「のんびりホリデーSuicaパス」が登場。「休日おでかけパス」より50円安いけど

JR東日本が、ICカード「Suica」でのフリーきっぷの発売を開始します。Suica専用のフリーきっぷ「のんびりホリデーSuicaパス」も登場し、「休日おでかけパス」より50円安い価格設定です。

広告

Suicaで使えるフリーきっぷ

JR東日本が、Suicaで利用できるIC企画乗車券として設定するのは、磁気券で発売されてきた「都区内パス」「ヨコハマ・みなとみらいパス」「鎌倉・江ノ島パス」と、新規設定の「のんびりホリデーSuicaパス」です。発売開始は、いずれも2019年9月1日です。

「都区内パス」「ヨコハマ・みなとみらいパス」「鎌倉・江ノ島パス」は、磁気券と同内容のフリーきっぷを、Suicaなどで発売します。磁気券のフリーきっぷでは、通過できる自動改札機が限られるなどの不便がありましたが、Suica利用のフリーきっぷでは、そうした不便が解消されます。

「のんびりホリデーSuicaパス」とは

新設される「のんびりホリデーSuicaパス」は、IC乗車券専用のフリーきっぷです。主に土休日のみ利用可能で、フリーエリアは磁気券「休日おでかけパス」とほぼ同じです。「休日おでかけパス」のSuica対応版、と考えればいいでしょう。

■「のんびりホリデーSuicaパス」
発売期間 2019年9月1日~2020年3月31日
利用期間 2019年9月1日以降の土休日及び、12月29日~1月3日
有効期間 1 日
発売額 大人2,620円、小児1,310円
※磁気での発売はなし(IC 専用企画乗車券)
フリーエリア 下図

のんびりホリデーSuicaパス
画像:JR東日本プレスリリース

■「休日おでかけパス」
発売期間 通年
有効期間 1日間
利用期間 土休日及び、4月29日~5月5日、7月20日~8月31日、12月29日~1月3日
発売額 大人2,670円、小児1,330円
※Suicaでの発売はなし(磁気券専用)
フリーエリア 下図

休日お出かけパス
画像:JR東日本

「休日おでかけパス」との違い

「のんびりホリデーSuicaパス」の「休日おでかけパス」との相違点は、東北・上越新幹線と、久留里線木更津~上総亀山間が、フリーエリア外になっていることです。

「休日おでかけパス」は別途特急料金を払えば東北・上越新幹線に乗車できますが、「のんびりホリデーSuicaパス」は、別途料金を支払っても新幹線に乗れません。

新幹線の自動改札機が、IC企画乗車券に対応できないというのが、新幹線がフリーエリア外になった理由とみられます。久留里線がエリア外になったのも、同線がSuicaエリア外だから、という理由でしょう。

広告

「のんびり」の意味

要するに、「都区内パス」などは、フリーエリアなどの基本仕様を変更せずにIC乗車券対応できたのですが、「休日おでかけパス」は、技術的な問題で全く同じにはできなかったわけです。

結果として、「のんびりホリデーSuicaパス」という、似て非なるIC専用企画乗車券を設定することになったようです。

「のんびり」というのは、新幹線が使えない、という意味なのかもしれません。

50円安い理由

「のんびりホリデーSuicaパス」の価格は、大人2,620円、小児1,310円 で、「休日お出かけパス」よりも大人50円、小児20円安くなっています。

新幹線と久留里線に乗れない対価が「大人50円」という理屈です。それが高いのか安いのかは、なんともいえません。

栃木や群馬エリアの利用者から見れば、新幹線が使えないのであれば、利用価値は低くなります。神奈川県エリアの利用者にとっては、わずかですがおトクになります。

千葉県エリアの利用者は、久留里線を使うかどうか、という話になります。使わないなら、「のんびりホリデーSuicaパス」がおトクです。

広告
前の記事「水素で走る電車」は実用化できるか。JR東日本が試作車を製作
次の記事丸ノ内線で新宿方面から方南町への直通運転を開始。日中20分間隔