JR西日本の紀勢本線(きのくに線)の特急「くろしお」号が、2018年3月ダイヤ改正で減便となる可能性が出てきました。また、「オーシャンアロー」283系の、白浜以南の乗り入れも廃止が検討されているようです。
和歌山県庁のメルマガが伝える
これは、和歌山県庁のメールマガジン平成29年10月17日付で明らかになりました。
それによりますと「JRきのくに線白浜〜新宮間の特急くろしお号について、 平成30年春に1便(1往復)減らすという計画があるとJR西日本から聞いております」としています。
現行1日7往復の「新宮くろしお」が、2018年3月ダイヤ改正で1日6往復に減便される計画があることが、JR西日本から和歌山県に伝えられたようです。
白浜以北については言及がありませんので、1往復の「新宮くろしお」が白浜止まりになることが検討されているとみられます。
白浜~新宮間は新型車両に
また、 同メールマガジンには「オーシャンアロー号について、 車両の老朽化から運行区間を白浜までに短くし、 白浜〜新宮間はすでに導入している新型車両との入れ替えを行う計画があるようです」とも記されています。
オーシャンアロー号とは、283系「くろしお」を指します。現在1日2往復が新大阪~新宮間で運転されていますが、これを287系または289系に置き換え、283系を白浜以北の運用に限定する、ということのようです。
輸送密度は1252
いずれも和歌山県庁がJR西日本側から伝えられた内容を告知しているだけで、現時点では正式に決まったことではありません。
ただ、紀勢本線の白浜~新宮間の輸送密度は1252(2016年度)に過ぎず、特急が1日7往復するほどの需要がなくなっているのは事実と言えます。
283系に関しては、1996年の運用開始から21年が経過しており、そろそろ更新が考えられてもいい時期です。製造数が18両にすぎない限定的な車両であるため、走行距離が長くなり老朽化が進みやすかったという事情もありそうです。
和歌山県は「反対」するが
JRから通告を受けた形の和歌山県では、「県としては減便には強く反対」「オーシャンアロー号は(中略)新宮までの運行を継続すべき」との姿勢を示しています(同メルマガより)。
和歌山県の反対姿勢が通じて、これまで通りの運行形態が維持されるのか、それともJRが通告通りの改正を実施するのか。JR側から2018年春のダイヤ改正の概要が公表されるのは、例年12月中旬ごろです。(鎌倉淳)