JR北海道2022年3月ダイヤ改定の概要。廃止7駅はどこだ?

キハ40形も大量引退へ

JR北海道が2022年3月ダイヤ改定の概要を発表しました。キハ283系の引退や、7駅廃止方針などが盛り込まれています。詳しくみていきましょう。

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「おおぞら」が261系に統一

JR北海道は、2022年春に予定しているダイヤ見直しについて、現時点で検討している概要について発表しました。いわゆる2022年3月ダイヤ改定の主な項目を、先んじて公表したわけです。

大きく変わりそうなのは特急「おおぞら」で、キハ283系で運行している6編成を全てキハ261系に置き換えます。キハ261系は22両を増備。これにより、振り子式の高速気動車として一世を風靡したキハ283系が引退することになります。

特急「おおぞら」は通常5両編成で運転されていますが、ダイヤ改定後、閑散期には4両編成で運転します。減るのは自由席で、自由席1両、グリーン車1両、指定席2両の編成となります。

キハ283系

新函館北斗の接続改善

特急「北斗」は、新函館北斗での北海道新幹線との接続を改善します。上下あわせて10本程度で接続時間を短縮します。最大で20分程度の短縮を見込みます。

札幌~旭川間では、特急「ライラック」2本を臨時列車とし、ゴールデンウィークやお盆、年末年始などの繁忙期に限定して運転します。また、土休日運転としていた特急「カムイ」4本については、運転日を縮小します。

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H100形を大量投入

普通列車で使われているH100形電気式気動車は、30両を追加投入します。根室線新得~釧路間と、石北線旭川~上川間に集中投入。根室線は54本の列車を全てH100形に置き換え、石北線では24本中19本を置き換えます(現行は2本置き換え済み)。置き換え対象はキハ40形で、キハ40形が大量に引退しそうです。

キハ40形からH100形に切り替わることで、動力性能が大きく向上します。これにより、根室線と石北線の普通列車で所要時間が短縮します。

平均所要時間は、新得~帯広間で現行平均63分が58分に、帯広~池田間は30分が27分に、白糠~釧路間は34分が31分に、旭川~上川間は67分が63分に短縮します。最大で各区間10分~20分程度の短縮となっていて、当該区間では新車による快適性の向上と所要時間の短縮という、二つの恩恵がありそうです。

札幌圏も削減

札幌圏では、土休日に普通列車10本程度を運休とし、列車本数を削減します。

学園都市線では、日中時間帯や夕方ラッシュ時に運転本数と編成両数を見直します。

そのほか、函館線函館~森間でも減車と土休日運休となります。函館線岩見沢~旭川間や、室蘭線苫小牧~岩見沢間、日高線、根室線新得~池田間、宗谷線旭川~名寄間でも減車を実施します。

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ロイズタウン、名寄高校

新駅としては、学園都市線では「ロイズタウン駅」が開業します。全84本のうち9割程度が停車する見込みです。全列車停車にならないのは、ダイヤ上の制約があるためのようです。

新駅ではありませんが、宗谷線では「東風連駅」が移設のうえ「名寄高校駅」となります。名寄高校駅は名寄高校から200mの位置にあり、利用者増が期待できることから、普通・快速あわせた24本の全列車が停車する計画です。

7駅を廃止方針

一方で、極端に利用の少ない駅について、7駅を廃止する方針です。内訳は花咲線1駅、宗谷線1駅、函館線5駅で、それぞれ廃止の方向で関係自治体と協議中です。

具体的な廃止予定駅は明らかにされていませんが、花咲線は糸魚沢、宗谷線は歌内が候補とみられます。

函館線では、池田園、流山温泉、銚子口、石谷、本石倉、山崎、中ノ沢、二股、比羅夫の各駅が2019年までの5年間平均で1日の利用者数が3人以下となっています。今回廃止の候補となっているのは、このうち池田園、流山温泉、銚子口、石谷、本石倉の5駅のようです。

とくに、流山温泉と銚子口は1日1人以下のため、廃止になる可能性が高そうです。(鎌倉淳)

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