JR西日本は、2026年3月ダイヤ改正で、新快速の一部列車に有料着席サービスの「うれシート」を設定します。新快速には「Aシート」という別の着席サービスがありますが、共存していくのでしょうか。
車両の一部を有料エリアに
JR西日本は、2026年3月14日のダイヤ改正で、有料座席サービス「うれしート」の提供路線・対象列車を拡大すると発表しました。
「うれしート」は、通勤車両の車内を「のれん」で区切って有料エリアとし、エリア内の座席を有料座席(指定席)とするサービスです。これまでに、JR京都・神戸線や大和路線などの快速列車で提供されてきました。
それに加えて、26年3月改正では、新たにJR京都・神戸線の新快速の一部列車でも導入します。

新快速「うれシート」設定列車の時刻表
「うれシート」を設定する新快速は、平日の上下計8本です。区間は下りが野洲~姫路間、上りが網干~米原間です。
対象列車の時刻表は以下の通りです。
■新快速「うれシート」設定列車時刻表
【下り平日】
新快速403号 野洲06:00→大阪07:05→姫路08:12
新快速425号 野洲08:27→大阪09:30→姫路10:33
新快速513号 野洲17:57→大阪19:00→姫路20:06
新快速525号 野洲19:28→大阪20:30→姫路21:34
【上り平日】
新快速404号 網干05:35→大阪06:58→米原08:30
新快速410号 網干06:12→大阪07:32→野洲08:36
新快速514号 姫路18:10→大阪19:13→野洲20:15
新快速520号 網干18:42→大阪19:58→米原21:26
「Aシート」と併存
新快速では、リクライニングシートを備えた専用車両による「Aシート」も導入しています。「Aシート」を備えた列車は、平日に6往復、土休日に最大8往復が設定されています。
ダイヤ改正後も「Aシート」は残りますので、26年3月以降、新快速では「Aシート」と「うれシート」が併存することになります。
「Aシート」の価格は600円(チケットレス)、「うれシート」は300円(同)です。価格的には「うれシート」が半額です。
「Aシート」増備取りやめも?
今回、新快速で「Aシート」連結列車が増発されるのでなく、「うれシート」が設定される理由は、明確ではありません。
JR西日本は、中期経営計画で「Aシート追加投入」を明記しています。そのため、新快速の「Aシート」増備は既定路線です。しかし、専用車両を用意しなければならないので、設備投資が必要となり、増備には時間もお金もかかります。
それに対し、「うれシート」は「のれん」を用意するだけで、すぐにでも導入できます。そのため、有料着席サービスの拡充を急ぐJR西日本が、取り急ぎ「うれシート」の導入を図ったと受け止めるのが順当でしょう。
ただ、今後、「Aシート」が計画通りに増備されるかは定かではありません。二つの有料着席サービスの利用状況と収益性を比較して、「うれシート」のほうが合理的と判断すれば、JR西日本として、「Aシート」の増備を取りやめるという判断もあり得るのではないでしょうか。(鎌倉淳)






















