スカイマークの宮古島路線が、2013年6月から再開されることが明らかにしました。これは、同社の加藤正三取締役執行役員が、下地敏彦・宮古島市長を訪問した際に伝えたものです。
スカイマークは、那覇-宮古線を現在1日3往復運航していますが、搭乗率が低迷し、2013年4月から3ヶ月の運休を決めています。つまり運航再開予定は7月1日でしたが、これを1ヶ月繰り上げることになります。便数は運休前と同じ1日3往復です。
スカイマークの那覇-宮古線が開設されたのは2011年9月です。片道最安2800円という格安運賃で話題となりましたが、同じ区間に路線を持つ全日空や、日本航空系のJTAもすぐに対抗値下げをし、結果としてスカイマークの搭乗率は低迷していました。
「勝利」した形のJTA、ANAは、スカイマーク運休の翌日から運賃の大幅値上げを発表。それまでの2倍以上の割引運賃価格を設定しました。これには、さすがに地元から「露骨」との反発の声があがり、スカイマークの再開待望論も湧き出てきたそうです。
とはいうものの、スカイマークの運休の理由には、地元の支援の乏しさもありました。スカイマークが就航したことで、那覇-宮古路線は「離島割引」の対象にならなかった事情もあり、地元住民はスカイマークに対してどこか冷ややか。熱心に支援した形跡は見られません。
そういう背景もあり、スカイマークの加藤執行役員は、運航再開に際してわざわざ宮古島を訪れ、下地市長に面会したようです。加藤執行役員は、市長に対して利用増の協力を要請し、搭乗率が上がらなければ撤退も視野に入れている旨を伝えたそうで、地元に支援を強く求めたといえるでしょう。これに、地元はどう応えるのでしょうか。
スカイマークの撤退後に割引運賃の大幅値上げに踏み切ったJTA、ANAですが、スカイマークが運航再開すれば、再び値下げしてくるのは確実。そうなった場合にスカイマークにどれだけの客足が戻るのかは正直微妙です。また、沖縄企業の体裁を取るJTAに愛着を感じる地元住民も多いようですので、運賃の価格差がなければ、JTA優位は変わらないでしょう。
スカイマークは羽田便との「通し運賃」の検討もしているようで、4月に増便となる羽田-那覇線との接続も改善して、県外からの旅客の流入を増やす作戦を取るようです。沖縄県内移動需要を食い合うのではなく、県外からの訪問客を増やし両社とも潤うというのが、最も理想的な形でしょう。健全な競争関係を維持しながら、両社が共存できることを期待します。