航させています。今後もチャーター便の実績を積み、2019年度の定期便開設を目指すとのことです。
国内線についても、2018年度をメドに拡充するとしており、新規路線の就航を模索するようです。
国際線、国内線とも、新路線がどこになるのかの具体的な記述はありません。国際線の就航先はソウルか、台北、高雄のいずれかの可能性が高そうです。
これらの路線拡大にともない、機材を2機増やし、14機体制とする予定です。現有機と同じボーイング737-800になるとみられます。
エアドゥも経営戦略を見直す
エアドゥは「2017~2019 年度 中期経営戦略 ローリングプラン」を発表しました。これは、2018年度を最終とするこれまでの中期経営戦略を見直す内容です。
「ローリングプラン」の特徴も、国際線就航へ積極姿勢を示していることです。現在の中期経営戦略でも国際線就航は視野に入っていましたが、「ローリングプラン」では、「国際線就航に向けて必要な要件整理を推し進めるとともに、国際線チャーターを積極的に行います」と明記しました。
エアドゥは、これまでに札幌~台北と、女満別・釧路~高雄の国際線チャーター便の実績があります。将来の国際定期便開設を目指し、今後3年間はさらにチャーター便の実績作りに力を入れるようです。
一方で、2019年度を目途として、国内線新規路線の開設を目指すとしています。具体的な路線名は挙げられていません。
機材については、4機あるボーイング767-300型機のうち、2機を2018年度までに国際線にも投入できる機体に更新します。残る2機の後継機も2018年度中に決めるとのことです。現有13機の変更はありません。
ソラシドエア、エアドゥともに、中期経営計画で国際線定期便開設を目指すことは、偶然ではないでしょう。LCCの台頭やインバウンドの増加などの環境変化を受け、日本の中堅航空会社が変化しなければならないことを示しているといえそうです。(鎌倉淳)