ユナイテッド航空が、超音速機「オーバーチュア」を15機購入する契約を結びました。実際に就航すれば東京~サンフランシスコが6時間で結ばれるそうですが、いつ実現するのでしょうか。
所要時間が半分に
アメリカの大手航空会社・ユナイテッド航空は、コロラド州の航空機ベンチャー、ブーム・スーパーソニックから超音速機「オーバーチュア」を購入する合意を結んだと発表しました。
安全性や運航、環境に関するアメリカの基準をクリアした後、15機を購入。さらに35機を追加購入する権利を得たとしています。
オーバーチュアは、現在のジェット旅客機の約2倍となるマッハ1.7で飛行できます。そのため、現状で約10時間かかる東京~サンフランシスコ間が6時間、ニューアーク~フランクフルトが4時間、ニューアーク~ロンドンが3時間半で移動できるようになります。航続距離は4250海里(7871キロ)です。
ブーム社にはJALも2017年に1000万ドルを出資して提携しており、20機の機体の優先発注権を得ています。
SAFのみで運航
オーバーチュアが実際に就航すれば、コンコルド以来の超音速機となります。コンコルドのとの大きな違いは、オーバーチュアは、持続可能な燃料(SAF)のみで運航するということ。
コンコルドが騒音の大きさや燃費の悪さなどの問題で運航停止に追い込まれたことを考えると、オーバーチュアは持続可能性がありそうです。
乗客の定員は65人から88人で、価格はビジネスクラス並みに設定される見通し。気になる就航開始ですが2025年にロールアウト、2026年に初飛行を予定しており、2029年の就航開始を目指しています。
ただ、本当に2029年に就航できるかについては、懐疑的な見方もあります。これまでの常識を覆す革命的な新型機ですので、商業運航にこぎ着けるには、もう少し時間がかかる可能性もあるでしょう。
また、仮に2029年に就航しても、最初は大西洋路線になるとみられます。日本の空にお目見えするのは、さらに少し後になりそうです。