首都高速中央環状品川線の大橋ジャンクション~大井ジャンクション9.4kmの開通日が、2015年3月7日と決まりました。これで、中央環状線は最初の開業から33年をかけて全通することになります。
中央環状品川線の開通で、大きく変わるのが羽田空港アクセスです。開通後は、渋谷、新宿、池袋方面と羽田空港を結ぶリムジンバスが中央環状線経由になることが予定されており、大幅な時間短縮が見込まれるからです。
新宿~羽田は20分短縮
首都高速道路会社が発表した資料によりますと、新宿から羽田空港までの渋滞ピーク時(平日 11 時台)の所要時間は、40分から20分に半減すると記されています。これは、新宿出入口と空港中央出入口の所要時間のようです。
現在の羽田空港リムジンバス時刻表では、平日11時に新宿駅西口を出る便は、12時に羽田空港第2ターミナルに到着します。所要時間は1時間です。中央環状全通後に20分短縮されるなら、所要時間は約40分になります。
山手線・京急と所要時間は互角に
電車で行く場合、新宿発11時の山手線に乗ると、11時37分に京急羽田空港国内線ターミナルに到着します。つまり、中央環状線全通後は、バスも電車も所要時間は互角になる、ということです。
バスは渋滞リスクが大きいので、新宿から羽田空港へ行く場合には、これからも山手線と京急を利用する人が多いでしょう。しかし、羽田から新宿へ向かう場合はどうでしょうか。「バスも電車も時間が変わらないなら、座れて乗り換えのないバスを選ぶ」という人は増えるのではないでしょうか。
実際のところ、バスには渋滞リスクがある反面、道路が空いていたら時刻表なんてウソみたいに早く着くこともあります。中央環状線は途中の出入口が少ないので、都心環状線に較べれば渋滞リスクも小さいでしょう。ならば、中央環状線経由での新宿~羽田間は30分程度のこともあるのではないでしょうか。
渋谷へは20分台で着く?
さらに開通効果が大きいのは羽田~渋谷線とみられます。この路線は、これまで谷町ジャンクション経由という大回りをしていたので、リムジンバスの時刻表上の所要時間は新宿と変わらない約1時間となっています。しかし、中央環状線全通後は、羽田発は時刻表上で40分程度に短縮され、渋滞がなければ渋谷まで20分台で着くかもしれません。渋谷発に関しては、現時点では中央環状に入る適当な入口が渋谷駅近くにありませんが、3号下り渋谷入口ができる2018年度に所要時間が大幅に短縮されるとみられます。
リムジンバスは、羽田空港の到着ロビーと同じフロアから乗ることができ、荷物が多いときには便利です。さらに速いとなれば、お土産物をたくさん抱えて都内の自宅に帰る旅行客などは、これからかなりの数がリムジンバスに流れるのではないでしょうか。とくに、電車の本数が少なく、道路が空いている早朝、深夜は、リムジンバスのほうが便利で早い、ということになりそうです。
ただし、リムジンバスは鉄道に比べて運賃が高いのがネック。ねだんは電車が安いのは変わらないでしょう。