「バスVS鉄道 乗り継ぎ対決旅」第17弾 清里~修善寺を分析する。序盤の停滞は避けられたか

昼過ぎて、バスに1本も乗っていない

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」の第17弾が放送されました。太川陽介率いるバスチームと、村井美樹率いる鉄道チームが、山梨県の清里から静岡県の修善寺で競う企画です。勝敗を分析してみました。

以下はネタバレ100%です。また、記事公開後に加筆・修正することがあります。あらかじめご了承ください。(文中敬称略)

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たけうちほのか、ハシヤスメ・アツコが登場

「ローカル路線バスVSローカル鉄道 乗り継ぎ対決旅」は、ローカル路線バスを乗り継ぐチームと、ローカル鉄道を乗り継ぐチームが対決するテレビ番組です。

2023年9月20日に放送された第17弾では、「ルイルイ」こと太川陽介率いるバスチームと、「鬼軍曹」こと村井美樹率いる鉄道チームが、山梨県北杜市の清泉寮から、静岡県伊豆市の修善寺虹の郷まで乗り継ぎ対決しました。

途中のチェックポイントは、イチフル(笛吹市)、富士眺望の湯ゆらり(鳴沢村)、あわしまマリンパーク(沼津市)の3箇所です。

バスチームのメンバーは、太川陽介、たけうちほのか、草薙航基。鉄道チームのメンバーは、村井美樹、ハシヤスメ・アツコ、岡野陽一です。

バスチームが使っていいのはローカル路線バスのみ。鉄道チームが使っていいのはローカル鉄道のみです。ただし、両者とも13,000円までタクシーが利用できます。これまでは10,000円でしたが、今回は「熱中症対策」という名目で3,000円がプラスされました。さらに、チェックポイントに先着するとボーナス1,000円がもらえるというルールも設定されています。

バスVS鉄道対決旅第17弾
Ⓒテレビ東京

ローカル路線バス乗り継ぎ対決旅 バスvs鉄道 第17弾 山梨・清里~静岡・修善寺
【出演】太川陽介、たけうちほのか、草薙航基(宮下草薙)、村井美樹、ハシヤスメ・アツコ、岡野陽一
【放送日】2023年9月20日(水) 18時25分~21時00分(テレビ東京系列)

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バスチームの実際ルート

まずは、ルイルイ率いるバスチームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻をわかる範囲で確認しました。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。☆はチェックポイント、金額は獲得ボーナスです。

▽1日目
清泉寮09:50→徒歩2km→清里駅→タクシー12km、4,740円+徒歩2km→11:14長坂駅13:15→13:47百観音14:18→14:37韮崎駅14:42→15:34甲府駅16:00→16:41下黒駒→徒歩2.9km→イチフル(☆)→徒歩2.9km→下黒駒19:51→20:28河口湖駅→徒歩1.2km→河口湖パークホテル

▽2日目
河口湖パークホテル05:32→徒歩8.1km→ゆらり(☆)→休暇村09:00(遅延09:26)→09:22(遅延09:50頃)河口湖駅10:00→11:15(遅延11:40頃)御殿場駅11:49→タクシー29km、8,080円→12:47沼津駅13:00→13:29マリンパーク(☆1,000円)14:59→15:03オキシーテック前→徒歩0.2km→農業会前15:32→15:44順天堂病院前→タクシー4km、1,140円+徒歩4.5km→17:40頃虹の郷

最終局面では、順天堂病院から虹の郷へショートカットを目指して山道を歩きます。しかし、悪路に手こずり、時間を要したようです。番組で正確なゴール時刻は放送されませんでしたが、鉄道チームより1時間遅れということで、17時40分頃だったようです。

※Googleマップのルートは概略です。実際とは異なります。配信先では表示されない場合があります。

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鉄道チームの実際ルート

つぎに、鬼軍曹率いる鉄道チームが実際に旅したルートをおさらいしてみましょう。時刻表上の定刻を示しています。番組ではっきり示されなかった時刻は筆者による推定で、距離はGoogleマップにより測定しています。

▽1日目
清泉寮09:50→徒歩2km→10:15清里駅12:54→13:17小淵沢駅14:07→14:52石和温泉駅→徒歩6.2km→16:26イチフル(☆1,000円)18:30→徒歩6.2km→19:52山梨市駅19:59→20:34大月駅20:51→21:46河口湖駅→徒歩1.6km→登り坂ホテル

▽2日目
登り坂ホテル06:03→徒歩7.2km→ゆらり(☆1,000円)09:01→タクシー10,820円+徒歩2km、計30.6km→10:19市ノ瀬駅10:23→12:24富士駅12:27→12:52三島駅13:07→13:34田京駅→タクシー6.6km、2,500円→マリンパーク(☆)14:54→徒歩1.9km→内浦交番付近→タクシー4km、1,600円→田方中消防署付近→徒歩0.7km→田京駅15:38→15:50修善寺駅→徒歩3.9km→16:40頃虹の郷

1日目、清里駅10時15分発の列車をギリギリで乗り逃したものの、無理せず次発を待って出発。背景として台風接近があり、翌日の荒天に備えてタクシー代を温存しました。

2日目は身延線が運行していることを確認したうえで、市ノ瀬駅を目指します。第3チェックポイントで先着ボーナスを得られなかったものの、ギリギリ残したタクシー代で最終局面を切り抜け、16時40分頃にゴール。バスチームに約1時間の差をつけて勝利しました。

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バスチームの検証

では、両チームのルートを検証してみましょう。最初はバスチームです。

バスチームで最初に気になるのは、清里駅からの展開です。清里駅には北杜市のコミュニティバスが発着しているものの、早朝の1便のみ。それ以外はデマンド交通です。

そのため、バスチームは最初からタクシーを使って長坂駅に向かいます。しかし、そこでもバスは2時間待ち。百観音、韮崎駅、甲府駅を経て、第1チェックポイント最寄りの下黒駒に着いたのは16時41分でした。

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大和公民館ルート

この序盤の停滞を避ける方法はなかったのでしょうか。

じつは、清里駅から少し南に降りた大和公民館というバス停まで行けば、「明野・須玉おでかけバス」という、北杜市中心部へのバス路線がありました。清里駅での聞き込みで、この路線の情報を得られていれば、以下のように乗り継げました。

▽1日目
清里駅→タクシー12.7km→大和公民館11:50→12:19百観音12:58→13:17韮崎駅14:10→14:53甲府駅15:00→15:41下黒駒→徒歩2.9km→16:20イチフル(☆1,000円)→徒歩2.9km→下黒駒18:51→19:28河口湖駅

大和公民館11時50分発のバスに乗れば、下黒駒に15時41分に到着します。実際ルートよりちょうど1時間先着で、第1チェックポイントの先着ボーナスをギリギリで獲得できていたでしょう。

1日目の河口湖泊まりは変わりませんが、実際よりタクシー代をより多く温存して、2日目を迎えることができたはずです。

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北杜市役所に直行したら

ただ、大和公民館発着のコミュニティバスの情報を、清里駅での聞き込みで得るのは難しいかもしれません。

ならば、もう一つの案として、情報収集を兼ねて北杜市役所を目指してみるという考え方もあるでしょう。その後、第1チェックポイント往復にタクシーを使うという総力戦を仕掛けると、以下のようになります。

▽1日目
清里駅→タクシー18km→北杜市役所11:19→11:37韮崎駅12:15→12:58甲府駅13:40→14:05石和温泉駅→タクシー6.3km→14:20イチフル(☆1,000円)→タクシー2.9km→下黒駒15:41→16:18河口湖駅17:38 →18:00休暇村→18:10ゆらり

序盤からタクシーを使いまくると、上記のように、第2チェックポイントのゆらりに18時過ぎに到着することができます。

その代償として、1日目のタクシー乗車距離は約27kmに達し、ざっと10,000円近くになるでしょう。おまけに、第2チェックポイントに18時到着で入浴ミッションができるかも不明です。したがって、現実的には選択しづらい乗り継ぎですし、巧くいっても効果には疑問があります。

やむを得なかった

ということで、総合的にみて、バスチームが清里駅から長坂駅へタクシーで向かってしまったことは最善策とはいえません。大和公民館からのバスを利用すれば、タクシー代を節約することができ、その後の展開がだいぶラクになったでしょう。

ただし、清里駅の聞き込みで得られる情報に限りがあり、それを基に決断せざるを得なかったという状況からすれば、ルイルイの判断はやむをえなかったのではないか、という気もします。無理矢理先に進まず長坂駅までのアプローチにとどめたのは、次善の策としては妥当だったといえます。

端的にいえば、序盤の停滞を避ける方法はありましたが、避けられなかったことがミスとまではいえませんし、結果として大勢に影響を及ぼしませんでした。

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