格安航空会社LCCのピーチアビエーションが、羽田~上海線と関西~上海線を開設します。運航開始は関西便が2016年11月1日から、羽田線が同2日から。いずれも深夜・早朝便で、「弾丸旅行」向けの運航スケジュールになりました。
日系LCC初の中国本土就航
日系LCCの中国本土就航は、ピーチの上海2路線が初めてで、上海は浦東空港へ乗り入れます。
運航スケジュール(時刻表)は以下の通りです。
ピーチ上海線スケジュール
大阪(関西)-上海(浦東)線時刻表
MM079 関西22:25→上海翌00:20 運航日:火木金土日
MM080 上海06:05→関西09:15 運航日:月水金土日
東京(羽田)-上海(浦東)線時刻表
MM1079 羽田02:10→上海05:00 運航日:月水金土日
MM1078 上海01:25→羽田04:55 運航日:月水金土日
写真:ピーチ・アビエーション
土日で上海を満喫できる!
ご覧の通り週5便、深夜・早朝発着のスケジュールです。とくに羽田線は完全に深夜、早朝のダイヤで、乗るのは大変ですが、使いようによっては「弾丸旅行」に適しています。
金曜の夜(土曜日未明)に羽田を出れば、上海に土曜の朝5時に着けますし、1泊して日曜の夜(月曜日未明)に上海を出れば、羽田に月曜の早朝に着けます。会社を休まなくても、土日をフル活用した上海旅行を満喫できます。体力に自信のある方は、ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
就航まで4年
中国線は、ピーチ設立以来の「悲願」でした。ピーチの井上慎一最高経営責任者(CEO)は、2012年6月に行われた香港便開設の記者会見で、「できれば年内にも上海、北京、杭州などに飛ばしたい」と述べています。
そのときは、「規制や中国の主要空港の混雑状況との見合いもある」とし、中国本土便の開設が容易でないことも示唆していました。実際、就航まで4年もかかったことになります。
上記の北京や杭州線の実現も狙っているとは思いますが、さらに時間がかかるのは間違いなさそうです。
ジェットスターにも当局の許可が
さて、中国民用航空局(CACC、民航局)が公表する資料「国际航线经营许可信息通报」は、中国の航空路線の許可を知らせる通知です。2016年7月4日に公表された通知には、ピーチ・アビエーション(日本乐桃航空)のほか、ジェットスター・ジャパン(捷星日本)も含まれていました。
この通知には、ピーチに許可した路線として「大阪至上海以及东京至上海」とあり、今回の羽田/関西~上海線が記されています。ジェットスター・ジャパンについては、「东京分别至上海、广州,大阪分别至上海、广州」とあり、東京~上海・広州線と、大阪~上海・広州線」の計4路線が記されています。
このため、ジェットスターが成田/関西~上海/広州線を近く開設発表をする可能性は高そうです。日系LCCが広州線を開設したら、初めてのことになります。
LCCでの中国旅行は、これまで春秋航空の独壇場でしたが、これからは日系も選択肢として使えるようになりそうです。(鎌倉淳)