東京メトロは、半蔵門線に新型車両18000系電車を19編成投入すると発表しました。東急田園都市線、東武スカイツリーラインにも乗り入れ、通勤・通学が快適になりそうです。
8000系を置き換え
東京メトロによりますと、半蔵門線用の新型車両18000系は、19編成190両を、2021年度上半期から順次導入します。開業当時から約40年にわたり運行している8000系を置き換えます。
18000系の外観は、これまでの8000系や08系と同じく半蔵門線カラーの紫色(パープル)がベースです。柔らかなボディラインに直線的なヘッドライトを据えたスタイリッシュなデザインとなりました。
内装も紫をベースにした、華やかな雰囲気です。連結面や座席横の仕切り、荷棚には透明な強化ガラスを採用し、車内の開放感を高めました。
座席幅を8000系の430mmから460mmに3cm拡大。座席表地には消臭、抗菌、抗ウイルス加工を施します。
車椅子、ベビーカーが利用しやすく
バリアフリー施策としては、全車両にフリースペースを設置しました。これまでは、直通3社でフリースペースの位置が異なりましたが、全車両配置なら迷うことはありません。
フリースペース付近のドアのレールには切り欠きを施しています。車椅子やベビーカー利用者は乗り降りしやすくなるでしょう。
外観の車端上部には、フリースペースのサインを掲示し、車椅子やベビーカー利用者が位置を確認しやすくなっています。
また、車両の床面高さを従来車両に比べて60mm低くして車両とホームの段差を低減。ドア出入口下部の形状をホーム側に傾斜させています。
車内カメラも設置
環境負荷軽減策としては、高効率な永久磁石同期電動機(PMSM)とSiC素子を利用した制御装置の採用により消費電力量を削減します。
セキュリティ面では、車内にセキュリティカメラを設置。車両情報監視・分析システム(TIMAシステム)を導入し、走行中の機器状態を、総合指令所や車両のメンテナンスを行う部署から遠隔でモニタリングします。
「兄貴分」はグッドデザイン賞
18000系の「兄貴分」にあたる有楽町線・副都心線用の17000系は、「2020年度グッドデザイン賞」を受賞しました。
受賞理由は多様なバリアフリーへの取り組みや、車内の空間性、快適性及び安心感の向上などです。「細かい工夫を積み重ね、繊細で完成度が高い」と評価されました。
18000系も、17000系と基本的な仕様は同じです。つまり、グッドデザインな快適車両が半蔵門線にも投入される、ということです。半蔵門線と直通運転する東急田園都市線や東武スカイツリーラインにも、もちろん乗り入れます。
18000系は19編成という大量投入で、8000系19編成の全てを更新します。半蔵門線には他に08系が6編成あり、こちらはそのままですので、全体の4分の3が新型車両に置き換わることになります。
半蔵門線・田園都市線・スカイツリーライン系統では、2018年に投入開始された東急2020系に続く新型車両です。ラッシュ時には大混雑する路線系統なだけに、通勤・通学で利用されている方にとっては、快適な車両が増えるのは嬉しいことでしょう。
一方で、8000系に乗車できるのはあと少しですので、乗り納めをしたい方はお早めに。