東京メトロが2018年度の事業計画を発表しました。丸ノ内線、日比谷線、半蔵門線への新型車両の導入や、東京オリンピックに向けた駅リニューアル工事などが盛り込まれています。
ここでは、事業計画に基づいて、これから東京メトロがどう変わっていくかを、利用者に関わりの深い部分について、まとめてみました。
丸ノ内線に新型車両が登場
まずは、新型車両。2018年度の注目は、丸ノ内線で初投入される2000系でしょう。1988年に登場した02系を更新する車両です。6両すべてにフリースペースや小物を置けるテーブル、荷物掛け、携帯電話用の小電力コンセント(2口)を設置するなど、これまでにない車両となりました。
座席は1人あたりの幅を拡大し、クッションを改良するなどして、座り心地を改良。東京メトロの車両の中でも、意欲作と言える新車です。2019年2月から運行を開始し、2022年度までに6両編成53本318両が導入されます。
そのほか、日比谷線では13000系を13編成投入。2020年度に全44編成の導入が完了します。
半蔵門線の新型車両導入も発表されました。現在、半蔵門線のメトロ車両には、1981年登場の8000系電車と、2003年登場の08系電車があります。新型車両は、このうち8000系を置き換えます。2018年度に設計着手、2020年度に導入です。
千代田線でホームドアを集中整備
駅設備としては、ホームドアの整備に力点が置かれます。東京メトロでは、2025年度までに、全路線全駅へのホームドアを設置します。2017年度末の整備率は55%で、2018年度末には、これを67%に引き上げます。
2018年度にホームドアが設置されるのは、以下の22駅です。
・銀座線 京橋、銀座、新橋、虎ノ門、溜池山王、表参道
・東西線 高田馬場、早稲田、神楽坂、飯田橋
・千代田線 北千住、湯島、二重橋前、日比谷、国会議事堂前、赤坂、代々木公園
・半蔵門線 渋谷、表参道、青山一丁目、永田町、半蔵門
これにより、銀座線は2018年度上期に、渋谷駅を除く全駅で整備が完了します。
2018年度にホームドアの整備が目立つのは千代田線で、翌2019年度に全駅で設置完了する予定。そのほか、日比谷線は2022年度、半蔵門線は2023年度、東西線は2025年度に、ホームドアの全駅設置が完了する予定です。
方南町、北綾瀬でホーム延伸
丸ノ内線では、方南町駅のホーム延伸工事を進めていて、6両編成が停車できるようになります。完成後は、6両編成列車が、方南町から本線へ直通します。
千代田線では、北綾瀬駅のホーム延伸工事が行われています。完成後は10両編成が停車できるようになり、北綾瀬から本線への直通列車が登場します。2018年度に供用開始予定です。
東西線では、南砂町駅のホーム増設工事をおこなっています。1面1線を増設し、2面3線化する計画です。列車の交互発着が可能になり、ホームの混雑緩和や列車の遅延防止が期待されます。
東西線では、飯田橋~九段下間の折り返し線の整備も進めています。完成すれば、西船橋方面から来た列車が、飯田橋で折り返せるようになります。
東西線では、茅場町駅のホーム延伸、木場駅のホーム・コンコース拡幅なども工事中です。九段下駅では、東西線、半蔵門線、都営新宿線の3線共通改札口の設置と、乗り換えエレベーターの整備も進められています。
駅の新設・リニューアル
駅の新設予定としては、日比谷線の虎ノ門新駅が建設中です。霞ケ関~神谷町間に設置され、「虎ノ門ヒルズ」にも近い場所です。虎ノ門新駅周辺には、新しいバスターミナルも作られ、臨海方面へのBRTの発着点となります。2020年度に開業予定です。
虎ノ門再開発の関連では、銀座線の虎ノ門駅で改良工事が行われています。隣接する建物内に「地下駅前広場」を設け、出入口の新設を行うなど、大がかりなもの。2022年度に工事が完了する予定です。
銀座線では、全駅でのリニューアル工事も進行中です。これまでは下町エリア(浅草駅~神田駅)でしたが、今後は銀座エリアにとりかかり、順次リニューアルを実施します。
銀座線渋谷駅を表参道寄りに移設する工事も継続し、2019年度に新ホームが供用開始となります。
旅客サービス
旅客サービスとしては、各駅の自動旅客案内装置の更新も進められています。2018年度には銀座線、丸ノ内線で完了。2019年度には全線で完了します。
駅のトイレの洋式化も進められています。2018年度末時点で、90駅でトイレの個室洋式化が完了。2019年度に全駅全個室で完了予定です。
無料Wi-Fiサービスの導入も進められています。駅構内におけるWi-Fiサービスは全駅で導入済み。車両内については、銀座線、日比谷線、東西線、千代田線で一部導入済みです。
2018年度は丸ノ内線、有楽町線、半蔵門線、南北線、副都心線で、車内Wi-Fiの導入を開始します。2020年度には、全路線の全保有車両で導入が完了するということです。