春は鉄道の遅延が多い季節。新入生・新社会人がどっと増え、慣れない通勤・通学で乗降に時間がかかることが原因だとか。春先は学生がきちんと朝早く電車に乗るので、それもラッシュ時の混雑を激しくし、遅延が増える理由だそうです。
では、首都圏で遅延が多い路線はどこなのでしょうか。国土交通省が交通政策審議会へ提出した資料で明らかになっていますので、まとめてみました。
朝ラッシュ時に10分以上遅れる路線
この資料は、国土交通省の交通政策審議会の「東京圏における今後の都市鉄道のあり方に関する小委員会」第7回会議で配られた資料です。それによりますと、遅延発生回数の多い路線は以下の通りです。朝ラッシュ時の1週間あたりの遅延日数(10分間以上の遅延)によるランキングです。
遅延発生回数の多い路線ランキング
1 埼京・川越線(大崎~武蔵高萩) 3.0日
2 横須賀・総武快速線(大船~稲毛) 2.9日
3 東海道線(東京~湯河原) 2.8日
4 宇都宮・高崎線(上野~那須塩原・神保原) 2.5日
5 中央快速・中央本線(東京~甲府) 2.2日
6 中央・総武線各停(三鷹~千葉) 2.0日
7 山手線 1.8日
8 京浜東北・根岸線 1.7日
9 メトロ有楽町線 1.7日
10 メトロ半蔵門線 1.7日
11 メトロ千代田線 1.4日
12 小田急小田原線(支線含む) 1.4日
13 常磐快速・常磐線(上野~羽鳥) 1.3日
14 メトロ南北線 1.2日
15 メトロ副都心線 1.2日
16 東急東横線 1.2日
17 青梅線 1.2日
18 メトロ丸ノ内線 1.2日
19 東急田園都市線 1.1日
20 常磐線各停(綾瀬~取手) 1.0日
※右数字は1週間(平日5日間)あたりの10分以上の平均遅延発生日数。ただし、資料にはグラフのみの記載で数値の明記がないので、目盛りから筆者が判断しました。
※2014年9月1日~2014年12月26日の78日間の統計データを1週間(平日5日間)あたりに換算。
※平日始発~10時を対象(JRは7時~11時、西武・東急は始発~9時)。
JRの長距離路線は遅延が多い
遅延が多いのは、JRの長距離直通路線です。1位は埼京・川越線でした。5日に3日遅れるわけで、遅延率6割です。遅延が多そうな湘南新宿ラインがランキングされていませんが、路線分類として存在しないからでしょう。東海道線、宇都宮・高崎線や埼京線に分かれて処理されていると思われます。
上野東京ラインの開業により、東海道線、宇都宮・高崎線の数字はもっと悪くなっているかも知れません。
私鉄で上位に入ったのは東京メトロ。メトロも直通乗り入れの影響を受けやすいので、遅延が発生しやすいのでしょう。
遅延が少なかった路線は?
では、遅延が少なかった路線はどこでしょうか。同じ資料で、遅延発生回数が1ヶ月に1回未満の路線をピックアップします。
1位 東急大井町線 0.0日
1位 メトロ銀座線 0.0日
3位 京急本線(空港線除く支線含む) 0.2日
4位 相鉄本線・いずみ野線 0.2日
※順位の違いは、平均遅延時間も考慮されています。
京急・京成系統は遅延が少ない
クローズな短距離路線である東急大井町線とメトロ銀座線が堂々の0日。78日間で10分以上の遅延が朝ラッシュ時に一度も発生しなかったわけです。これはスゴイですね。
また、京急の健闘も驚きました。京急は朝ラッシュ時にほとんど遅れません。筆者はふだん利用しないのでわからないのですが、京急はこんなに遅延が少ないのでしょうか?
この4路線が、1ヶ月に1回未満しか10分以上の遅延が発生しなかった路線ですが、ほかに、1ヶ月に1回~2回程度の遅延にとどまる優秀な路線も挙げておきましょう。東急多摩川線、京王井の頭線、都営大江戸線、京成本線(支線含む)、東武野田線、都営浅草線、JR横浜線、メトロ日比谷線、都営新宿線、都営三田線です。
京急、都営、京成系統は遅延が少ないのですね。列車の遅延でお悩みの方は、京急、京成沿線への引っ越しを検討されてはいかがでしょうか。