京成電鉄が成田空港への「アクセス特急」に新型車両3100形を導入します。座席を折りたたんでスーツケース置き場にできるのが特徴で、2019年秋にデビューします。
成田スカイアクセス線に登場
3100形は、京成が15年ぶりに投入する新型車両で、京成高砂駅との成田空港駅を結ぶ成田スカイアクセス線に導入します。同線には特別料金不要の「アクセス特急」が運転されていて、都心と成田空港を約1時間で結んでいます。3100形は、アクセス特急での運用を考慮された新型車両です。
外観デザインには成田山新勝寺など沿線の名所や飛行機のイラスト描き込み、基調色はオレンジです。オレンジは成田スカイアクセス線の案内カラーで、京成本線と色を変えることで、誤乗を防ぐ目的があります。
車外の行先表示器も大型化し、乗車時に列車種別や行き先がわかりやすくなりました。
座席をたたんでスーツケース置き場に
車内設備の特徴は、スーツケース置き場を多数設けたこと。ロングシートの座席の一部を折りたたんでスーツケースを置けるようにしています。1両に4箇所(先頭車は3箇所)設置しました。
スーツケース置き場を利用した状況では、そのぶん座席数が減る計算です。混雑する私鉄の優等列車の座席減は、利用者としてはつらいところですが、アクセス特急はスーツケースを持ち込む旅行者が多数乗車しているため、やむを得ない、といったところでしょうか。
また、フリースペース・車いすスペースを、全ての中間車両に設けます。先頭車両にも、既存車両と同様の車いすスペースを設けます。車いすやベビーカーの利用者向けですが、アクセス特急の場合は、スーツケースを持った旅行者にも使いやすい空間となりそうです。
フリーWi-Fiも提供
ロングシートは背もたれが高いハイバック仕様。座り心地を改善しています。座席端部の袖仕切りにガラスを採用し、開放感を持たせました。車内空調にはプラズマクラスターイオン発生装置を導入。フリーWi-Fiも提供します。
乗降ドア上の車内案内表示器は、17インチのLCD液晶を2画面ずつ設置しています。停車駅や乗換案内を多言語表示し、旅行者にはありがたい存在となるでしょう。
省エネ面では、SiC-VVVF制御装置を搭載し、既存の3000形に比べ15%の消費電力を削減。その他の機器にも最新技術を導入しています。
3100形は京成電鉄と新京成電鉄が共同で設計した、京成グループの新しい標準車両となります。2019年度は8両編成を2編成、計16両導入し、2020年度以降も継続して導入予定です。(鎌倉淳)