太川陽介と蛭子能収のコンビによる「太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅」第2弾がテレビ東京系列で放送されました。第1弾からルールが少し修正されました。
第1回は緩かったが
「太川・蛭子 ローカル鉄道寄り道の旅」は、太川陽介と蛭子能収のコンビによる鉄道旅行番組です。第1弾は2018年9月8日にオンエアされ、東武線栃木駅から会津鉄道の会津若松駅まで53駅160kmを、1泊2日で目指すというお題でした。
このときの主なルールは以下の通りでした。
① 途中下車をして「旅の資金」をゲット。名所・名物を探す。
②「旅の資金」は途中下車する駅によって異なり、「平均利用客の少ない駅」ほど高額。
③ 宿泊費は「旅の資金」から捻出。なければ宿泊できない。
ただ、「名物・名所の定義」がよくわからないなど、ルールに曖昧な点が多いうえに、ゴールの要件も「終点に到達すれば良い」というだけで、かなり緩いゲームになっていました
第1回で一行は会津若松まで無事到達し、「成功」していますが、ゴール要件が緩いためか、番組終盤はダレた印象を残しました。
第2弾となった今回のお題は、長野駅から金沢駅を1泊2日で目指すというもの。ゲストは遠藤久美子です。2018年12月8日にオンエアされました。
太川・蛭子×華丸・大吉 乗り継ぎ旅2時間半コラボSP
【出演者】太川陽介、蛭子能収、遠藤久美子
名所の定義が明瞭に
第2弾のゴール要件は前回より厳格となり、「20万円を貯めて夜7時までに金沢にたどりつく」と設定されました。
第1弾で不透明だった「名物・名所の定義」も、「地元の人がおすすめする名所・名物・名旅館」と明瞭になりました。地元の人から「名物」と言ってもらわなければならないわけです。
そのため、一行は駅で途中下車して名物・名所を探す前に、まずは地元民と会話することから始めなければならなくなりました。
ルールがはっきりしただけでなく、地元民との会話シーンを撮ることができ、番組としては面白くなったでしょう。
一方、地元の誰かが「名物」といえば、ありふれた食堂でも名物になってしまうわけで、その意味で名所・名物の要件は緩くなったといえます。逆に、住民が見つけられないような本当の秘境駅で降りた場合には、資金を得るのが格段に難しくなった側面もあるでしょう。
そのため「10万円クラスの駅で降りるより、3万円クラスの駅で降りた方が成功の可能性が高い」というゲームになってきたといえます。
日本海ひすいラインと富山地鉄がカギだった?
今回の旅の舞台は長野~金沢間で、しなの鉄道、えちごトキめき鉄道、あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道、IRいしかわ鉄道の5社をまたぎます。230kmに94駅があり、乗降客の少ない駅が多い日本海ひすいラインと富山地鉄で、どれだけ資金を得られるかが勝負の分かれ目だったように思えます。
最終的に、一行は十分な資金が得られぬままに富山駅で時間切れ。IRいしかわ鉄道には乗らずにゲームオーバーとなってしまいました。
結果論ですが、20万円というゴールの目標設定は、結構厳しかったようです。本気で勝ちに行くなら、序盤で3,000円の駅に降りている場合ではありませんでした。今回は、目標金額を設定して初めての回ということもあり、按配がわからなかったのでしょう。
今後もシリーズが続くなら、最初から1万円以上の駅ばかり攻めて、といった、「本気モード」になっていくのでしょうか。
名所を訪れるための徒歩が長い場面もあり、蛭子さんがぼやくような、「バス旅」を思い起こさせる徒歩シーンもありました。「バス旅」ほどの過酷さはないにせよ、結局歩くと盛り上がる、というのが、ルイルイ・蛭子旅なのでしょうか。(鎌倉淳)