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スキーリフト券「1万円の壁」突破へ。全国主要スキー場価格調査2026

スキー場も二極化へ

全国の主要スキー場でリフト券の値上げが続いています。2026年シーズンのリフト券価格は、前年度に比べ平均で約8%の値上げとなりました。一部のスキー場では、大人1日券が1万円以上になっており、「1万円の壁」を突破しつつあります。

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主要スキー場平均7,237円

2025-2026年のスノーシーズンに突入しました。全国のスキー場が発表したリフト券価格を当サイトが調査したところ、全国主要スキー場64カ所(一部で共通リフト券との二重計上を含む)の大人1日券の平均価格は7,327円で、前年の6,811円から約8%値上がりしました。

リフト1日券が1万円を超えるスキー場もあり、9,000円台のスキー場も急増しています。スキー場リフト券が「1万円の壁」を突破し始めていることが明らかになりました。

八方尾根スキー場

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2025/26リフト券価格比較

2026年シーズンの主要スキー場リフト券価格調査の結果は下表の通りです。対前年比として、2025年シーズンの価格も掲載しました。曜日により価格が異なる場合は、連休以外の通常の週末(土曜日)の価格を掲載しています。

なお、この調査は全国約400カ所のスキー場のうち、遠方から観光客が訪れる規模のスキー場を抽出し、大人1日券の窓口価格を調べています。ローカルゲレンデなど小規模スキー場は調査対象に含まれていません。

※表の無断転載を禁じます。

2026/25リフト券価格比較(大人1日券窓口価格:円)
スキー場名 2026年 2025年 値上率
富良野 8,000 7,500 7%
トマム 8,000 7,500 7%
ニセコ全山 12,000 10,500 14%
ニセコヒラフ花園 11,000 9,500 16%
ニセコビレッジ 9,700 8,800 10%
ニセコアンヌプリ 7,000 7,000 0%
ルスツ 16,200 14,500 12%
カムイ 5,300 5,300 0%
サホロ 8,800 8,000 10%
札幌国際 6,000 5,800 3%
テイネ 9,000 7,900 14%
キロロ 8,800 8,000 10%
夏油高原 6,800 6,400 6%
雫石 6,500 6,100 7%
安比高原 9,500 7,500 27%
蔵王温泉 8,000 7,500 7%
ネコマ 6,300 5,700 11%
猪苗代 6,600 5,600 18%
会津高原たかつえ 6,000 5,500 9%
ハンターマウンテン 6,500 6,000 8%
たんばら 6,000 5,500 9%
万座温泉 3,000 3,000 0%
Mt.Naeba 9,800 9,000 9%
苗場 7,800 7,200 8%
かぐら 7,500 7,200 4%
岩原/上越国際 5,500 5,500 0%
神立 6,500 5,900 10%
GALA湯沢 7,300 6,800 7%
川場 6,800 6,200 10%
尾瀬岩鞍 6,500 6,000 8%
丸沼高原 6,300 6,000 5%
軽井沢プリンス 10,000 8,800 14%
パラダ 5,900 5,600 5%
湯の丸 5,400 5,000 8%
菅平高原 6,400 5,700 12%
志賀高原 9,000 8,000 13%
志賀高原焼額山 8,000 7,500 7%
竜王 5,800 5,500 5%
野沢温泉 7,500 7,300 3%
戸隠 6,800 6,500 5%
ロマンスの神様 5,700 5,200 10%
斑尾高原 8,100 7,700 5%
斑尾/タングラム 8,500 8,000 6%
赤倉観光 7,000 6,500 8%
妙高杉の原 8,000 7,000 14%
アライ 7,500 7,500 0%
白馬岩岳 7,000 6,500 8%
白馬五竜・47 9,500 8,500 12%
白馬八方尾根 8,700 8,000 9%
白馬栂池 8,200 7,500 9%
Hakuba Valley 10,400 9,700 7%
車山高原 5,500 6,000 -8%
白樺高原/2in1 5,800 5,800 0%
ブランシュたかやま 5,700 5,500 4%
開田高原 5,200 5,200 0%
高鷲/ダイナランド 6,000 5,900 2%
めいほう 6,000 5,800 3%
鷲ヶ岳/ホワイトピア 6,000 5,900 2%
ウイングヒルズ 5,900 5,700 4%
スキージャム勝山 6,000 5,800 3%
奥伊吹 6,300 5,900 7%
びわ湖バレイ 6,800 6,500 5%
ハチ・ハチ北 5,500 5,500 0%
だいせん 5,800 5,500 5%
平均 7,327 6,811 8%

※平日、土休日、特定日(連休、年末年始)の価格が異なる場合、土休日価格を掲載。

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ルスツは1.6万円に

調査した主要スキー場でもっともリフト券価格が高額なのはルスツリゾートです。

今シーズンの価格は16,200円で、前シーズンの14,500円から12%の値上げとなっています。ルスツはコロナ禍以降、急ピッチでリフト券価格を上げていて、2022年の6,500円から、わずか4年で約2.5倍になっています。

近年の急激な上げ幅を考えると、今年の12%値上げは小さめです。さすがのルスツも値上げのペースを緩めてきたようですが、それでも平均以上の値上げ率となっています。

ただし、ルスツはオンライン購入の価格は12,000円に抑えていて、窓口販売より26%も割り引いています。したがって、オンライン誘導目的の値付けと捉えることもできるでしょう。ただ、オンラインの12,000円でも、全国首位に変わりはありません。

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ニセコも1万円突破

ルスツのほかに1万円を超えたのは、ニセコヒラフ・花園の11,000円、ニセコ全山共通券の12,000円、軽井沢プリンスの10,000円です。

ニセコはビレッジも9,700円と1万円に迫っています。一方、アンヌプリは7,000円にとどめ、前年価格から据え置きました。アンヌプリはニセコのなかでは規模が小さいですが、全山券より5,000円も低価格というのはうれしいところでしょう。

北海道の他のスキー場では、テイネが9,000円台に、富良野、トマム、サホロが8,000円に乗りました。インバウンドが集中する北海道の大型スキー場は、どこも強気の価格設定で、1~2年後には「リフト券1万円」が相場として定着しそうです。

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プリンス系も値上げ相次ぐ

軽井沢プリンスは8,800円から10,000円へと14%も値を上げて、1万円台に乗せました。これは通常の週末価格ですが、2月の週末は連休以外でも特異日扱いにしており、11,000円とさらに高くなっています。

プリンス系では、Mt.Naeba(苗場・かぐら共通)も9,800円で、1万円突破が目前です。苗場単体では7,800円と抑えめですが、近年の苗場は休止リフトも多いので、考慮した値付けにとどめているのでしょうか。

万座温泉は3,000円と据え置きです。昨シーズンに発生したリフトのケーブル盗難による営業縮小が、今シーズンも続いているためです。

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白馬共通券も1万円突破

エリア共通券では、白馬バレイ(Hakuba Valley) が10,400円となり、1万円を突破しました。白馬エリアの単独券では、白馬五竜・47が9,500円で、前年の8,500円から12%のアップとなりました。1万円直前です。

白馬エリアのその他のスキー場も、インバウンド人気のためか、強気の価格が目立ちます。八方尾根が8,700円、栂池が8,200円で、こちらも2~3年後には1万円台に突入しそうです。

他エリアで値上げが目立つのは安比高原です。7,500円から9,500円へ27%もアップし、1万円突破を目前にしました。安比は2023年のリフト券が5500円でしたので、3年で70%も高くなっています。

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西日本は6,000円が相場

西日本は比較的リフト券価格が落ち着いていて、6,000円前後の価格帯が主流です。京阪神からのアクセスに優れるびわ湖バレイが6,800円とお高めですが、それでも6,000円台には抑えています。

近年積極的に設備投資をしている奥伊吹も6,300円で、西日本の相場の範囲内です。

西日本のスキー場も値上げは続いていますが、値上げ幅はおおむね5%以内で、北海道や長野エリアに比べると穏やかです。西日本のスキー場は北海道や長野に比べるとインバウンドの恩恵が小さく、日本人をターゲットの中心に据えた価格に設定せざるを得ないため、値上げ率も控えめになるのでしょうか。

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4年で2,000円高く

調査した64スキー場のリフト1日券の平均価格は、7,237円でした。前年同スキー場の6,811円から426円高くなっています。

調査対象に小規模ローカルスキー場を含みませんので、「全スキー場の平均」とは異なります。あくまでも、大型スキー場の平均です。直近5シーズンの推移を取ると、以下のようになります。

2026シーズン=7,237円
2025シーズン=6,811円
2024シーズン=6,240円
2023シーズン=5,626円
2022シーズン=5,241円

4年前に5,200円程度だった大型スキー場のリフト1日券が、今シーズンは7,200円程度になったわけです。4年間でリフト券の相場が2,000円も高くなったことになります。

ただ、一律に上がったわけではなく、インバウンドが多いゲレンデはどんどん価格が上がり、そうでないゲレンデはリーズナブルな価格で持ちこたえている印象です。スキー場も、インバウンド向けと国内向けで二極化が生じているのかもしれません。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。