楽天がエアアジアに出資して、航空業に参入する。このウワサは、半年くらい前からありました。エアアジアのトニー・フェルナンデスCEOが楽天の三木谷会長と親しく、「日本で素晴らしいパートナーが見つかった」などと述べていたからです。実現したら「エアアジア楽天航空か」などと、航空ファンの間では盛り上がっていました。
当サイトでも、2014年4月10日付で「エアアジアが2015年に日本国内線再参入へ。拠点は中部空港が有力。新会社は『エアアジア楽天航空』?」という記事で報じています。
楽天とエアアジアが出資
この構想が実現するようです。東洋経済オンラインが報じました。同サイトは「楽天 が7月にも航空会社の経営に参画する準備を進めている」とし、株式については「楽天とエアアジアが直接出資で最大3分の1ずつ、残りを複数の日本企業で持ち合うというのが有力案」と報じています。
エアアジアは、2011年にエアアジア・ジャパンとして日本市場に参入しました。このときは全日空との合弁で、全日空が議決権ベースで3分の2を出資しています。しかし、経営不振に陥って全日空との合弁を解消し、エアアジアは日本からいったん撤退。新しい「エアアジア・ジャパン」を設立し直して、日本市場に再参入するとしていました。すでに、中部空港内に本社を置いて、2015年就航をめざし準備を進めている模様です。
ダイナミックパッケージで格安販売?
では、新しい「エアアジア楽天航空」は、どういう姿になるのでしょうか。本社を置いている中部空港を拠点とするならば、中部~札幌、福岡、那覇線が基幹路線となるでしょう。エアアジアは、2014年3月に中部~クアラルンプール線を就航させていますが、これも日本国内線の拠点を中部に置くことを見据えた路線とみられます。クアラルンプールからの客を中部乗り継ぎで日本各地に運ぶ、という戦略が立てられていると思われます。
「エアアジア楽天航空」の注目点は、楽天がどういうサービスを提供してくるか、ということでしょう。もっとも考えられるのは、楽天トラベルとの連携です。楽天トラベルはすでに大手旅行代理店並みの取扱高を誇っており、この販売力を「エアアジア楽天航空」にも使うとみられます。楽天トラベルのダイナミックパッケージで、エアアジア楽天航空と宿泊施設がセットで格安販売される可能性は高そうです。
予約システムについては、エアアジアの既存のものをベースにして楽天風にローカライズすると思われます。エアアジアにはマイレージ制度はありませんが、「エアアジア楽天航空」では、チケット代金に応じて楽天スーパーポイントが貯まる可能性が高そうです。楽天イーグルスやヴィッセル神戸が勝った翌日に購入して搭乗すると、きっとポイントは2倍です。期間限定で10倍になることもありえます。でも、期間限定ポイントになるでしょうから、次のご予約はお早めに。