ホーム 鉄道 私鉄

京成アクセス特急、新旧ダイヤ全比較。12/13改正、押上~成田空港最長69分に

「鈍足化」で利用価値低く

京成電鉄2025年12月13日ダイヤ改正で、アクセス特急の日中時間帯列車の所要時間が増加します。押上~成田空港間の所要時間は、最長で69分に達するという「鈍足化」。新旧ダイヤを比較してみましょう。

広告

10~11分の所要時間増

京成電鉄は2025年12月13日ダイヤ改正で、都心と成田空港とを結ぶ「アクセス特急」の時刻を変更します。

公表された時刻表によると、朝夕の新ダイヤはおおむね旧ダイヤと同じですが、日中時間帯で大幅に変更し、多くの列車で所要時間が延びます。

たとえば、押上~成田空港間の日中時間帯の所要時間は、これまで、おおむね下り54分、上り55分でしたが、改正後はそれぞれ64分、66分となり、10~11分も所要時間が延びます。

京成3100系スカイアクセス線

広告

最長69分、最短49分

アクセス特急の平日全ダイヤを確認したところ、押上~成田空港間でもっとも所要時間が長くなるのは、押上駅を11時04分に出る列車です。所要時間は最長の69分となり、旧ダイヤより15分も時間がかかるようになります。

いっぽう、夕方の一部列車では所要時間が短縮されます。押上駅15時09分発と同49分発は所要時間49分となり、旧ダイヤ最速列車の50分(上り列車)より短くなります。

所要時間60分程度の路線で、列車により最大20分も差が出ることになります。

広告

押上~成田空港間ダイヤ比較

京成電鉄アクセス特急の押上~成田空港間の平日ダイヤを新旧で比較した一覧は以下の通りです。左が旧ダイヤ、右が新ダイヤです。

【押上→成田空港】
05:24→06:15(51分)⇒変更なし
06:08→07:11(63分)⇒変更なし
06:39→07:39(60分)⇒変更なし
07:01→07:58(57分)⇒変更なし
07:29→08:32(63分)⇒変更なし
07:57→08:59(62分)⇒変更なし
08:35→09:40(65分)⇒変更なし
09:25→10:32(67分)⇒変更なし
09:46→10:47(61分)⇒変更なし
10:27→11:18(51分)⇒10:27→11:19(52分)
11:04→11:58(54分)⇒11:04→12:13(69分)
11:44→12:38(54分)⇒11:48→12:52(64分)
12:24→13:18(54分)⇒12:29→13:33(64分)
13:04→13:58(54分)⇒13:09→14:13(64分)
13:44→14:38(54分)⇒13:49→14:53(64分)
14:24→15:18(54分)⇒14:29→15:33(64分)
15:04→15:58(54分)⇒15:09→15:58(49分)
15:44→16:38(54分)⇒15:49→16:38(49分)
16:35→17:38(63分)⇒変更なし
17:19→18:19(60分)⇒変更なし
17:57→18:58(61分)⇒変更なし
21:56→22:54(58分)⇒変更なし

広告

【成田空港→押上】
05:41→06:34(53分)⇒変更なし
06:20→07:10(50分)⇒変更なし
07:04→07:59(55分)⇒変更なし
07:44→08:39(55分)⇒変更なし
08:28→09:29(61分)⇒変更なし
08:51→09:47(56分)⇒変更なし
09:21→10:18(57分)⇒変更なし
10:03→10:58(55分)⇒10:03→10:55(52分)
10:39→11:39(60分)⇒10:39→11:37(58分)
11:24→12:19(55分)⇒11:24→12:15(51分)
12:04→12:59(55分)⇒11:48→12:54(66分)
12:44→13:39(55分)⇒12:29→13:35(66分)
13:24→14:19(55分)⇒13:09→14:15(66分)
14:04→14:59(55分)⇒13:49→14:55(66分)
14:44→15:39(55分)⇒14:29→15:35(66分)
15:24→16:14(50分)⇒15:09→16:14(65分)
16:04→16:59(55分)⇒16:04→16:59(55分)
16:44→17:44(60分)⇒変更なし
17:25→18:25(60分)⇒変更なし
18:04→19:05(61分)⇒変更なし
20:05→20:56(51分)⇒変更なし
20:35→21:31(56分)⇒20:34→21:35(61分)
21:09→22:06(57分)⇒変更なし
22:04→23:03(59分)⇒変更なし
23:08→00:04(56分)⇒変更なし
23時08分発は京成高砂で乗り換え

広告

都営直通でも所要時間増

アクセス特急の所要時間増は、京成線内だけでなく、都営地下鉄線内でも生じます。

泉岳寺~成田空港の時刻表をみてみると、日中時間帯の標準的な所要時間は、下りが75分から90分に、上りは76分から92分になります。15~16分程度も所要時間が延びています。

京成線内は10分程度の所要時間増でしたが、都営線に直通すると、さらに5分も所要時間が延びることになります。

広告

泉岳寺~成田空港間ダイヤ比較

アクセス特急の泉岳寺~成田空港間の平日ダイヤを新旧で比較した一覧は以下の通りです。左が旧ダイヤ、右が新ダイヤです。

【泉岳寺→成田空港】
05:00→06:15(75分)⇒変更なし
05:41→07:11(90分)⇒変更なし
06:14→07:39(85分)⇒変更なし
06:35→07:58(83分)⇒変更なし
07:03→08:32(89分)⇒変更なし
07:29→08:59(90分)⇒変更なし
08:08→09:40(92分)⇒変更なし
09:00→10:32(92分)⇒変更なし
09:20→10:47(87分)⇒変更なし
10:06→11:18(72分)⇒10:06→11:19(73分)
10:43→11:58(75分)⇒10:43→12:13(90分)
11:23→12:38(75分)⇒11:22→12:52(90分)
12:03→13:18(75分)⇒12:03→13:33(90分)
12:43→13:58(75分)⇒12:42→14:13(91分)
13:23→14:38(75分)⇒13:23→14:53(90分)
14:03→15:18(75分)⇒14:02→15:33(91分)
14:43→15:58(75分)⇒14:43→15:58(75分)
15:23→16:38(75分)⇒15:22→16:38(76分)
16:10→17:38(88分)⇒変更なし
16:53→18:19(86分)⇒変更なし
17:31→18:58(87分)⇒変更なし
21:31→22:54(83分)⇒変更なし

広告

【成田空港→泉岳寺】
05:41→06:59(78分)⇒変更なし
06:20→07:37(77分)⇒変更なし
07:04→08:26(82分)⇒変更なし
07:44→09:07(83分)⇒変更なし
08:28→09:51(83分)⇒変更なし
08:51→10:12(71分)⇒変更なし
09:21→10:40(69分)⇒変更なし
10:03→11:20(67分)⇒変更なし
10:39→12:00(81分)⇒変更なし
11:24→12:40(76分)⇒11:24→12:41(77分)
12:04→13:20(76分)⇒11:48→13:20(92分)
12:44→14:00(76分)⇒12:29→14:01(92分)
13:24→14:40(76分)⇒13:09→14:40(91分)
14:04→15:20(76分)⇒13:49→15:21(92分)
14:44→16:00(76分)⇒14:29→15:59(90分)
15:24→16:41(77分)⇒15:09→16:41(92分)
16:04→17:25(81分)⇒16:04→17:25(81分)
16:44→18:09(85分)⇒変更なし
17:25→18:51(86分)⇒変更なし
18:04→19:32(88分)⇒変更なし
20:05→21:22(77分)⇒変更なし
20:35→21:58(83分)⇒20:34→22:01(87分)
21:09→22:33(84分)⇒変更なし
22:04→23:29(85分)⇒変更なし
23:08→00:29(81分)⇒変更なし
23時08分発は京成高砂で乗り換え

広告

なぜ所要時間が延びているのか

アクセス特急の日中時間帯の所要時間増の内訳を詳細ダイヤでみてみると、下りは浅草駅で2分程度、押上駅で4分程度、成田湯川駅での8分程度の停車時間が見て取れます。そのほか、成田湯川~空港第二ビル間で12分程度もかかっていて、これまでの7分程度より5分も増えています。

上りは空港第二ビル~成田湯川間で、じつに22分程度もかかっています。これまでは7分程度でしたので、途中の待避施設で15分程度も停車するようです。さらに、押上で3分程度、浅草でも2分程度停車します。

広告

新ライナーの試運転?

成田湯川~成田空港間は単線で、上下ですれ違うために列車交換が必要です。これまでのダイヤは、単線区間での待避時間をなるべく短くするように組まれていたのですが、新ダイヤでは何かのスジを空けるかのように、待避時間が延びています。

その理由は定かではありませんが、押上発着の新ライナー計画があり、新型車両が導入される予定のため、試運転に備えているのかもしれません。

都営線や押上駅での停車駅増は、スカイアクセス線の時刻変更による調整のようにもみえますし、遅延対策として余裕時間を増やしたようにもみえます。

広告

利用価値が低下

新ダイヤでは、アクセス特急の押上~成田空港間の所要時間が60分を切る列車が少なくなります。

インバウンドの利用が増えていることから、最近のアクセス特急は混雑が激しくなっています。そのうえ、これだけ時間がかかるとなると、利用価値の低下は免れません。

これなら京成本線の列車を利用したほうがいいのでは?とも思っていまいますが、本線は日中時間帯に特急が成田空港に乗り入れないので、アクセス特急以上に時間がかかります。成田空港を使う「節約旅行者」には、残念な新ダイヤというほかありません。(鎌倉淳)

広告