春秋航空日本が2016年12月期決算(第6期)を公表しました。売上高を前期比1.8倍の91億円とし、100億円の大台に迫りました。一方、累積赤字も200億円近くに及び、債務超過状態に転じました。
売上高前期比1.8倍
春秋航空日本は、2012年9月に設立された日本の格安航空会社LCCです。中国春秋航空の関連会社で、成田空港を拠点とし、2014年に国内初就航しました。
運航初年度となる2014年12月期決算の売上高はわずか8億円。初めての通期運航となった2015年12月期決算で売上高25億円、続く2016年12月期で51億円としました。このほど公表された2017年12月期決算でも順調に売上を伸ばし、売上高は91億4100万円となりました。前期比約1.8倍です。
春秋航空日本の2017年12月期決算は以下の通りです。
■春秋航空日本
第6期決算公告(2017年12月期) 2018.06.22官報より
資本金114億円 資本剰余金54億円 利益剰余金 -195.45億円
売上高91.41億円 営業損失42.39億円 経常損失42.29億円 当期純損失42.48億円
債務超過状態に
利益面では、前期は38億円の営業赤字を計上していたのに対し、今期の営業赤字は42億3900億円とやや悪化。最終赤字は42億4800万円(前期37億9100万円)となり、前期に比べて1割程度、数字を落としています。
売上高100億円を視野に捉え、順調に成長していることがうかがえる一方、赤字は拡大し、累積赤字は200億円近くに達しました。株主資本が27億円のマイナスとなっており、債務超過の状態です。これを解消するため、今期中に増資が行われる可能性が高そうです。
黒字化は視野に入るか
LCCのビジネスモデルで黒字化するには、ある程度の事業規模が必要です。実際、過去の国内LCCの決算を見ても、売上高100億円規模での黒字化を達成した会社は一つもありません。
国内LCC各社が黒字化を達成したのは、ピーチが第4期で売上高305億円、ジェットスター・ジャパンが第5期で売上高522億円、バニラエアも第5期で売上高217億円でした。
春秋航空日本が、売上高200億円規模になるには、あと1~2年はかかりそうです。現在は苦しい局面に見えますが、このまま順調に規模拡大が進めば、黒字化が視野に入るかもしれません。(鎌倉淳)