JR西日本、JR四国、JR九州のインターネット列車予約サイトで、ウェルネットによる決済が導入されます。これにより、これら3社の列車予約で、コンビニエンスストアや銀行ATM、ネットバンク振り込みが可能になります。JRでコンビニ支払いが可能になるのは初めてのことです。
ウェルネットを導入
JR西日本とJR九州は、2017年春ごろに、それぞれのインターネット列車予約サイト「e5489」と「JR九州インターネット列車予約サービス」で、ウェルネットの「マルチペイメントサービス」と「送金サービス」を導入します。
「マルチペイメントサービス」導入により、e5489とJR九州インターネット列車予約サービスで予約したきっぷは、全国の主要コンビニエンスストア、金融機関での支払いが可能となります。
e5489はJR四国も利用できますので、今回の措置で、JR西日本、JR四国、JR九州の3社エリアで、ネット予約がコンビニ支払いに対応します。ネット予約によるコンビニ支払いや銀行ATM支払いが可能になるのは、JRでは初めてです。
指定席券売機での支払いも可能に
「送金サービス」は、ネットで予約したきっぷのキャンセルを行う際、銀行振込やコンビニエンスストアでの払い戻しができるシステムです。コンビニ・銀行ATM支払いと表裏一体をなす仕組みといえます。
e5489では、インターネットで予約したきっぷを、駅の指定席券売機やみどりの窓口でも支払えるようになります。これはウェルネットのシステムとは関係なく、JR西日本が独自にサービスを開始するようです。
ようやく「他の交通機関並み」に
これまでのJRのインターネットサービスは、どの会社も基本的には「クレジットカードを持っている人」が相手でした。クレジットカードを持たない人、持てない人は利用できない仕組みです。
これに対し、大手航空会社や高速バス会社など他の中長距離の交通機関では、ネット予約でコンビニや銀行ATMでの支払いに対応しているのが一般的です。JR高速バスですらコンビニ支払いができるのに、JR列車では、これまでコンビニ払いができなかったわけです。
今回のJR西日本、JR九州の対応で、ようやくJRでも「他の交通機関並み」の仕組みが整うことになります。
となると、次は、JR東日本とJR北海道の「えきねっと」が追随するかが気になります。コンビニ支払いは、もはや社会インフラに近いので、そう遠くない将来に、えきねっとでもウェルネットが導入されるのではないか、と筆者は推測します。
ネットでの価格比較が見やすく
JR西日本は、e5489を2017年春より順次リニューアルすることも発表しました。
駅で発売している一部の企画きっぷについても取り扱いを開始するとともに、予約画面をリニューアルし、山陽・九州新幹線と北陸新幹線・北陸線では、列車・設備ときっぷの価格を一覧で表示する形になります。
実際に使っていないのでなんともいえませんが、これまでよりも割引きっぷの価格比較が見やすく、操作も容易になりそうです。
JRのネット予約は3陣営に
使いにくいと言われてきたJRのインターネットサービスも、最近はだいぶ改善されました。また、各社ばらばらだったネットサービスも、JR東日本・北海道グループと、JR西日本・四国・九州グループ、そしてJR東海の3陣営に収斂してきた印象があります。
あとは、JR東海がエクスプレス予約を一般開放してくれることを、願いたいところです。特定のクレジットカード会員しか使えない予約システムは、さすがに時代遅れ感が漂うので、そろそろ変わると思うのですが。(鎌倉淳)