新型コロナ禍が落ち着いた状況のなか、鉄道各社は全線乗り放題など期間限定のフリーきっぷを相次いで発売しています。狙い目のきっぷをまとめてみました。
JR西日本 どこでもきっぷ
各社から発売されている期間限定フリーきっぷのなかでも、最も注目を集めているのが「JR西日本どこでもきっぷ」でしょう。文字通り、JR西日本全線が乗り放題となる夢のフリーきっぷです。
2日間用と3日間用があり、JR西日本全線が新幹線・特急も含めて自由席なら乗り降り自由で、指定席も6回まで利用できます。1人利用も可能です。
■発売期間
2日間用:2021年10月8日~12月18日
3日間用:2021年10月8日~12月17日
※購入は出発日1か月前から7日前まで。
■利用期間
2021年10月15日~2021年12月26日
※2日間用は12月25日出発分まで、3日間用は12月24日出発分まで発売。
■価格
2日間用:おとな18,000円 こども9,000円
3日間用:おとな22,000円 こども11,000円
※2日間用は旅行会社のみ発売。
■発売箇所
JR西日本のインターネット列車予約「e5489」か、JR西日本・JR九州(福岡県・佐賀県内)管内の主な旅行会社で発売。駅のみどりの窓口では発売しません。上越妙高駅や亀山駅など、JR西日本以外の駅ではきっぷを受け取れません。
7日前までの発売ですが、e5489で購入可能なので、JR西日本エリア外からも利用しやすいでしょう。
JR西日本 関西どこでもきっぷ
関西エリアのJR西日本線が乗り放題になる「JR西日本 関西どこでもきっぷ」も発売しています。枠組みは「JR西日本どこでもきっぷ」と同じですが、こちらは2日間用のみで、関西エリアのJR西日本線が新幹線・特急も含めて乗り放題になります。1人利用も可能です。
■発売期間
2021年10月8日~12月18日
※購入は出発日1か月前から7日前まで。
■利用期間
2021年10月15日~2021年12月26日
■価格
・おとな10,000円 こども5,000円
■発売箇所
JR西日本のインターネット列車予約「e5489」か、JR西日本・JR九州(福岡県・佐賀県内)管内の主な旅行会社で発売。駅のみどりの窓口では発売しません。上越妙高駅や亀山駅など、JR西日本以外の駅ではきっぷを受け取れません。
「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」
破格値で注目を浴びているのが、「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」。JR北海道の在来線が全線乗り放題で、6日間12,000円です。1日あたりなら「青春18きっぷ」より安い値段で、道内特急の普通車自由席が乗り放題。普通車指定席も期間中4回まで利用可能です。
■発売期間
2021年11月5日~2022年2月28日
※補助金上限に達したら発売終了。
■利用期間
2021年11月6日~2022年3月31日
※有効期間開始日の1ヶ月前より前日まで発売。
■価格
12,000円(子ども用はなし)
※発売額は24,000円で、うち50%の12,000円は北海道の補助金。
■発売箇所
JR北海道の主な駅の指定席券売機、話せる券売機、みどりの窓口。
「HOKKAIDO LOVE!6日間周遊パス」は、北海道の補助金を活用しているため、補助金の上限に達した場合は、発売期間中でも発売を終了します。発売終了時期は見通せませんが、利用を検討している方は年内購入をおすすめします。
道外では発売されず、前日までに購入する必要があるので、道外客は利用日の前日までに北海道に入る必要があります。そのため、道外客にはやや使いにくいでしょう。
四国DC満喫きっぷ
お得さなら「四国DC満喫きっぷ」も負けていません。土日祝日を含む連続した3日間で、JR四国や土佐くろしお鉄道の特急普通車自由席が乗り放題になります。価格は紙のチケットが1万円。デジタルチケットなら9,000円です。1日あたり3,000円です。
利用当日にも購入できること、デジタルチケットでどこでも購入できることなど、購入時の利便性が高いのも特徴です。
■発売期間
2021年9月22日~12月26日
■利用期間
2021年10月1日~12月28日(土日祝日を 1 日以上含む連続する3日間)
■価格
大人10,000 円(紙のきっぷ)、9,000 円(しこくるり・setowaデジタルチケット)、小児は一律3,000円。
※小児は大人と同一行程の場合のみ発売。
■発売箇所
紙のきっぷはJR四国の駅の窓口、みどりの券売機プラス、ワープ支店、駅ワーププラザ、土佐くろしお鉄道の中村駅、宿毛駅、安芸駅。デジタルチケットは、旅アプリ「しこくるり」または、せとうち観光ナビ「setowa」
なお、京阪神発着で、四国内の乗り放題がついた「四国くるりきっぷ」も発売されています。
みんなの九州きっぷ
JR九州の乗り放題きっぷが「みんなの九州きっぷ」。2020年に発売されたきっぷの再発売です。九州新幹線や在来線特急の普通車自由席を含め、JR九州が2日間乗り降り自由。普通車指定席も6回まで利用できます。
価格は全九州版が15,000円、北部九州版が8,000円です。お得さでは四国や北海道には及ばないものの、新幹線に乗り放題でこの価格は破格でしょう。
■利用期間
2021年10月9日~2021年12月26日の連続する土休日
■発売期間
2021年10月6日~2021年12月22日
※1ヶ月前~3日前まで発売
■価格
全九州版 おとな15,000円 こども2,000円
北部九州版 おとな8,000円、こども1,000円
■発売箇所
JR九州インターネット列車予約での限定発売。
「みんなの九州きっぷ」はネット限定発売です。3日前までに決済しなければなりませんが、遠方で購入し、当日(土曜日)にJR九州エリアで受け取ることは可能なので、エリア外客も利用しやすいでしょう。
近鉄全線3日間フリーきっぷ
民鉄最大の路線網を有する近鉄は「近鉄全線3日間フリーきっぷ」を発売。近鉄電車が連続3日間乗り放題になるというフリーきっぷです。特急に乗車する際は、別途特急券を購入する必要があります。
■利用期間
2021年10月8日~2022年3月31日
■発売期間
2021年10月4日~2021年3月28日
※利用日前日まで発売。
■価格
大人3,000円、小児1,500円。
■発売箇所
近鉄主要駅の窓口、定期券・特急券自動発売機、近鉄ホームぺージからのインターネット通信販売、近畿日本ツーリストグループの主要支店・営業所
乗車開始日の1カ月前から前日まで購入でき、購入する際は乗車開始日を指定する必要があります。インターネット販売は5日前までです。
近鉄1dayおでかけきっぷ
「近鉄1dayおでかけきっぷ」は、大阪・奈良・京都版(三本松以西)と愛知・三重版(赤目口以東)があり、それぞれのエリアの近鉄電車が1日乗り放題となります。特急に乗車する際は、別途特急券を購入する必要があります。
■利用期間
2021年10月8日~12月30日の1日間
■発売期間
2021年10月4日~12月29日
※利用開始前日まで発売
■価格
▽大阪・奈良・京都版:大人1,000円、小児500円
▽愛知・三重版:大人1,500円、小児750円
■発売箇所
各エリアの近鉄主要駅の窓口、定期券・特急券自動発売機
「近鉄1dayおでかけきっぷ」は、前日まで発売、近鉄駅のみ取扱いなので、沿線住民向けのきっぷです。沿線のお出かけにはお得度が高いでしょう。
SEIBU 1 Day Pass + Nagatoro
西武鉄道全線(多摩川線除く)と秩父鉄道の三峰口駅~野上駅間が1日乗り放題となるきっぷ。訪日外国人向けの企画乗車券ですが、この秋限定で日本人向けに一般発売しています。
■利用期間・発売期間
2021年10月1日~2021年11月30日
■価格
大人1,500円 小児750円
■発売箇所
インターネット専用販売(Webket)。利用の際は池袋駅東口の西武ツーリストインフォメーションセンター池袋で乗車券と引き換える必要があります。
西武鉄道のほぼ全線と、秩父鉄道の野上(長瀞)以南に乗車できます。秩父鉄道沿線への日帰り観光には便利そうです。
旅程には一工夫を
新型コロナウイルス感染症の感染状況がいつまで落ち着いているかは見通せませんが、現状程度にとどまるのであれば、この秋はお出かけの絶好のチャンスです。そこへお得なフリーパスが発売されたので、該当エリアでは旅行者が急増しているようです。
輸送力が低いローカル線では、乗り放題きっぷを手にした旅行者が殺到し、週末などは結構な混雑になることもあるようです。満員のローカル線に立って乗るほどつまらないこともないでしょうから、混雑を避けられるよう旅程には一工夫が必要になりそうです。(鎌倉淳)