成田空港のLCC専用ターミナルが拡張されます。旅客数のキャパシティを年間750万人から1,500万人に倍増。となると、成田発着の格安航空会社LCCの運航本数も、今後さらに増えていきそうです。
すでにパンク状態
成田国際空港会社(NAA)によりますと、同空港のLCC専用ターミナルである第3旅客ターミナルを2021年度内をメドに拡張します。隣接する約1万平米の貨物施設を撤去した跡地に増築。これにより、対応可能な年間旅客数が、現状の750万人から1,500万人に倍増します。
成田空港第3ターミナルは、2015年4月にオープンしたもので、簡素な設備とし建設費を抑え、旅客が支払う施設使用料が、第1、第2ターミナルより大幅に安く設定されています。
新設からまだ3年ほどしか経っていませんが、2017年度には764万人が利用し、年間取扱能力の750万人をすでに上回っています。つまり、すでにパンク状態なわけで、早くも増築に踏み切ります。
第5貨物ビルを全面撤去
現状の第3ターミナルは、第5貨物ビルだった場所に建設されたものです。約2万平米あった第5貨物ビルのうち半分を取り壊してLCCターミナルとし、残りの1万平米を第5貨物ビルとして存続してきました。
今回、第3ターミナルにする土地は、その残り部分で、結局、第5貨物ビルの敷地を全面的にLCC向けの旅客ターミナルに用途変更することになります。
現在の第5貨物ビルにはJALが入居していますが、NAAが2019年度中に代替施設を第3貨物ターミナル近くに整備します。JALがそちらに移転した後に、第5貨物ビルの撤去を開始し、第3ターミナルが拡張されるということです。
沖止め利用が中心か
拡張部分の第3ターミナルの正面には、すでに搭乗施設が設置されています。そのため、拡張部分に新たにボーディングブリッジを設けることはできません。そこで、拡張部分のゲートからは、バスを使って沖止めの飛行機に搭乗する形になるようです。
成田空港にLCCが本格的に乗り入れるようになって6年が経ちました。LCCのおかげで、成田空港の国内線の利便性は大きく上がっています。今後、LCCターミナルの拡張でさらにLCC便数が増えるのは間違いなく、現状よりさらに倍増するかもしれません。利用者にとっては大歓迎です。(鎌倉淳)