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「キュン♥パス」2026年版の研究。JR東日本全線が乗り放題!

旅せよ平日!

JR東日本が「キュン♥パス」を今シーズンも発売します。JR東日本が全線乗り放題で1日10,000円、2日18,000円です。詳細を研究してみましょう。

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バレンタインデーから1ヵ月

「キュン♥パス」の正式名称は、「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」。平日限定でJR東日本全線が新幹線・特急も含めて自由席に乗り放題となるフリーきっぷです。

価格は1日版が10,000円、2日版が18,000円。普通車指定席は、1日版は2回まで、2日版は4回まで利用可能です。

利用期間は2026年2月12日~3月12日の平日。バレンタインデーからホワイトデーまでの1ヶ月という設定です。利用日の14日前までの購入が必要です。

「キュン♥パス」は、2024年に「2月14日~3月14日」で、1日版のみ発売で初登場しました。2025年は、2日版を追加し、利用期間は「2月13日~3月13日」となりました。2026年は「2月12日~3月12日」となり、ほぼ同一時期の設定となっています。

キュン♥パス
画像:JR東日本

 
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「キュンパス」の概要

「旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス」(キュン♥パス)の概要は以下の通りです。

■旅せよ平日!JR東日本たびキュン♥早割パス(キュン♥パス)の概要

【利用期間】
 2026年2月12日~3月12日の平日限定

【発売期間】
 2026年1月12日~2025年2月25日 (1日間用は2月26日)
 ※利用開始日の1ヶ月前から14日前まで発売

【有効期間】
 1日間または2日間

【価格】
 1日間用:大人 10,000円
 2日間用:大人 18,000円
 ※いずれも子ども用の設定なし

【発売方法】
 えきねっと限定発売(窓口販売はなし)

【フリーエリア】
 JR東日本全線、青い森鉄道線、いわて銀河鉄道線、三陸鉄道線、北越急行線、えちごトキめき鉄道線(直江津〜新井間)

【効力】
 普通・快速列車と特急列車など(新幹線を含む)の普通車自由席および BRTが1日間乗り降り自由。あらかじめ座席の指定を受ければ、新幹線・特急列車などの普通車指定席に、1日間用は2回、2日間用は4回、それぞれ乗車可能。

キュン♥パスフリーエリア
画像:JR東日本

 
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えきねっとで予約可能

盛岡~新青森間、盛岡~秋田間、福島~新庄間内の各駅相互発着の場合は、指定席の利用回数に数えることなく普通車の空いている席を利用できます。仙台~盛岡間の途中駅に停車する「はやぶさ」「はやて」「こまち」で、仙台~盛岡間内の各駅を相互に利用する場合も同様です。

座席の指定は、「えきねっと」またはフリーエリア内の指定席券売機等で可能です。「えきねっと」で購入と同時に指定席の申込みもできます。マイページにて、後から指定席の申込みや変更をすることもできます。

定められた回数を超えて、または、あらかじめ座席の指定を受けずに指定席を利用する場合は、運賃のみ有効となり、別に無割引の特急券等が必要です。

「ひたち」「ときわ」「あずさ」「かいじ」「踊り子」「湘南」といった、座席未使用券が適用となる特急列車の普通席を利用する場合は、あらかじめ座席の指定を受ける必要があります。座席の指定を受けない場合、または指定席の交付回数を超えている場合は、運賃のみ有効となり、別に料金が必要です。

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ルール変更なし

以上が「キュン♥パス」の概要です。2025年版と同様の内容で、ルール変更は見当たりません

平日限定で1日1万円乗り放題、2日間なら1割引、というわかりやすい設定です。指定席は1日分につき2回まで利用可能なので、たとえば「はやぶさ」で東北方面へ2日連続で日帰り旅行することも可能です。

発売期間が14日前までという制約もそのままです。払い戻し手数料は660円ですので、「休めるかどうかわからないけれど、とりあえず買ってしまった」場合でも、傷は浅いでしょう。

なお、有効期間開始日の変更は、有効期間内で未使用の場合に限り、変更先の有効期間開始日の14日前まで1回のみ取り扱います。有効期間前半分なら、後半の時期に変更することは可能です。

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東京~仙台片道で元が取れる

東京~仙台の「やまびこ」正規運賃・料金は、自由席で10,560円です。東京~新潟の「とき」は10,230円です。つまり、東京~仙台・新潟を片道乗るだけで元が取れるきっぷです。その意味では「キュン♥パス」は破格でしょう。

現実には、14日前までなら「お先にトクだ値」がもっと安く購入できますので、必ずしも「キュン♥パス」がおトクではありません。

しかし、お先にトクだ値は売り切れやすいですが、「キュン♥パス」には発売枚数の制限はありません。「仙台や新潟へ行くだけで元が取れる」と考えれば、気軽に購入できるのではないでしょうか。

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首都圏特急には向かない

利用しづらいのは首都圏発着の在来線特急です。「あずさ」「ひたち」など、首都圏の在来線特急の多くは全車指定席なので、キュンパスの「乗り放題」は封じられ、1日につき3回目以降の乗車は指定席特急料金が必要になります。

つまり、首都圏の特急には乗り放題ではないので、首都圏の在来線特急を利用するだけで、1日1万円の元を取るのは難しいでしょう。東北地方の列車を、新在取り混ぜて乗りまくるのに適したきっぷといえそうです。

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学生にもシニアにも

2月から3月にかけての平日設定ということで、「キュン♥パス」のメインターゲットは大学生でしょう。手頃な卒業旅行にも向いているきっぷです。

年齢は問わないきっぷなので、もちろん、シニアも活用できます。少し前に日程を固めて、出かけてみるのもよさそうです。(鎌倉淳)

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旅行総合研究所タビリス代表。旅行ブロガー。旅に関するテーマ全般を、事業者側ではなく旅行者側の視点で取材。著書に『鉄道未来年表』(河出書房新社)、『大人のための 青春18きっぷ 観光列車の旅』(河出書房新社)、『死ぬまでに一度は行きたい世界の遺跡』(洋泉社)など。雑誌寄稿多数。連載に「テツ旅、バス旅」(観光経済新聞)。テレビ東京「ローカル路線バス乗り継ぎの旅」ルート検証動画にも出演。