京成電鉄で成田空港利用者数が減少。スカイライナー、アクセス特急の増便は望み薄か

京成電鉄が2014年度中間決算を発表しました。それによりますと、営業収益(売上高)は1212億円で、前年比1.3%増としたものの、営業利益は123億円で、前年比6.1%減となりました。2015年3月期予想では営業収益2,484億円、営業利益は227億円で、ともにほぼ前年並みを予想しています。

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スカイライナー利用者が4.9%減少

気になるのは鉄道輸送人員の減少です。定期輸送人員は増えているのですが、定期外輸送人員が減少。中間期実績は5462万人で前年比0.4%減となりました。内訳を見ると、空港発着輸送人員が前年比0.5%減、うち有料特急利用人員が3.3%の大幅減となっています。通期ではさらなる減少を予想していて、空港発着輸送人員が1.3%減、うち有料特急利用人員が4.9%減としています。

簡単にいうと、スカイライナーの利用者が減少しているのです。スカイライナーは、現在のスカイアクセス線経由になった2010年度に403万人の利用者を記録。東日本大震災のあった2011年は落ち込みましたが、2012年度408万人、2013年度は425万人と利用者を増やしてきました。しかし、2014年度は404万人を予想しており、減少に転じる見込みです。

理由は明らかで、羽田空港の国際線発着枠の拡大です。海外旅行客が羽田空港に流れてしまい、成田空港の国際線利用客が減り、京成の利用者数も減っているのです。成田空港ではLCC路線が拡大していますが、それでは補いきれていない様子。有料特急以外の成田空港発着人員も減少していることが、それを物語っています。

現状のスカイライナーやアクセス特急は日中40分間隔で、やや使いにくい運転本数です。増便を期待している人も多いですが、利用者数が減少に転じてしまった以上、当面の大幅増便は難しいでしょう。

京成スカイライナー

バス事業は好調

反面、京成のバス事業は好調で、中間期の営業収益は前年度比2.5%増を記録しています。内訳は示されていませんが、東京駅発着の成田空港格安バスが増便を続けているため、収益増に寄与しているとみられます。また、ツアーバスへの規制強化により、高速路線バスの利用者も回復しているのかもしれません。

京成検定

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