AIRDOとソラシドエアが、2025年度中間決算を発表しました。両社とも増収で営業利益を確保したものの、利益率は低く、「安売り」を抜け出せない苦境が続いています。
AIRDO中間決算
AIRDOが発表した2025年4〜9月期決算(2025年度中間決算)は、営業収入が前年同期比1%増の282億円、旅客数は7%増の135万人となりました。旅客が増えたわりに収入が伸び悩んでおり、航空券の安売りを余儀なくされている様子がうかがえます。
営業費用は5%増の260億円。収入増が費用増に追いついておらず、純利益は35%減の19億円にとどまりました。営業利益率は3.8ポイント減の7.8%です。
ソラシドエア中間決算
ソラシドエアが発表した2025年4〜9月期決算は、営業収入が6%増の269億円、旅客数は8%増の120万人となりました。
こちらも旅客増ほど収入が伸びていないものの、営業費用は4%増の267億円にとどめ、2億円の黒字を確保しました。前年同期は1.9億円の赤字だったため、黒字転換を成し遂げたことになります。
前年度に比べれば好決算といえるのですが、営業利益率は0.7%と低い数字で、純利益はわずか600万円です。
価格競争激しく
両社は、リージョナルプラスウイングスという共同持株会社の傘下にある事業会社です。
両社とも、旅客数は増えているものの、収入がそれに追いついていないため、客単価が伸び悩んでいる点が共通しています。大手航空会社やLCCとの価格競争が激しく、航空券の「安売り」を余儀なくされているのでしょう。
国土交通省が開催している「国内航空のあり方に関する有識者会議」の10月の会合で、両社はコスト増と国内の過当競争による苦境を訴えました。今回の決算をみても、両社の厳しさがうかがえます。
スカイマークは客単価引き上げ
中堅航空会社でも、スカイマークの中間決算は旅客数が3%減、旅客収入が0.7%増となっていて、客単価の引き上げに成功しています。客単価は13,498円で、前年同期比で723円増となり、率にして約5.7%も上回りました。
同社は、今期より「戦略的な単価向上施策」を掲げていて、その成果が表れた形です。ただ、営業利益率は2.2%と低迷。期末の業績予想を下方修正して、純利益は100億円と大幅な減益を見込んでいます。
足下では燃油価格は落ち着いていますが、円安が進み、国内航空会社には厳しい環境が続いています。中堅航空会社の苦境は、まだ続きそうです。(鎌倉淳)






















