「最後の国鉄連絡船」が引退へ。JR西日本宮島航路「ななうら丸」の新船建造が決定、2016年11月に置き換え

国鉄時代に投入された鉄道連絡船がついに引退します。JR西日本は、宮島航路に唯一残る国鉄から継承した船舶「ななうら丸」の置き換えを決めました。2016年11月に新船が就航し、現在の「ななうら丸」は引退します。

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国鉄最後の「鉄道連絡船」

宮島航路は、JR西日本宮島フェリー株式会社が現在運航している宮島口~宮島間の航路です。現在3隻の船舶が就航していますが、そのうちもっとも古いのが「ななうら丸」で、国鉄分割民営化直前の1987年2月に就航しました。国鉄が建造した最後の鉄道連絡船です。

就航以来すでに28年が経過し、さすがに老朽化が目立つようになってきたため、JR西日本が船体の置き換えを決めました。新造船は船首と船尾が同じ形の両頭船で、操縦装置やプロペラも前後両方に備えます。これにより宮島航路3隻が全て両頭船になります。

ななうら丸現ななうら丸(写真:JR西日本ホームページより)

旅客定員は2割増

新造船の諸元は全長37.5m、全幅10.0m、総トン数275トン。船室で総定員は最大800名。車両も6台まで積載可能です。

現在の「ななうら丸」は全長、31.0m、全幅8.5m、総トン数196トン、最大定員675名、車両最大積載数が13台です。したがって、新造船はトン数で4割も大型化したうえで、車両積載数は削減し、旅客の定員を約2割増やしています。旅客定員800人は3隻共通となります。

新ななうら丸
新ななうら丸
新ななうら丸

JRによると、新「ななうら丸」は「快適性と豪華性」が向上したとのこと。たしかに、写真を見ると快適そうですね。

ということで、新型船は楽しみですが、国鉄時代を知る最後の鉄道連絡船の引退は、ちょっと残念です。

現在の「ななうら丸」が運航されるのは2016年10月下旬頃までです。宮島航路は青春18きっぷで利用できますし、この夏出かけてみてはいかがでしょうか。

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