JR東日本が、モビリティ中長期成長戦略「PRIDE&INTEGRITY」を策定しました。そのなかで、盛岡~新青森間の320km/h運転を、2028年頃に開始する方針を示しました。次世代新幹線は2030年代半ばに投入する予定です。
ロードマップを公表
JR東日本が発表した「PRIDE&INTEGRITY」は、同社のモビリティ事業に絞った中長期成長戦略です。「20年後の2045年のモビリティを想像しながら、10年後のモビリティ像と成長戦略」を定めたものです。
戦略で公表されたロードマップでは、東北新幹線の盛岡~新青森間の320km/h運転の開業時期を、2028年頃としています。
5分程度の時間短縮
東北新幹線盛岡~新青森間の速度向上事業は、2020年10月に発表され、工事期間を「おおむね7年程度」としていました。
したがって、2028年頃に320km/h運転が実現するのであれば、予定通りに事業が進んでいることになります。2028年3月ダイヤ改正で、盛岡~新青森間の速度向上が実現する可能性が高そうです。
盛岡~新青森間の現行の最高速度は260km/hです。320km/h運転により、最大5分程度、所要時間が短縮します。
福島駅アプローチ線も順調
ロードマップでは、山形新幹線の福島駅アプローチ線の使用開始時期についても示していて、2027年頃となっています。
これまでに発表されている予定では、2026年度末の完成とされていますので、こちらも順調に工事が進んでいるようです。2027年3月のダイヤ改正で供用開始となりそうです。
「次世代新幹線」は30年代後半に
また、ロードマップでは「次世代新幹線の導入」が、2030年代半ばの時間軸で記されています。JR東日本の「次世代新幹線」とはALFA-Xを指しますので、2030年代半ばに、ALFA-Xをベースにした新型車両を投入するということでしょう。
ALFA-Xの設計最高速度は360km/hです。したがって、2030年代半ばに導入される「次世代新幹線」の最高速度も360km/hになる可能性が高いでしょう。現行のE5系に比べて40km/hの速度向上となります。
北海道新幹線の札幌延伸開業が、2038年頃とされていますので、そのタイミングにあわせて次世代新幹線を導入する、ということのようです。(鎌倉淳)