「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを探り、検証する記事です。ここでは「2区」を検討します。
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「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」の正解ルートを検証する
白河の歩きは避けられなかったか
「ローカル路線バス乗り継ぎの旅8時間SP」のルート検証、話は「2区」に進みます。
2日目夜にバトンが渡され、3日目からが「2区」となり、髙木チームの出番です。3日目のメンバーは、髙木菜那、佐々木彩夏、川村エミコでした。
3日目の乗り継ぎを振り返ってみましょう。
▽3日目
黒磯駅西口07:54→08:44追分→徒歩10.5km→実業高校前12:03→12:13新白河駅東口12:35→13:28石川駅前13:55→14:55小野駅前16:00→17:10郡山駅前18:05→19:04本宮駅西口→徒歩10.2km→二本松駅
髙木チームは黒磯駅を07時54分のバスで出発。追分から歩いて白河の関にいたり、バス停を見つけます。しかし、夕方まで便がないことを知り、諦めて実業高校前まで歩きました。
追分から実業高校前までの距離は、10kmあまり。スタート早々、過酷な道のりです。
他にルートはなかったのか、と考えてしまいますが、調べた限り、この区間を乗り切る別ルートは見当たりません。すなわち、この10kmは歩かなければならない設定だったといえます。
白河からの別ルート
実際ルートに戻ります。髙木チーム一行は、新白河駅で石川方面のバスに乗り継ぎ、小野駅を経て、郡山に17時すぎに到着しました
この区間に関しては、白河をあと1本遅い便で出ても、次のような乗り継ぎが用意されていました。
▽3日目(上蓬田ルート)
実業高校前13:24→13:46白河駅前14:30→15:13石川駅前16:10→16:45上蓬田16:50→17:50郡山駅前
石川から上蓬田を経て、郡山に抜けるルートです。ただ、実際ルートの乗り継ぎに間に合うのなら、とくに上蓬田経由の乗り継ぎを使う必要はありません。
郡山駅での決断
実際ルートに戻ります。髙木チームは17時すぎに郡山駅に到着後、情報収集をして、本宮までのバスがあることと、その先、二本松までは歩かなければならないことを確認します。
もう夕方でしたし、ホテルの多い郡山で宿泊する判断もあり得たでしょう。しかし、郡山を18時05分に出るバスに乗り、その日のうちに二本松を目指すことを決断。本宮駅から10kmあまりを歩き、22時ごろに二本松駅に到着しました。
その結果、4日目に、二本松駅入口を7時台に出発する始発バスに乗ることができました。その効果については、後で説明しましょう。
郡山駅に泊まっていたら
つづく4日目の乗り継ぎを振り返ります。メンバーは、川村に代わり高島礼子が加わりました。
▽4日目
二本松駅入口07:13→08:23福島駅東口08:55→09:45藤田北→徒歩6.1km→越河清水→明神下12:59→13:28白石駅前→亘理町15:36→15:58蔵王町役場前17:32→17:52村田町役場前→徒歩0.5km→中学校前18:06→18:22川崎役場前/かわさきまち18:40→19:48仙台駅前20:30→22:50新庄駅前
この乗り継ぎは、二本松駅入口を始発便で出発した結果として、成し遂げたものです。では、仮に、3日目に郡山で泊まっていたら、どうなっていたでしょうか。
このような乗り継ぎになります。
▽4日目(郡山に宿泊した場合)
郡山駅前07:30→08:19本宮駅西口→徒歩9.8km→若宮二丁目10:20→(二本松駅入口10:23)→11:28福島駅東口12:35→13:24国見役場→徒歩5.9km→越河清水14:56→15:25白石駅前15:33→15:58蔵王町役場前17:32→17:52村田町役場前→徒歩0.5km→中学校前18:06→18:22川崎役場前/かわさきまち18:40→19:48仙台駅前20:30→22:50新庄駅前
郡山駅を07時30分のバスで出発し、本宮駅から二本松市内まで約10kmを歩きます。二本松市内では、若宮二丁目のバス停から乗れれば、少し歩く距離を減らせます。
その後、福島駅で乗り換え、国見役場(実際ルートでは藤田北)で降車し、越河清水まで歩き、白石駅に至るという経路は同じです。白石駅に定刻で到着すれば、白石駅から蔵王町役場へのバスで実際ルートに追いつけます。
つまり、3日目夜に無理に歩かず、郡山に宿泊していても、白石で実際ルートに収斂するわけです。
二本松行軍に意味はあったか
ただ、郡山宿泊の場合、白石駅での乗り継ぎ時間が8分しかなく、情報収集がほとんどできません。バスが遅れたり、情報収集に手間取れば、白石駅15時33分発の蔵王町役場へ向かうバスに乗り遅れるかもしれません。
すると、3日目に仙台まで到着できなくなり、蔵王町で泊まることになります。
▽4日目(白石駅で乗り継げなかった場合)
白石駅前17:37→18:02蔵王町役場前
▽5日目(白石駅で乗り継げなかった場合)
蔵王町役場前06:35→06:55村田町役場前/中学校前07:46→08:02川崎役場前08:40→10:00仙台駅前
蔵王町には遠刈田温泉があり、宿まるところには困りません。しかし、4日目が蔵王町泊になると、ここで「2区」は終わりとなり、前半戦が終了してしまいます。新庄はおろか、仙台までにも到達できていません。
当然、5日目朝に、新庄駅の案内所で聞き込むこともできませんし、仙台駅から北上することもできません。大きな遅延になっていたでしょう。
まとめると、郡山に泊まっていても、実際ルートに追いつくことは可能でした。しかし、泊まらずに、二本松まで歩いたことで、4日目に仙台、ひいては新庄まで到達できる可能性を高めたことになります。その点で、二本松への深夜行軍には意味があったといえそうです。
4日目に新庄到達
実際ルートに戻ります。髙木チームは、村田、川崎での難しい乗り継ぎをこなし、仙台駅に20時ごろに到着しました。そこで、新庄へ向かう特急バスの存在を知ります。
バス旅ファンにはおなじみの、「48ライナー」です。髙木はさんざん逡巡した結果、最終的に48ライナーに乗車し、新庄に達しました。
ここで48ライナーに乗車しなかった場合、古川から岩手県方面に北上することになります。その場合の乗り継ぎが気になりますが、長い説明になるので、後述します。
髙木チームが新庄駅に到達したのは、4日目の23時頃でした。現実的に取りうる乗り継ぎとして、これ以上先に進むのは難しかったでしょう。
つまり、1区の太川チームと、2区の髙木チームは、それぞれベストを尽くして、ミッションをコンプリートしたことになります。
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