JR北海道の特急「スーパー宗谷」「オホーツク」の一部列車と、「サロベツ」が2017年3月ダイヤ改正で旭川発着になることがわかりました。北海道新聞が報じています。
宗谷・石北線系統の特急が旭川で系統分断されることで、列車名やダイヤはどう変わるのでしょうか。考えてみました。
半数以上が旭川分断へ
2016年5月24日付北海道新聞によりますと、2017年春のダイヤ改正で、「スーパー宗谷」2往復と「サロベツ」1往復の計3往復のうち2往復を旭川~稚内間に、「オホーツク」4往復のうち2往復を旭川~網走間に短縮する方針を固め、沿線自治体への説明を始めたそうです。
要するに2017年3月ダイヤ改正では、石北、宗谷線系統の特急は以下のようになります。
・札幌~稚内=1往復
・旭川~稚内=2往復
・札幌~網走=2往復
・旭川~網走=2往復
全列車の半数以上が旭川で系統分断される、ということです。
写真:JR北海道
列車名はどうなる?
列車名やダイヤについては報じられていません。予想しつつ、最適な形を考えてみましょう。
まず、列車名に関しては、区間別にするか、路線別で一本化するかのとちらかです。区間別の場合、札幌~稚内を「宗谷」、旭川~稚内を「サロベツ」、札幌~網走を「オホーツク」、旭川~網走を「おおとり」などでしょうか(あくまで一案です)。
「宗谷」と「オホーツク」の知名度を活かすのなら、走行区間にかかわらず両列車に一本化する可能性もあるでしょう。そのほうがシンプルでいいかもしれません。
宗谷線予想ダイヤ
ダイヤについては、どの列車が「旭川止まり」になるのかが発表されていませんので、当サイトで勝手に予想してみます。
まず、宗谷線系統ですが、札幌からの日帰り出張の需要を考えるなら、現在の「スーパー宗谷」の1号、4号が札幌発着として残りそうです。北海道新聞5月25日付でも、札幌を午前に出る下り便と、稚内を夕方に出る上り便は現行通り運行するとしています。
現在のダイヤに運用を当てはめると、2編成で回すには以下のような形にする必要があります。
A 札幌0748→1253稚内1344→1733旭川1917→2258稚内
B 稚内0700→1039旭川1411→1822稚内1700→2209札幌
ご覧の通り、B運用で稚内で折り返せませんので、現在のサロベツのダイヤ(旭川14時11分発)を2時間程度繰り上げ、旭川12時頃発にしなければなりません。
その場合の、予想ダイヤは以下の通りです。
■2017年3月宗谷線特急・勝手に予想時刻表
1号 札幌0748→1253稚内
3号 旭川1200頃→1600頃稚内
5号 旭川1917→2258稚内
2号 稚内0700→1039旭川
4号 稚内1344→1733旭川
6号 稚内1700→2209札幌
石北線予想ダイヤ
「オホーツク」は4往復なので予想が難しいですが、現ダイヤをベースに3編成で回すには、以下のような運用が考えられます。
A 札幌0721→1240網走1326→1711旭川1642→2037網走(現1、5、6号)
B 網走0620→1009旭川1118→1506網走1718→2240札幌(現2、3、8号)
C 網走0923→1446札幌1730→2301網走(現4、7号)
A運用の旭川折り返しが間に合わないので、6号を繰り上げるか、5号を繰り下げることになります。以下の予想ダイヤでは、30分ずつ繰り下げ、繰り上げてみます。
■2017年3月石北線特急・勝手に予想時刻表
1号 札幌0721→1240網走
3号 旭川1118→1506網走
5号 旭川1642→2037網走
7号 札幌1730→2301網走
2号 網走0620→1009旭川
4号 網走0923→1446札幌
6号 網走1326→1711旭川
8号 網走1718→2240札幌
ただ、この運用だと、網走での夜明かしが2編成となってしまいます。車両基地の問題もあるので、できれば夜に2編成が札幌に戻る形がいいでしょう。そのためには、現在のダイヤを見直す必要がありそうです。たとえば、以下のような運用でしょうか。
A 札幌0721→1240網走1326→1711旭川1808→2201網走
B 札幌0911→1436網走1456→2017札幌
C 網走0620→1009旭川1218→1606網走1718→2240札幌
注)現在のダイヤをベースに時間をずらして検討しただけです。オホーツク以外の列車ダイヤは考慮していません。
時刻表にしてみると、以下のようになります。
■2017年3月石北線特急・勝手に予想時刻表2
札幌0721→1240網走
札幌0911→1436網走
旭川1218→1606網走
旭川1808→2201網走
網走0620→1009旭川
網走1326→1711旭川
網走1456→2017札幌
網走1718→2240札幌
下りの午後と上りの午前の時間帯が空いてしまいます。とはいえ、これは素人の筆者が少しの時間で検討しただけですから、JR北海道のプロのスジ屋さんは、もっと巧いダイヤを組んでくれることでしょう。
札幌~旭川間は本数増も
北海道新聞によりますと、札幌~旭川間に関しては、「スーパー白鳥」廃止で浮いた789系を活用して本数増や編成数増を検討しているとのことです。JR北海道は、電車の特急型車両に比較的余裕があるので、電化区間でのディーゼル車運転を減らし電車に置き換えるのは、経営的には合理的な判断、ということなのでしょう。
でも、乗り換えを強いられる利用者には、便利になるポイントは見当たりません。特急料金はさすがに通算になると思いますので、料金に変化はないと信じたいところです。(鎌倉淳)