スカイマークが、空席連動型運賃の導入を発表しました。新運賃の名称は「SKYフレックス」。スカイマーク初の空席連動運賃で、予約の空席状況に応じて段階的に価格が変動していく仕組みです。
「SKYフレックス」の対象路線は成田~札幌(新千歳)線と成田~沖縄(那覇)線の2路線で、搭乗期間は2014年5月9日から8月18日まで。運賃は、税込みで成田~札幌線が片道6,400円~2万4,900円、成田~那覇線が片道8,400円~2万5,900円です。成田~札幌の普通運賃は1万7,400円、成田~那覇の普通運賃は2万500円ですから、最大で60~65%の割引率となります。払い戻しは不可ですが、同券種同一区間なら予約変更が可能なのが大きな特徴です。
LCCと同種の運賃制度
いうまでもなく、空席連動型運賃はLCCが採り入れているシステムです。成田空港には、ジェットスター、バニラの両LCCが拠点を構えており、6月には春秋航空日本も加わりますが、いずれも空席連動型運賃を採用しています。したがって、「SKYフレックス」は、これらLCCと同種の運賃といえます。
「SKYフレックス」には受託手荷物料金が含まれており、支払手数料などは一切不要です。ですから、ジェットスターの「プラス」やバニラエアの「コミコミバニラ」に相当します。そして、そのどちらの運賃に対しても、「SKYフレックス」の価格は遜色ありません。まさに「スカイマークのLCC参入宣言」ともいえる新運賃設定でしょう。
ただし、「SKYフレックス」の販売座席数には制限があり、予約は航空券の発売開始日から搭乗日の前日までです。「SKYフレックス」とは別に普通運賃も並行して販売されますので、この点はLCCと異なります。
ところが、ここでもスカイマークはLCCへの対抗価格を設定しました。上記と同じ成田~札幌、那覇の両路線で、夏休みにあたる7月22日から8月7日搭乗分において、小児普通運賃を7,000円均一に値下げしたのです。
LCCにはない「子供料金」を値下げ
じつは、LCCには子供料金というものがありません。大人子供同額で、2歳以上なら大人料金を払う必要があります。それに対し、スカイマークでは子供料金である「小児普通運賃」の大幅値下げを行い、その価格を空席連動型運賃の最安値水準に近づけたわけです。
これは、家族連れには強烈なアピールポイントとなるでしょう。急に体調を崩したりするのが子供ですから、旅行中止時のキャンセル料設定が安いのは、親にとってありがたいもの。その格安運賃を夏休み期間に設定するのですから、大きな目玉になりそうです。LCCの急所を突いた施策といえるかもしれません。
とはいえ、スカイマークの成田~札幌、那覇線の便数は多くありません。いずれも1日2往復で、しかも札幌線は機材繰りの関係で5月30日まで1日1往復体制になっています。これでは、LCCの脅威になるには便数不足です。
スカイマークの成田路線がここまで縮小したのはジェットスターの攻勢によるところが大きいですが、今回の新価格でどこまで盛り返せるか、注目したいところです。