東京・品川区の大崎と成田空港を結ぶ格安バスが登場します。参入するのは高速バス大手のウィラー・アライアンス(WILLER ALLIANCE)。大崎から成田空港を経て芝山町まで、片道1,000円~1,200円のバスを1日30便運行します。運行開始は2016年10月。山手線西側からの成田空港への格安バスは初めてです。
大崎駅~成田空港~芝山線
ウィラーが品川区、芝山町、成田空港会社と共同で発表しました。それによりますと、この路線は大崎駅西口バスターミナルと成田空港の3つのターミナル、芝山中学校入口、芝山町役場を結びます。
経路は首都高速目黒線~都心環状線~台場線~湾岸線~東関東道~新空港道で、所要時間は大崎駅~成田空港が最短75分、大崎駅~芝山町役場が最短90分です。
運行時間帯は早朝から夜間までで、詳細な時刻は予約開始の時期に発表する予定。1日30便でスタートしますので、おおむね1時間に1~2本になるでしょう。当初はバス6台を投入し、運行開始後に必要に応じて増便を図るそうです。
運行会社はWILLER EXPRESS北信越株式会社とベイラインエクスプレス株式会社で、どちらもウィラー系列の会社です。
普通運賃は1,200円
普通運賃が片道1,200円で、小児運賃が600円。インターネットで予約・決済を行なう「WEB割」が1,000円の設定です。WEB割には小児運賃などの割引運賃の設定はありません。東京・銀座エリアからの成田空港格安バスは900円~1,000円程度なので、ほぼ同水準の設定です。
インバウンド向けに提供しているWILLER EXPRESS全路線が乗り放題の「JAPAN BUS PASS」の利用対象にもなります。このほか、芝山町地域住民のために回数券等の導入を検討中とのことです。
大崎駅西口バスターミナルとは
東京側の出発地となる大崎駅西口バスターミナルは、2015年12月にオープンしたばかりの新しい発着場です。新しい都市観光インフラの拠点として品川区が整備してきたもので、JR大崎駅南口から徒歩2分の利便性の高さが売り物です。
オープン時からウィラーがターミナルとしており、現在は大阪、名古屋、金沢、長野、新潟、仙台への高速バス路線を展開。今回、それに成田空港路線が加わることになります。
大崎駅へは、山手線、湘南新宿ライン、埼京線、りんかい線が乗り入れています。成田空港アクセスとして使う場合、東京西南部や川崎・横浜方面からの利用者には利便性があるでしょう。
海外旅行へ行く場合は荷物が多いですから、混雑する東京駅を避けて空港バスに乗れるのはメリットです。大崎駅から徒歩2分の近さもうれしいところです。
やっと山手線西側にも格安バスが
首都高速都心環状線を経由するため、定刻運転に若干の不安はあります。ただ、中央環状線の開業後、都心環状線の混雑は緩和されてきましたので、深刻な渋滞に巻き込まれることは多くないとみられます。
これまで東京駅・銀座エリアに限定されていた成田空港への格安バスが、やっと山手線西側にも登場しました。大崎駅には私鉄や地下鉄が乗り入れておらず、その点では微妙な立地ですが、新しいバスターミナルが格安空港アクセスに加わることは嬉しい限りです。
大崎駅西口バスターミナルはコンパクトで使いやすいですし、積極的に利用してみてはいかがでしょうか。(鎌倉淳)