北海道新幹線開業にともない、JR東日本は「三連休乗車券」をリニューアルし、2016年度より、「三連休東日本・函館パス」を発売すると発表しました。新しいフリーきっぷはJR北海道の函館~森間がフリーエリアに加わったのが大きな特徴です。リニューアル内容と、利用期間、価格についてもおさらいしておきましょう。
3年ぶりリニューアル
JR東日本の三連休のフリーきっぷは、「GOGO3DAYSフリーきっぷ」が発祥で、その後、「三連休パス」「スリーデーパス」「三連休乗車券」と名称とルールを変更してきました。現在の「三連休乗車券」は2013年度から販売されています。
北海道新幹線開業を機に、「三連休乗車券」が2016年度からルールと名称を変更し、「三連休東日本・函館パス」となります。JR東日本の連休系のフリーきっぷは頻繁にルールが変わるので、使い慣れた人以外は内容がわかりにくくなっているかも知れません。
「三連休東日本・函館パス」の利用期間と価格
新しく設定される「三連休東日本・函館パス」は、祝日を含む三連休に利用可能なきっぷです。2015年度は「三連休乗車券」で7期間の設定がありましたが、2016年度は曜日の並びの関係で6期間に減っています。
2016年度「三連休東日本・函館パス」利用期間
- 海の日 2016年7月16日~18日
- 敬老の日 2016年9月17日~19日
- 体育の日 2016年10月08日~10日
- 天皇誕生日 2016年12月23日~12月25日
- 成人の日 2017年1月7日~9日
- 春分の日 2017年3月18日~20日
価格は値上げされました。「三連休乗車券」では大人13,390円小児4,110円でしたが、「三連休・函館フリーパス」では大人14,050 円 小児4,300 円となり、大人が660円の値上げ、小児が190円の値上げとなっています。
「三連休東日本・函館パス」のフリーエリア
フリーエリアは、どちらのきっぷもJR東日本全線が基本。それにくわえ、「三連休乗車券」では、JR北海道の中小国~函館間、伊豆急行、富士急行、えちごトキめき鉄道の新井~直江津間、北越急行、三陸鉄道、IGRいわて銀河鉄道、青い森鉄道がフリーエリアとされていきました。エリア内では、快速・普通列車の普通車自由席とBRTが乗り降り自由です。特急券などを別途購入すれば、新幹線や特急列車にも乗車できます。
「三連休東日本・函館パス」では、「三連休乗車券」のフリーエリアに北海道新幹線新青森~新函館北斗間と、函館本線函館~森間が加えられました。かわりに、第三セクターに移管された道南いさりび鉄道五稜郭~木古内間はエリアから外れています。そのため、北海道新幹線で木古内で降りて函館に行こうとすると、道南いさりび鉄道の運賃が必要になります。
第三セクター路線では、しなの鉄道もフリーエリアに含まれていません。
また、「三連休東日本・函館パス」への変更にともない、富士急行もフリーエリアから除外されます。富士急行は「北海道&東日本パス」のフリーエリアからも外れますので、何か事情があったのかもしれません。なお、「週末パス」では、富士急行はフリーエリアにとどまっています。「週末パス」については、みたところ2016年度もこれまでと変更はないようです。
そのほかは、「三連休乗車券」も「三連休東日本・函館パス」もルール上の違いはありません。前日までに購入しなければならないことも、これまで同様です。
「えきねっとトクだ値」との比較は?
660円の値上げで森までエリアが広がったことで、北海道新幹線を使って大沼エリアの観光をしやすくなります。大沼に用はないよ、という方も多いでしょうが、東京から新函館北斗まで鉄道を使うと、片道運賃だけで11,130円もかかりますので、「三連休東日本・函館パス」で函館まで往復すれば、それで簡単にモトが取れます。
新函館北斗までの単純往復として考えた場合、「三連休東日本・函館パス」を使うと、14,050円+指定席特急券往復22,260円=36,310円が往復の総額です。「お先にトクだ値」を使って往復すると、片道17,010円×2=34,020円ですから、それよりは高くなります。ただ、「お先にトクだ値」は実質14日前までの発売で、販売座席数も限定で売り切れやすいという難点があります。
実質前日まで購入できる「えきねっとトクだ値」の場合は、片道21,550円×2=43,100円ですので、「三連休東日本・函館パス」を使った往復より高くなります。また、「三連休東日本・函館パス」は小児価格が4,300円と激安なので、子ども連れは特にお得です。ファミリーでの北海道新幹線の体験乗車には向いているチケットといえます。
「週末パス」との使い分けを
ということで、「三連休東日本・函館パス」は、首都圏から函館・大沼エリアに鉄道で観光するには適したきっぷです。北東北エリアのJR線に乗るにも便利です。第三セクターや地方私鉄に乗るのがメインなら、エリアは南東北や関東甲信越に限られますが、「週末パス」を先に検討すべきでしょう。
「週末パス」は大人8,730円、小児2,560円と価格据え置きですので、「三連休・東日本函館パス」よりもお得感が出てきました。月並みな表現になりますが、上手に使い分けて、お得に自由な鉄道旅行を楽しみたいところです。