JR西日本が、2021年3月ダイヤ改正で近畿エリアの主要路線で終電を繰り上げます。その詳細を発表しました。ライバルの私鉄と終電時刻の比較をしながらみてみます。
20分~30分繰り上げ
JR西日本は、2021年3月ダイヤ改正で、近畿エリアの12路線で終電を繰り上げます。午前0時以降に発車する列車が中心で、計48本が削減となります。繰り上げ時間は20~30分程度です。
終電繰り上げエリアは以下の通りです。大阪駅を中心に、方面別に、私鉄と比べながら概要を見ていきましょう。
JR神戸線
大阪発のJR神戸線は、午前0時発の新快速姫路行きが西明石行きに変更。姫路行き最終は23時40分発となります。普通列車の西明石行き終電は00時04分発が最終となります。
阪急神戸線と阪神本線の三宮行き最終は、いずれも梅田発00時00分の快速急行です。したがって、神戸三宮エリアへの最終電車は、JRが4分遅いだけとなり、終電の時間差が縮まります。
なお、阪急神戸線は西宮北口行き00時25分発、阪神本線は御影行き00時20分発などがあります。このため、阪急・阪神でダイヤ改正がなければ、梅田エリアから阪神地区への最終電車は、阪急、阪神のほうが遅くなります。
JR神戸線下りの最終時刻表は以下の通りです。
JR京都線
つづいて、大阪発のJR京都線です。23時10分発の快速米原行きが野洲行きになり、00時00分発の新快速野洲行きが京都行きになります。00時25分発の新快速京都行きと、00時15分発普通京都行き、00時31分発の普通高槻行きが削減です。
この結果、新快速は00時00分京都行きが最終、普通は00時10分発高槻行きが最終になります。
ライバルとなる阪急京都線では、河原町行き最終が梅田発23時45分の快速急行。高槻行き最終は00時10分の普通です。したがって、京都市内行きの最終電車はJRが15分遅く、高槻行きは同時刻です。
JR京都線・琵琶湖路線下りの最終時刻表は以下の通りです。
JR宝塚線
京橋発の東西線、JR宝塚線は、00時01分発の普通三田行きと、00時15分発の普通宝塚行きがなくなり、23時52分発の普通新三田行きが最終となります。この列車は北新地23時59分発です。
この列車は、尼崎で、大阪発00時04分発の普通の接続を受けます。つまり、JR宝塚線の最終は、大阪発00時04分、北新地発23時59分となります。
阪急宝塚線の終電は、梅田23時48分発の急行です。つまり、JR西日本の終電繰り上げ後も、宝塚への終電ではJRのほうが遅いです。
JR宝塚線下りの最終時刻表は以下の通りです。
大和路線
つづいて、天王寺発の大和路線王寺方面です。こちらは、23時48分の大和路快速加茂行きが奈良行きに変更。00時18分発の普通奈良行きがなくなり、奈良行き最終が00時01分発の普通になり、17分繰り上がります。
王寺行き最終は00時34分から0時24分に10分繰り上がります。
これに対し、近鉄奈良線の鶴橋発は、奈良行きが00時01分区間準急が最終です。この区間準急は難波23時55分発。JRの最終はJR難波を23時52分発ですので、難波発で比べると、奈良への最終はJRと近鉄がほぼ同時刻になります。
大和路線下りの最終時刻表は以下の通りです。
阪和線
天王寺発の阪和線方面は、和歌山行き最終は変わらず。日根野行きは00時20分発快速がなくなり、00時発の鳳行き快速で普通日根野行きに接続となります。鳳行きは00時35分が00時24分発に繰り上がります。
比較として新今宮発の南海本線は、泉佐野行き最終が00時10分急行、住之江行きが00時27分発普通です。南海高野線は三日市行き区間急行が00時12分、堺東行普通が00時28分です。発駅、着駅が違うので一概にいえませんが、おおむね南海のほうが終電が10分ほど遅くなりそうです。
阪和線下りの最終時刻表は以下の通りです。
最終新幹線との接続
東京発の最終新幹線との接続も注目点です。東京方面からの最終である「のぞみ265号」の京都駅到着は23時31分、新大阪駅到着は23時45分。新ダイヤで、この列車に乗車して同日着できるのは、下図の区間です。
現ダイヤでこれに接続して同日着できる区間のうち、琵琶湖線・篠原~米原、JR神戸線・大久保~姫路、学研都市線・忍ケ丘~松井山手、大和路線・法隆寺~郡山では、新ダイヤでは同日着で乗り継げなくなります。
全体的にみて、JRは主要駅を午前0時10~20分頃に出発し、遅くても1時頃に到着するダイヤにするようです。現状の私鉄も似た時間帯に終電を設定しているので、私鉄がさらに終電を繰り上げないのであれば、エリアによってJRが私鉄より終電が早いこともあれば遅いこともある、という形になりそうです。