航空会社の燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)が11月から値上がりします。JALの欧米往復は10万円から12万4,000円に上昇。直近の燃油価格は高止まりしていて、2027年1月以降はさらに値上がりし、史上最高値の更新も視野に入ってきました。
11月分を発表
国際線旅客が航空券購入時に支払う燃油特別付加運賃(燃油サーチャージ)について、JALは、2026年11~12月発券分の値上げを国土交通省に申請しました。
燃油サーチャージは、燃油市況価格の直近2か月間の平均に基づき算定されます。
JALによりますと、基準となるシンガポールケロシンは、2026年8月から9月の市況価格の平均が1バレルあたり159.19米ドルでした。また、同期間の為替平均は1ドル157.61円でした。これを乗じた1バレルあたりの基準金額は25,089円となりました。
10月までの発券分を算出した6月から7月の水準は、市況価格132.50米ドル、為替161.63円、基準金額21,417円でしたので、市況価格は約20%上昇し、為替は約2.5%円高に振れています。

約20~29%の値上げ
結果として、燃油相場の基準金額は21,000円台から25,000円台に上昇しました。そのため、JALでは2026年11月1日発券分からの燃油サーチャージを値上げします。
11~12月発券分のひとり1区間片道あたりの燃油サーチャージは、日本から北米・欧州・オセアニアなどが62,000円、ハワイ・インドなどが38,500円、タイ・シンガポールなどが33,200円となります。
これは片道の金額なので、往復の場合、北米・欧州・オセアニアなどは124,000円、ハワイ・インドなどは77,000円、タイ・シンガポールなどは66,400円です。
10月までの発券分に比べると、欧米往復で24,000円、ハワイ往復で15,200円、東南アジア往復で14,400円の値上げとなります。方面によって異なりますが、値上げ率は約20~29%です。
燃油サーチャージの推移
過去1年の燃油サーチャージの推移は下表の通りです。配信先で表が崩れる場合はこちらをご覧ください)
| 路線 | 25-26年 12-1月 |
26年 2-3月 |
26年 4月 |
26年 5-6月 |
26年 7-8月 |
26年 9-10月 |
26年 11-12月 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 北米・欧州・中東・オセアニア | 25,000 | 29,000 | 29,000 | 56,000 | 65,000 | 50,000 | 62,000 |
| ハワイ・インドネシア・インド・スリランカ | 16,000 | 18,500 | 17,800 | 34,700 | 40,400 | 30,900 | 38,500 |
| タイ・マレーシア・シンガポール・ブルネイなど | 13,000 | 15,500 | 15,500 | 29,600 | 35,000 | 26,000 | 33,200 |
| グアム・パラオ・フィリピン・ベトナム・モンゴルなど | 8,200 | 9,500 | 9,500 | 19,500 | 22,500 | 17,500 | 21,500 |
| 東アジア(韓国、モンゴルを除く) | 6,200 | 7,400 | 7,400 | 14,200 | 16,900 | 12,400 | 16,000 |
| 韓国、極東ロシア、沖縄・台湾線 | 2500 | 3,000 | 3,000 | 6,500 | 7,400 | 5,900 | 7,100 |
※片道あたり、発券日基準。
「ゾーンS」を適用
今回の燃油サーチャージ額は、JALが公表している適用条件表の「ゾーンT」(25,000円基準)に該当します。
しかし、政府による中東情勢を踏まえた緊急的激変緩和措置の補助があるため、1段階低い「ゾーンS」(24,000円基準)を適用します。
この措置がなければ、北米・欧州向けは片道65,000円、往復130,000円となるところでした。政府の補助によって、往復で6,000円低く抑えられています。
最新の北米・欧州向け適用条件表は以下の通りです。
| ゾーン | 基準価格 | サーチャージ額 |
|---|---|---|
| A | 6,000円~7,000円 | 4,500円 |
| B | 7,000円~8,000円 | 8,900円 |
| C | 8,000円~9,000円 | 13,400円 |
| D | 9,000円~10,000円 | 16,000円 |
| E | 10,000円~11,000円 | 18,500円 |
| F | 11,000円~12,000円 | 21,000円 |
| G | 12,000円~13,000円 | 25,000円 |
| H | 13,000円~14,000円 | 29,000円 |
| I | 14,000円~15,000円 | 33,000円 |
| J | 15,000円~16,000円 | 35,000円 |
| K | 16,000円~17,000円 | 38,000円 |
| L | 17,000円~18,000円 | 41,000円 |
| M | 18,000円~19,000円 | 44,000円 |
| N | 19,000円~20,000円 | 47,000円 |
| O | 20,000円~21,000円 | 50,000円 |
| P | 21,000円~22,000円 | 53,000円 |
| Q | 22,000円~23,000円 | 56,000円 |
| R | 23,000円~24,000円 | 59,000円 |
| S | 24,000円~25,000円 | 62,000円 |
| T | 25,000円~26,000円 | 65,000円 |
| U | 26,000円~27,000円 | 68,000円 |
| V | 27,000円~28,000円 | 71,000円 |
| W | 28,000円~29,000円 | 74,000円 |
※基準価格は下限以上、上限未満。サーチャージは片道あたり。
今後の見通しは?
燃油価格は10月に入ってからも高い水準が続いていて、1バレル175ドル前後で推移しています。いっぽう、直近の為替は、1ドル158円前後の値動きで膠着しています。
このままの状況で推移すれば、次回の1-2月発券分の基準価格は27,000円台になります。その場合、適用条件表の「ゾーンV」に該当し、11月以降の「ゾーンS」より3段階上がります。政府の激変緩和措置で1段階下がるならば、「ゾーンU」です。
その場合、欧米片道は68,000円になるでしょう。往復なら13.6万円です。7-8月に記録した欧米往復13万円を上回り、史上最高値を更新する可能性が出てきました。
一段高の様相も
燃油価格高騰の原因となっているアメリカとイランの紛争は終わりが見えず、価格の大幅な下落は見通しづらい状況です。為替相場は膠着していますが、じりじりと円安傾向が続いています。
したがって、1月以降のサーチャージは、9-10月より一段と高くなる可能性があります。
すなわち、現在の燃油サーチャージは狙い目で、年末年始に旅行の予定があるならば、10月中に海外航空券を確保してもよさそうです。(鎌倉淳)






















