ルスツリゾートスキー場で、2025-26年シーズンのリフト券価格が発表されました。大人1日券の定価は16,200円で、昨シーズンより1,700円の値上げ。日本のスキー場のリフト1日券最高値を更新しました。白馬の全山共通券も1万円を突破し、スキー場のインフレは続いています。
値上げ率12%
ルスツリゾートスキー場は、北海道を代表する大型スキー場のひとつです。その2025-2026年シーズン(2026年シーズン)の価格が発表されました。
レギュラーシーズン(12月20日~3月15日)のリフト1日券は大人16,200円で、昨シーズンの14,500円から1,700円の値上げとなります。値上げ率は約12%です。
シニア・中高生は12,100円となり、昨シーズンの10,800円から1,300円の値上げ。こどもは8,000円で、7,200円から800円の値上げです。
オンラインは7%値上げ
上記は当日窓口販売の価格です。オンライン購入の場合、大人1日券12,000円で、昨年11,200円から800円の値上げにとどめています。値上げ率は7%です。
オンライン購入では、シニア・中高生が8,900円、こどもは5,800円です。
窓口販売の価格を大幅に引き上げる一方で、オンライン販売の値上げ率は抑制しています。ルスツでは、近年、この傾向が続いていて、窓口とオンラインの価格差が開いています。オンライン販売へ、価格面で誘導しているのでしょう。
高インフレ続く
ルスツリゾートは、近年、急激にリフト券価格を値上げしてきました。
大人リフト1日券を例に取ると、2021年シーズンに6,200円だったところ、2022年に6,500円となり、2023年が8,800円、2024年が11,500円、2025年が14,500円、2026年が16,200円と、文字通り跳ね上がっています。2022年から4年間で、一気に2.5倍に急騰しています。
それでも、2026年は値上げ幅を抑え気味にしています。円安や燃油高によるインフレの一服を反映したのかもしれません。ただ、オンラインの7%値上げであっても、消費者物価指数の上昇より激しく、スキー場リフト券の高インフレは続いているとみていいでしょう。
安く滑る方法もある
安く滑る方法はあります。ルスツでは、1時間単位で利用できる「25時間券」と「トップアップ券5時間券」を用意しています。2026年シーズンの価格は、25時間券が34,700円(オンライン33,100円)、5時間券は6,600円(オンライン同額)です。
1時間単位で利用できるなら、1日5時間で十分と考える人も多いでしょうから、6,600円はお手頃です。25時間券を買って、4時間ずつ6日間すべるなら、1日あたり5,516円(オンライン)となっています。滞在型の利用者やリピーターへの配慮はなされていることになります。
さらに、11月1日~ 12月10日に発売される前売り券なら、「25時間券+5」となり、同額で30時間使えます。こちらは、地元利用者への配慮でしょうか。
また、宿泊予約サイトをみると、リフト券をセットにした宿泊プランは、それほど高く設定されていません。1日5,000円程度の差額で、リフト券付き宿泊プランを選ぶこともできます。
ふらっと訪れるビジターには高価格を設定する一方、地元民やホテル利用者には、気軽に滑れるような形にしているわけです。
ニセコ、白馬も1万円突破
2025年シーズンのリフト券価格を発表している、他のスキー場もみてみましょう。
すでに発表しているスキー場では、ルスツのライバルともいえるニセコが、2025年シーズンの全山1日券を12,000円としました。2025年が10,500円でしたので、1,500円(14%)の値上げです。
白馬の共通券であるHakuba Valley 10スキー場共通リフト1日券は10,400円で1万円を突破しました。2025年の9,700円から700円(7%)の値上げです。
ルスツ、ニセコ、白馬という、日本を代表する超大型スキー場のリフト1日券が、全て1万円を突破したことになります。
単体スキー場では、ニセコヒラフ・花園が11,000円、白馬八方が8,700円、野沢温泉は7,500円となっていて、それぞれ9,500円、8,000円、7,300円から値上げされています。
各スキー場の値上げ率は5~10%程度です。となると、各地の大型スキー場も、同様の値上げ率になりそうです。昨シーズンより、相場が1割程度、上がるということです。大型スキー場では、リフト1日券8,000円前後が標準的な価格となりそうです。(鎌倉淳)