格安航空会社LCCのバニラエアが、2013年11月1日よりチケットの販売を開始しました。ところが、販売当日からサーバダウン。翌朝になっても正常化していません。話題の1000円チケットも売れ残りです。
バニラエアはANAホールディングスが100%出資する子会社です。エアアジア・ジャパンの撤退を受けて設立された航空会社で、12月に運航を開始する予定。そのチケット販売が11月1日に開始されました。通常チケットの販売開始は正午12時。その後、15時から目玉となる就航記念運賃の「わくわくバニラ」の販売開始というスケジュールです。この記念運賃は、成田と台北(桃園)、ソウル(仁川)、沖縄(那覇)、札幌(新千歳)を結ぶ4路線が片道1000円というバーゲンです。
ところが、通常チケット販売開始の12時頃になるとサーバーが不安定になり、ホームページのトップ画面すら表示されなくなりました。「現在バニラエアウェブサイトを表示することができません」という表示が出るばかりで、その後、15時頃になっても状況は変わりません。サーバがダウンしてしまったようです。
就航記念運賃の販売日にアクセスが殺到してサーバがダウンする、というのは過去、ピーチやジェットスター・ジャパン、エアアジア・ジャパンでも経験していること。その教訓がまったく活かされていないばかりか、トップページすら表示されないというのは、過去のLCCの予約初日でもなかった事態で、より深刻といえます。
筆者はずっとパソコンの前にかじりついていたわけではありませんが、時々アクセスを試みて状況を確認。同日夜にはトップページへは繋がりやすくなりましたが、なかなか予約を進めることはできません。さらに翌11月2日早朝になっても状況は変わらず、トップページから予約を少し進めることができる程度。これでは重くて大変です。
ただ、1000円チケットはだいぶ売れたようですので、根気強く操作を続けていれば、予約完了ができた人は多いようです。ただし、販売開始から12時間以上経っても、予約画面に「1000円」の表示があるのも事実。格安運賃がまだ売り切れていないのですから、サーバの不安定な状況が継続している状況がうかがえます。
過去のピーチなどの反省を踏まえれば、サーバを増強するか、路線ごとに販売日をずらすか、そもそも1000円チケットなんて販売しないか、などの対策ができたはず。そうした検討もできなかったのだとすれば、バニラエアの先行きが心配になります。「現在バニラエアウェブサイトを表示することができません」の画面の向こう側には、準備不足のバニラエアの内情がうかがえます。
同社の前身であるエアアジア・ジャパン時代は、ウェブサイトの操作が悪いという批判を受けていました。バニラエアになり、ウェブサイトの操作性は大きく改善されると期待されていたのですが、そもそもトップページにすらつながらないのでは、操作性以前の問題で、「これではエアアジアよりひどい」と言われても仕方ありません。まずはサーバ増強から始めてほしいものです。